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景気の先行きへの懸念が大きくなってきているようです。ロシアによるウクライナ侵攻、中国のロックダウン、インフレ下の米金融引締めなどリクスを取り難い環境にあり、株式市場は調整を余儀なくされています。世界の景気減速となればコモディティ市況は落ち着きを見せるのでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザー共同代表 新村直弘氏にお話を伺いました。

1. エネルギー


ロシア産原油の禁輸が制裁のカードとされていますが
インドや中国などの親ロシア国が割安でロシア原油を購入、
また混合比率が50%以上でなければロシア産原油と定義されないなど
ロシア産原油が世界から排除されるシナリオは現実的ではありません。
しかし、西側諸国の脱ロシア原油の動きに対しOPECプラスが
理解を示すことはなく、増産要請を拒絶するなど、
原油価格は下値が支えられています。

足下では中国のロックダウンの影響も重要です。

2.工業金属

ロシア問題がアルミやニッケルなどの価格に影響を与えると懸念されましたが、
これらの金属は実質的に制裁されておらず供給に大きな障害が発生していません。
足下では、最大消費国である中国のロックダウンによる工業活動の停止が
需要面で価格を大きく押し下げている状況にあります。
ゼロコロナ政策はあらゆる生産活動を停止させており
コモディティ需要の減少につながっています。

 足下では投機筋の買いポジションも大きく減少しており、
短期的には調整局面が続きそうですが、
解除されれば需要回復で中期的には価格上昇となるものと見られます。


3.金

 現状、実質金利で説明可能な水準は1,300ドル程度だと新村氏。
 現在の価格は1800ドル近辺。500ドル近くがリスク・プレミアム。
これまでは戦争に伴うリスクがリスク・プレミアムを押し上げていましたが、
 今後はQTや利上げを引き金としたクレジットリスクが
 リスク・プレミアムの上昇を後押しするとみられ、
金価格は軟調ながらも高値を維持すると考えられます。

この他、小麦、とうもろこしなど農産品市況についても伺っています。
詳しくはオンデマンド配信で新村氏の解説をお聞きくださいね。

https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-220517.mp3