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米WTI原油先物価格はこのところバレル80ドル前後
でのレンジにとどまっています。
昨年は米国を始めとする利上げ=金融引き締めが原油市況を
冷え込ませました。
23年は景気後退懸念くすぶる中で、ゼロコロナ政策を解除した
中国の経済活動によって原油需要が回復するとの観測が台頭、
1月に入って原油価格は2週連続で上昇しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は経済産業研究所コンサルティングフェロー藤和彦氏に
お話を伺いました。

OPECプラスは原油相場を下支えする目的で22年11月から
日量200万バレルの減産を23年末まで実施することで
合意しています。

しかしながら昨年12月のOPEC原油生産量は日量2900万バレルで
11月に比べて12万バレル増加。ナイジェリアの生産増が主因と
見られます。

世界最大の原油生産国である米国生産量は日量1200万バレル強で
安定的に推移。
制裁されているロシアの生産量も西側が期待するほどには減って
いないようです。

供給面は安定的で価格へのリスク要因にはなりにくい環境に
あるといえます。

となると鍵をにぎるのは需要面。

国際エネルギー機関(IEA)は1月18日、「今年の世界の原油需要は
前年比190万バレル増の日量1億170万バレルになり、史上最多になる」
との予測を示しました。
世界の原油需要の増加の半分は中国のゼロコロナ政策の解除に
伴うものだと分析しています。

OPECもまた「今年の中国の原油需要は日量51万バレル増加し、
世界の需要増加を牽引する」との見方を示していますが(17日)、
大手金融機関ゴールドマン・サックスも9日、「世界の原油需要は
今年日量270万バレル増加し、そのうち中国の需要増が170万バレル
を占める」とした上で「原油価格は今年後半に1バレル=105ドルに
上昇する。」との見通しを示しています。

中国の経済活動の正常化のインパクトが原油価格を
押し上げる、との見通しが増えていますが、世界銀行は10日、
今年の世界経済の成長率見通しを1.7%に引き下げています。

世銀がが正しいとすれば、今年はマイナス成長に沈んだ
リーマンショック後の2009年、コロナ禍の2020年に次ぐ低成長と
なるのです。

さて、今年の世界景気は?
そして原油需要、価格展望は?

アーカイブ配信で藤さんの解説をお聞きくださいね