「18日の米国株は小動き」
「短期債の利回り上昇、超長期債の利回りは低下」
「米国9月鉱工業生産指数、自動車生産が大幅な低下」
「9月の自動車の販売金額は増加←自動車価格上昇」
「中国では電気自動車の生産大幅増加が続く」
「中国の自動車生産、6台に1台が電気自動車」
「トヨタ、米国電池新工場建設を発表」
18日の米国株は、ニューヨークダウが0.1%の下落となる一方で、ナスダック総合指数は0.8%の上昇となりました。10年債利回りは上昇し、再び1.6%台に乗せる場面もありました。
債券利回りについては。短期債の利回りが上昇して、超長期債利回りは低下しています。2年債の利回りは、0.42%と0.02%上昇しています。一方で、30年債は2.03%と、こちらは逆に0.02%ほど低下しています。
2年債の利回りは、2020年3月18日以来の高い水準、そして30年債の利回りは、今年9月27日以来の低い水準とのことです。
短期的には、物価上昇に対する利上げ実施の早期化を想定する形で、短期金利が上昇する一方、米国の中長期的な経済成長率の縮小を想定して超長期金利は低下する、と説明されます。短期債利回りの上昇と超長期債利回りの低下の同時進行は、株価にとっては、歓迎できません。
18日に発表された9月の鉱工業生産指数は、前月比で1.3%低下しました。半導体不足の影響から、自動車生産が前月比で7.0%の大幅低下となりました。自動車生産は、8月の3.7%低下に続いて、2カ月連続の大幅低下です。
一方で、昨日も書きましたが、15日に発表された9月の米国小売売上高において、「自動車・自動車部品」は前月比で0.5%増加、前年同月比でも7.8%の増加となっています。自動車生産指数は鮮明に低下している一方で、自動車販売店の売上高は増加しています。これは、自動車の1台当たりの価格が上昇いているためと考えられます。在庫不足で欲しい車が奪い合いになり、価格が上昇している結果、売上高が増加していると考えられます。
先週の13日に発表された米国9月消費者物価指数において、新車の価格は前月比で1.3%、前年同期比で8.7%も上昇していました。車の価格上昇を裏付けるデータです。
今後、発表される7-9月期の自動車メーカーの売上台数は、予想に届かない数字となる可能性があります。しかし、販売価格の上昇、販売促進費の抑制を受けて、利益面は予想を上回る可能性も考慮した方が良い、と考えています。
東京株式市場において、自動車関連株の一角に新高値を付ける企業が目立ってきているのも、利益面の改善を意識したものでしょう。そして、いすゞや日野自動車などトラックメーカーが高値を更新していることを直視すると、株式市場では既に「今後の東南アジアにおける急ピッチな経済回復」を重視しているのでしょう。
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18日に発表された中国の9月工業生産高における自動車のデータを記載します。9月の中国の自動車生産は、218万6000台と、前年同月比で13.7%の大幅な減少となりました。そのうち、新エネルギー車の生産台数は36万2000台と前年同期比で2.4倍増となっています。
中国の自動車生産が半導体不足で減少する中で、電気自動車の生産急拡大が続いています。電気自動車の生産台数を以下に示します。
中国の新エネルギー車生産台数
1-2月 31万7000台(4.9倍)
3月 23万3000台(4.1倍)
4月 22万9000台(3.6倍)
5月 23万7000台(3,3倍)
6月 27万3000台(3.0倍)
7月 28万9000台(2.9倍)
8月 33万台 (2.5倍)
9月 36万2000台(2.4倍)
9月の自動車生産台数218万台のうち、36万台が電気自動車となると、6台に1台が電気自動車との計算になります。
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トヨタは18日、今後約10年間でにおいて、米国での車載用電池生産に約3800億円を投資する、と発表しました。短期的な決算数字を確認しながらも、産業界の中長期的な動向を考慮して、有望な企業を探していく株式市場です。