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原油価格がじり高です。WTI原油先物価格は1バレル=70ドルの大台に乗せてきました。原油やガソリンなど石油製品の上昇はインフレ警戒を更に強めることとなりますが、ここからまだ上昇する余地があるのでしょうか。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか。大橋ひろこです。

今日は経済産業研究所コンサルティング・フェロー藤 和彦氏にお話を伺いました。

◆原油価格をサポートしてきたOPECプラス

OPECプラスはコロナショックの原油急落を受け、
世界の原油供給の1割に当たる970万バレルの大幅減産に踏み切っていましたが
21年、協調減産幅を5月と6月にそれぞれ日量35万バレル、
7月は44.1万バレル縮小することで合意し、実質増産しています。
次回の閣僚会合は7月1日に行われる予定ですが、
8月以降の方針はあきらかになっていません。
イランの核合意復帰に向けた交渉が進められており、米国による制裁が解除されれば、
今年8月に日量100~200万バレルのイラン産原油が
世界市場に戻ってくるとの観測があるためです。
イラン総選挙が18日に実施されますが、
その結果によってはこのイラン核合意交渉は長期化する可能性も。


◆衝撃のIEA(国際エネルギー機関)レポート

IEAは5月18日、2050年までに世界の温暖化ガス排出量を実質ゼロに
するための工程表を公表しました。

(1)化石燃料関連の新規投資の決定を今年中に停止する
(2)2035年までにガソリン車の新車販売を停止する
(3)2040年までに石炭・石油発電所を廃止する
(4)2050年までにエネルギー供給に占める
再生可能エネルギーの割合を約7割に引き上げる


しかし一方でIEAは世界の原油需要について
「今後1年でコロナ禍以前の水準に回復する可能性がある」としています。
そもそもIEAは、1973年の第1次石油危機を契機に
米国のキッシンジャー国務長官(当時)の提唱により、
石油危機を再発させないことを目的として74年に設立されました。
石油危機が勃発する可能性が高い中東産原油の依存度を下げるための機関のはずですが
そのIEAが原油の中東依存度を高める結果を招く内容のレポートを出したという
矛盾について、藤氏に解説いただいています。


詳しくはオンデマンド配信で藤氏の解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-210615.mp3