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明日から6月。FRBのQT(バランスシート縮小)がスタートします。金利上昇に量的緩和政策の引き締め策が加わり、教科書的に見ればゴールドにとっては逆風となりますが、足下では1850ドル近辺で水準を維持しており大きく売り込まれることはありません。この先のシナリオは?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎氏にお話を伺いました。

下がらぬ背景には減速はあれ高止まりが予想されるインフレや
ウクライナ危機の不透明感などに加えて
過剰な引き締めによるスタグフレーション、クラッシュレーションへの
懸念がつきまとっていることなどが上げられるとしながら
FRBによる引き締めがもたらす金急騰のシナリオも内包していると亀井氏。

FRBは3月も0.25%、5月に0.5%の利上げを実施。
すでに6月と7月にそれぞれ0.5%の金利引上げを示唆しており
これはマーケットにも織り込まれています。
9月以降の利上げについて市場の見方は分かれていますが
8月のジャクソンホール会合にてその評価が分析されるのでしょう。


同時に6月からQT(量的引き締め策)が月475億ドルでスタートします。
9月からは月950億ドルに倍増する計画ですが
前回2017年10月にスタートしたQTは巡航速度(500億ドル)まで
月100億ドル規模で1年間もの準備期間を要しました。
今回たった3ヶ月で引き締め規模を倍増させなくてはならないのは
高インフレが背景にありますが、ここで懸念されるのが
引き締め策推進の裏にFRB自体が抱えるリスクです。

FEBが抱える国債やMBSなど8兆5000億ドルの債券ポートフォリオは
金利上昇=債券価格下落によって3月末時点で
3300億ドル(約42兆円)の評価損が発生しています。
金利上昇によってもたらされる保有資産の評価損拡大に加え
準備預金、リバースレポの利払いコストも上昇、
逆ざや化することが想定されます。

基軸通貨国米国の中央銀行が赤字化するリスクがある、ということですが
問題は次に景気後退局面が訪れた時に、これまでのような大規模な
量的緩和策を打つことに抵抗はないのか、という懸念。
こうしたリスクが表面化した際に、ドルとゴールドはどのように動くでしょうか。

詳しくはアーカイブ配信で亀井さんの解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-220531.mp3