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コロナ禍の需給ギャップがもたらしたコモディティ高。コロナの影響による人工的な需要増加と、コロナの影響による供給不足に止められない金融緩和が重なり一時的な価格高騰を招いたものであり、故にコモディティのスーパーサイクルを語るのは時期尚早。

皆さん御機嫌如何でしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザリー代表取締役 新村直宏氏にお話を伺いました。


新村氏はインドが人口ボーナス期入りし構造的な需要増加が起きれば
スーパーサイクル入りとなる可能性はあるものの、それはコロナ禍では
起こり得ない。また、世界の脱炭素政策が定着し「新たな国のインフラ作り」が
各国で進むことで鉱物資源などの需要が増加する段階となれば
スーパーサイクル到来となり得るとしても、それはまだ先のこと指摘されています。

今は個々のコモディティ需給状況を踏まえることが肝要ですね。


1. 金

これにビットコインを初めとする仮想通貨市場への期待が
イーロン・マスクショックや中国人民銀行ショックで剥落し
「本来の安全資産」である金市場に資金が環流していますが
テーパリングの議論が始まる中、ここからの展望を伺っています。



2. 原油


需要の回復と生産の回復の綱引きですが、需要の回復が
移動制限が比較的広く解除される8月以降に顕著になることで
OPECの増産が追いつかず、8月頃に一時的に70ドルを超える展開も?
今年はハリケーンシーズンにエルニーニョ現象が重なる可能性があり、
供給途絶による価格上昇リスクは無視できないようです。



3. 銅


銅を初めとする鉱物資源価格は高値圏で推移していましたが、
資源価格の高騰が中国政府の経済対策の効果を減じていることで、
価格上昇を牽制する動きが強まっており、上値が重くなってきています。
チリで「鉱山採掘に対するロイヤルティフィを引き上げよう」
という動きが出ていることにより供給面のリスクも?



4. 農産品

過去20年、農産品価格に対する説明力が増している
エルニーニョ・ラニーニャ現象ですが、米海洋気象局によるラニーニャ終息宣言
のあった5月13日前後から農産物の下落が始まっています。

年末には再びラニーニャとなる可能性が高いことや、
今年の秋の収穫時期には強力なハリケーンが発生する
エルニーニョ現象の発生が見込まれており、
秋~冬にかけて再び価格が上昇する可能性はあるものの、
これまでのトレンドは一服しています。

詳しくはオンデマンド配信で新村さんの解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-210601.mp3