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原油価格が高止まりしています。年初は75.69ドルで始まったWTI原油は
1/28に88.84ドルまで上昇、2014年10月以来の高値を更新しました。
金利上昇、ドル高株安環境でも下がらぬ原油価格、その背景にある「地政学リスク」と「需給」は?


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・エッジ代表取締役 小菅努氏にお電話でお話を伺いました。


2014年以降は、地政学リスクで原油が上がる局面が珍しくなっていました。
反応が薄かった背景は「潤沢な在庫」地政学リスクが実際に供給障害を
もたらすか否かは重要ではあるものの、需給ひっ迫の懸念が大きくなかったのです。


ところが現在は世界的に原油の在庫水準が低く、米国は過去5年平均を下回っています。
そもそもの需給がタイトなところに、ロシアと中東UAEの2大産油国の地政学リスクが
高まってきたことに市場は敏感に反応している、と小菅氏。


ロシアは2020年日量1,066.7万バレルの原油を生産、
世界シェア12.1%を占める世界3位の産油国(天然ガスは世界2位)です。

原油輸出先はアジア42%(中国31%、韓国6%)、
OECD欧州48%(オランダ11%、ドイツ11%、ポーランド7%)
天然ガス輸出先はアジア11%、OECD欧州72%
(ドイツ16%、イタリア12%、フランス8%)などとなっています。


ロシア産原油の欧州向け供給が一気に止まれば、
100ドル、150ドルと瞬間的に値が飛ぶ可能性もあると市場は警戒を強めていますが
実際に軍事侵攻があったとしてどのような制裁となるのか、という点は重要。
2014年ロシアのクリミア併合時の制裁内容を検証いただき
リスクシナリオとは違った形となる可能性について解説いただきました。


もうひとつはUAEの石油施設へのドローン攻撃。
イエメンの親イラン武装組織「フーシ派」の動きが活発化しています。
UAEもまたOPEC産油国としての存在感が大きく、ロシアだけでなく
中東の供給障害のリスクが高まっていることも原油高の背景となっています。

金融市場にはWTI原油100ドル予想コーラスが鳴り響き
地政学リスクによる原油高は決してリスクシナリオでは
なくなって来たかに見えます。


ここからのポイントを小菅氏に解説いただきました。
詳しくはオンデマンド配信で小菅産の解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-220201.mp3