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2月24日、ロシアがウクライナへ侵攻してから1年が
経過します。
CRB商品指数は侵攻直後急騰するも22年後半にかけて
値を崩し1年が経過し、ほぼ同値に回帰しています。
コモディティ市場にとってウクライナ戦争とは
何だったのか?
そして、その影響は今後コモディティ市況に影響を
及ぼすことはないのか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
マーケットエッジ(株)代表取締役 小菅 努氏に
解説いただきました。

ウクライナ戦争が商品市況に及ぼした影響として
小菅氏は以下の4つを上げて解説くださいました。

1) ロシア(+ウクライナ)の供給、サプライチェーン、
  世界分断のリスク
   ~供給断絶、供給減少、在庫があってもアクセスできない~
2)インフレ→利上げのリスクへの転換 ~利上げは一定の効果を
  あげている~
3)景気リスクの増大 ~地政学リスク+利上げ~
4)地政学リスク 
  ~売らない/買わないリスク、ドルリスクの顕在化~

現在も比較的大きな混乱が続いているのが穀物相場。

エネルギー供給リスクは制裁をされたロシアのみですが
穀物は戦争の影響で生産できないウクライナ産の供給リスクも。
ウクライナは北半球のとうもろこし、小麦、植物油の主要輸出国
なのです。
戦闘激化による「生産リスク」に加えてロシア妨害による
「輸出リスク」も。


ウクライナ穀物協会によると、ウクライナのトウモロコシの生産は
21年の1億0,600万トンが22年に6,500万トンに減少しました。
23年は5,300万トンまで更に減少する見通しとなっています。

目下注意点として22/11/17のウクライナ産穀物輸出に関する合意期限が
120日間とあって3月中旬に更新期限を迎えること。
今週からウクライナ、ロシア、トルコ、国連の4者協議が本格化する
予定ですがロシアは、ロシア産穀物輸出拡大の合意が守られていないと
不満を顕にしており農産物制裁が解除されない限り、合意延長は不適切との
スタンスを表明。
足元ではロシアの妨害(サボタージュ)で1月以降の輸出が落ち込んでます。
3月の穀物輸出合意更新を巡って穀物相場が動くリスクに注意が必要ですね。

そして原油市況。

この1年でロシアの産油量+輸出量はほとんど変化していません。
制裁を課されているのですが、制裁に加わっていない中国、インドなどへの
輸出によってトータルでは生産輸出量は減少していないのです。

しかしロシア産原油の価格は下落しており、ロシア石油の事業収入は▼48%と
なっています。
その意味でロシア財政には打撃となっていると思われ西側の制裁が効いている
ともいえます。
原油価格を高騰させずに、縁を切ることに成功しているというわけですね。

さて、現状ではWTI原油価格は70~80ドルのレンジ推移で小動きですが
ここからトレンドが発生するとしたらどの方向でしょうか?

小菅さんに解説いただいています。
詳しくはアーカイブ配信をお聞きくださいね。

https://www.radionikkei.jp/podcast/trendplus/plus20221122.html