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WTI原油価格は週末17日の取引で前日比8.03ドル安の109.56ドルと、5月12日以来約1カ月ぶりの安値を示現。先週は米FRBやスイスSNBなど主要中央銀行による政策金利の引き上げが相次ぎましたが、拙速な金融引締によるオーバーキルリスク、ひいては世界の景気後退リスクが懸念され株式市場も大きく下落していましたが、原油もトップアウトしたのでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリスト・ポスト石油戦略研究所代表 大場紀章氏に
原油価格の先行きについてお話を伺いました。

マイナス金利導入国であったスイスまでもが利上げに動き、
世界の中央銀行がインフレ抑制に舵を切っています。
緩和を維持しているのは日銀だけとなりましたが、
先週の6月日銀の金融政策では大規模緩和維持が示されています。


しかし大場氏によると、海外投資家らは利上げは世界の潮流、日銀も程なくして
引き締めに動くと考えているフシがあり、あとはそれが「いつ」になるかを
探っているようだ、とのこと。確かに先週はヘッジファンド ブルーベイによる
日本国債先物ショートが話題となりましたが、
コモディティ市場においても、世界の中央銀行のタカ派シフトを
織り込に行く形で投機玉の手仕舞いが広がったのかもしれません。

しかし、まだ景気後退による需要減で原油の需給が緩んだわけではありません。
中長期的にみても「供給不安」が拭えないのです。

産油国である米国シェール生産は増加しているものの
DUCと呼ばれる待機油井を食いつぶしているのが実情。
このペースでいくと来夏にはDUCもなくなってしまう計算だとか?
なぜ新規投資が進まないのか?
大場氏に解説いただいています。

また、原油だけでなく米国ではガソリン、ディーゼル価格も高騰。
原油からガソリンやディーゼルに精製する能力が限界にあるという
別の問題も孕んでいるのが米国のインフレを加速させています。
脱炭素社会が世界の潮流となり再生可能エネルギーに投資が向かう中、
製油所、精製施設へ設備投資が手控えられているのです。

景気後退=不景気がやってきて需要が冷え込む以外に
エネルギー価格の下落は考えられないのか?

大場氏の解説をアーカイブでお聞きくだださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-220621.mp3