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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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日本の産業構造は、この10年、20年で大きく転換しつつあり、そんな中で「新規事業」あるいは「海外展開」といった単語をよく聞くようになりました。
 いずれもそう簡単にできるものではないのですが、やはり「新しいチャレンジ」を続けられる企業が、長きにわたって輝き続けられるのではないかと思っています。

 今回の「今日の1社」でご紹介したラクーン(3031・東証マザーズ)は、1993年創業・2006年新規上場。会社を立ち上げ、上場させるというチャレンジを成功させてから8年、既存事業を成長させつつも、また新規事業にも取り組まれています♪

 「今日の1社」出演は2回目で、今回も引き続き取締役財務担当副社長の今野智さまにお話いただきました。
 インタビュアー・井上哲男から取材後記が届いていますので、是非放送とあわせてお読みください!

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取材後記

ラクーン(3031)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は取締役財務担当副社長の今野 智さま。

 

「消費の体温計」

 

▼「3本柱」
 ラクーンさんが「アサザイ」に1年ぶりに来てくれた。

 昨年、卸売業として、メーカーさんと小規模な小売店との架け橋となる事業展開をお伝えした。

具体的には「こんな商品を置きたい」または「こんなお店にうちの商品を置いて欲しい」というニーズを、インターネットを通じて結びつける「スーパーデリバリー」という事業。また、取引先からの掛売り決済の要望が生じた際に必要となる、与信管理から代金の回収業務までを代行し、顧客の手間やコスト、そして回収リスクまでもカバーする「Paid」というサービスの2本立てによりEコマース事業を行ってきた。

 また、取引先が倒産した場合でも、保証をかけておけば損害分の代金が保証される「売掛債権保証サービス」は、保険と似た性格であり、この「小さな会社をバックアップする目的の事業」に対して大手保険会社が再保険のように同社をバックアップしていることもお伝えした。

 

 この3本柱であるが、「スーパーデリバリー」には昨年10月から「カタログビュー」という機能が追加された。このページには卸売価格が掲載されていない。そのため、小売店はお客さんにこれを見せることができるので、実際の仕入れに活かせることになる。小売店は、今まで以上にメーカーの商品とお客さんのニーズの接点を見つけることが容易となったであろう。

 また、「ユビレジ」さんとの連携は、互いに小売店におけるタブレットなどの小さなインターネットツールの活用という点で同じフィールドにいたことから、小売店さんは、より"スマート"なスタイルで利便性を高めることができる。

 
▼4本目の柱、「COREC」

 ここに4本目の柱が加わった。これは「COREC(コレック)」というサービスであるが、今まで電話やFAX、メールなど相手の都合によって一元化できなかった受発注をWeb上で一元管理できるサービスで、業種に関係なく利用することが可能とのことだ。

 この1年間だけでもこのようにラクーンさんは新たな取り組みを行っているが、この会社は常にその事業が「卸売業としての本分」から離れないのが魅力である。あくまでも、製造業と小売の間で役立つことを考えている。

 

 番組でも紹介したが、業績も順調に拡大している。この会社が元気ということは、本当の意味で消費が元気だということである。テレビで消費が取り上げられるのは、百貨店の高級消費財とスーパーの生活必需品であり、その中間に位置する衣料や雑貨は、「~が流行っている」というレベルで話題に取り上げられることはあっても、全体で消費の状況がどうなっているのかを測るのはなかなか困難である。

 
▼日本全体の明るさを、映す

 4月決算の同社は、あさっての6月6日に決算を発表する予定であるが、個人的に非常に楽しみにしている。ひとつは通期の売上が100億円を超えること、もうひとつは、(第3四半期で既に過去最高であった前期の数字を、営業利益、経常利益ともに超過していることから蓋然性が高いと思っているが、)前期も最高を更新したことが確認できること。そして、今期にも明るい見通しを示し欲しいと思っている。

 実は、私は同社に、何か大きなカタリストを求めて、ある期に業績がポンを跳ね上がることを望んでいるわけではない。消費の体温計として、きちんと明るさを示し続けていって欲しいのである。

 同社が上場したのは2006年の4月。それからリーマン・ショックもあり、黒字に戻すのに3期かかった苦労を私は知っている。だから余計にコミットしてしまうのかもしれないが、「この企業の業績が明るいということは、そのまま日本全体の明るさを意味している」という企業というのは、実はそれほど多くはないと思っている。同社はそんな1社だ。100億円企業になるということは上場時から5倍程度になることを意味している。

 「卸売業としての本分」から離れずに戦う同社を、これからもモニタリングし続ける。(了)

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 取材後記は、以上です。
 「小規模な小売店とメーカーをつなぐ架け橋」の交通量が多いということは、すなわち日本全体が明るいということですね♪

 ラクーンは新規事業「COREC」により、その架け橋を今後全業種、360度全方位に構築していこうとしていますので、今後長期的な目線で見守っていきたいところです。

 またラクーンからリスナープレゼントとして、「COREC」ロゴ入り木製スマホスタンドを5名様分提供いただいていますので、こちらからふるってご応募くださいね~。木の質感がなかなか良いです。

 それではまた、来週もお楽しみに!

 

(関連リンク集)
■ラクーン IR情報
■ラクーン 2014年3月17日付プレスリリース クラウド受発注ツール「COREC(コレック)」を提供開始。2014年8月末まで有料プランを無料で利用可能。
■ラクーン 新規事業「COREC」サービスサイト
■アサザイ ラクーンからリスナープレゼント
■アサザイ ラクーン2013年6月26日放送分の取材後記

取締役財務担当副社長の今野智様と。
取締役財務担当副社長の今野智様と。