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「ナスダック総合指数、取引時間中に初めての16000P乗せ」

「10月雇用統計、予想を上回る、9月分も上方修正」

「10月の"レジャー・観光業の平均時給"は前年同月比で11%も上昇」

「10年債利回りは大幅低下、強い雇用指数受けて株高、しかし、長期金利は急低下」

 

 

 

先週末5日の米国株は、上昇しました。上昇率は、ニューヨークダウが0.5%、ナスダック総合指数は0.2%でした。ナスダック総合指数は、取引時間中に初めての16000P乗せを実現しました。

 

 

5日には、10月の雇用統計が発表されました。非農業雇用者の増加数は、53万1000人となりました。9月の非農業雇用者数も31万2000人に上方修正されました。前月の数字が上方改定され、当月の数字も予想を上回る、順調な雇用回復を示すデータとなりました。

 

 

また、失業率は4.6%と、8月の5.2%、9月の4.8%に続いて、順調に低下しています。

 

 

もちろん、米国雇用には課題もあります。労働参加率が上昇しないという点です。以下に、労働参加率、全国民に対する雇用者の比率、失業率の毎月の推移を示します。

 

 

労働参加率(単位 %)

 

2020年

1月  2月 3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月 10月 11月 12月

63.4   63.3  62.6   60.2   60.8   61.4   61.5   61.7   61. 4   61.6   61.5     61.5

2021年

1月 2月  3月  4月 5月  6月  7月   8月  9月 10月

61.4  61.4   61.5   61.7   61.6   61.6   61.7   61.7   61.6    61.6      

 

 

全人口に占める労働者の比率(単位 %)

2020年

1月  2月  3月    4月   5月  6月   7月  8月  9月   10月  11月 12月

61.1   61.1   59.9   51.3   52.8   54.6  55.2   56.5   56.6   57.4  57.4     57.4
  

2021年

1月    2月 3月    4月   5月 6月 7月  8月   9月 10月 

57.5   57.6  57.8    57.9   58.0   58.0  58.4   58.5    58.7    58.8      

 

 

失業率(単位 %)

2020年

1月  2月   3月    4月  5月   6月     7月     8月  9月 10月  11月 12月

3.5      3.5    4.4    14.8   13.3    11.1    10.2     8.4      7.8    6.9  6.7         6,7

2021年

1月  2月 3月  4月  5月  6月   7月    8月    9月   10月

6.3      6.2    6.0     6.1     5.8     5.9     5.4       5.2      4.8     4.6        

  

 

労働参加率は、この1年間、横ばいが続いています。労働参加率が横ばいなので、全国民に対する雇用者の比率も、マイルドな上昇にとどまっています。1年前の10月に対して、労働参加率は横ばいの61.6%でした。全国民に対する雇用者の割合は57.4%に対して58.8%と1.4%Pの上昇です。一方で、失業率は昨年10月の6.9%に対して4.6%と2.3%Pの低下です。失業率の回復は鮮明ですが、雇用者数の回復は穏やかです。労働市場に参加せず、失業者にカウントされない人々が増えていることがわかります。これを以下に示します。

 

 

                10月(カッコ内は前年同月比)

米国の人口           2億6190万人(+98万人)

労働参加者            1億6145万人(+74万人)

労働に参加していない人       1億0045万人(+24万人)


 

 

民間企業労働者の平均時給は30.96ドルで、前年同月比で4.87%の上昇となりました。9月は同4.57%でしたので、上昇率は高くなっています。「レジャー・観光業」の時給は19.04ドルで、前年同月の17.12ドルに対して11.2%も上昇しています。9月の上昇率10.2%に対して、上昇に拍車が掛かっています。人手不足により「レジャー・観光業」の平均時給が急騰しています。「レジャー・観光業」は人件費の高騰をサービス面に転嫁させなければ、事業が成り立たない状況にあり、そのあたりは広範なサービスにおける価格の上昇をもたらす可能性があります。



人件費の上昇が企業のコスト上昇をもたらし、それが広範囲な分野でのインフレにつながるとの考え方ができます。

 

 

しかし、5日の米国市場で、10年債利回りは前月比で0.07%ほど低下して、1.45%前後となりました。9月24日以来、1か月半ぶりの低い水準となりました。雇用統計における賃金面のデータがインフレを警戒させるデータとなったにもかかわらず、10年債の利回りは大幅に低下しました。雇用関連データの強さが好感されて株価は上昇、しかし、10年債利回りは大幅低下する、株式投資家にとっては極めて居心地の良い状態です。

 

 

 

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