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「先週末1日の米国株は上昇」

「メルクの経口薬、入院・死亡リスクを50%削減」

「ISM9月製造業景況指数上昇」

「人手不足、原材料高、供給不安が深刻さを増す」

 

 

 

 

 

先週末1日の米国株は上昇しました。ニューヨークダウの上昇率は1.43%、ナスダック総合指数は0.82%です。ナスダック総合指数は6日ぶりに反発しました。

 

 

薬品メーカーのメルクは1日、開発中のコロナウイルス治療薬(モルヌピラビル、経口薬=飲み薬)が、「軽度及び中等度のコロナウイルス患者の入院または死亡のリスクを約50%削減することがフェーズ3の試験で明らかになった」と発表しました。

 

 

メルクの新薬がコロナウイルス患者の治療に大きな効果を発揮するとの期待から、米国株は上昇しました。コロナウイルス治療薬の開発進展が、米国民の行動・消費に追い風になるとの見方が広がりました。

 

 

メルクの発表によると、モルヌピラビルの投与を受けた非入院の成人患者のうち、入院または死亡した患者は7.3%(385例のうち、28例)でした。プラセボ(偽薬)投与の場合は14.1%(377例のうち、53例)でした。実際に薬が投与された患者の状況から、新薬が入院または死亡のリスクを約50%減少させるデータと認識されました。

 

 

ニューヨーク採用銘柄でもあるメルクの株価は1日、8.3%の上昇率となりました。メルクがニューヨークダウでは上昇率トップとなり、2位にディズニー、3位にアメリカンエクスプレス、4位にビザが続きました。経済活動、消費活動の活発化を期待した物色の傾向となりました。

 

 

 

 

 

ISMが1日発表した、9月のISM製造業景況指数は61.1と、8月の59.9と比べて1.2P上昇しました。産業界全般において需要の強い状態の中で、引き続き労働力不足、原材料価格上昇、海上貨物運賃高騰、東南アジアの供給問題が深刻な状況となっています。

 

 

ISM公表資料にある、象徴的なコメントを以下に掲載します。

 

 

「第4四半期(10-12月期)に向けて、顧客の需要は膨らみ続けている。全体的な成長は今年に入って極めて良好である。サプライチェーンに関する懸念は、電子機器や半導体にとどまらず、ほとんどの商品にまで広がっている。リードタイムは延び、輸送ルートは減速している。2021年には、この状況に終止符が打たれることはないだろう。" [電気機器・家電・部品].

 

 

「我々は労働市場に驚いている。以前は1つの募集に対して100人の応募があったが、現在は10人程度で、しかも応募者が面接に来ないことも多い。」 [紙製品].

 

 

「当社のサプライチェーン全体では、人手の確保に大きな問題が続き、部品生産や製造スケジュールに影響を与えている。さらに、物流の問題、特に港湾の遅延や輸送コンテナの不足が、入出荷に大きな影響を与えている。原材料費は依然として記録的な高水準にある。販売価格を引き上げているが、人件費の上昇により、近い将来、さらに値上げする予定。取引先からの注文は、受注動向により9ヶ月先になることもある。」 [機械].

 

 

ISM製造業景況調査には「SUPPLIER DELIVERIES」の項目があります。「供給者からの配達」について、「遅い」との回答は、全体の50.0%になりました。「遅い」との回答の比率は、6月の53.5%が7月に48.1%に低下、8月も42.7%となりましたが、9月は再び50.0%に上昇しています。サプライチェーン問題が7月、8月に対して9月に深刻さを増したことを示すデータと考えられます。






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