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「14日は米国株下落、景気敏感株さえない」

「景気・企業業績への楽観的見方が後退」

「夜間取引で日経平均先物下落」

「8月米国CPI、コア指数が前月比+0.1%にとどまる」

「中古車価格は前月比-1.5%、新車価格は+1.2%」

 

 

14日の米国株は下げました。ニューヨークダウの下落率は0.84%、ナスダック総合指数は0.45%となりました。ニューヨークダウ採用銘柄で、上昇した株は、マイクロソフトとセールスフォースドットコムの2社だけでした。一方で、下落率の上位銘柄は、1位がウォルグリーン、2位がキャタピラー、以下、シェブロン、ダウ、JPモルガンと続いています。IT株が相対的に強い一方で、景気敏感株の弱さが目立ちます。

 

 

日本株は極めて強い動きを続けています。しかし、世界の株価の指標である米国株の動きは鈍くなっています。ニューヨークダウの史上最高値は8月16日の35631ドルです。高値を約1か月間、抜くことができません。高値から14日終値までの下落率は約3%です。わずか3%ですから、ごく小幅な調整ではありますが、景気や企業収益に対する楽観的な見方が後退して、景気敏感株の調整色が強くなっています。

 

 

ニューヨークダウ採用の景気敏感株について、14日終値と8月高値を見てみましょう。(単位ドル)

 

          14日終値

ボーイング    211.57(8月高値241.15)

キャタピラー   202.33(同   223.76)

ダウ        59.65(同    65.86)

ハネウエル    220.19(同   236.86)

スリーエム    182.42(同   202.77)

 

 

8月高値に対して、1割ほど下げている銘柄も多いですね。



14日の米国10年債利回りは1.277%で、前の日に対して0.047%P低下しました。景気や企業業績に対する期待値が落ちたことが、景気敏感株の軟調につながっていると考えられます。8月に消費者マインド(ミシガン大学消費者センチメント指数やコンファレンスボード消費者信頼感指数)が急低下して、かつ8月非農業雇用者増加数が伸び悩んだことが、景気への楽観的見方を後退させたと考えます。逆説的には、9月の消費者マインド指数が回復して、消費や雇用に対する自信が回復すると、景気敏感株の反転につながると考えます。

 

 

大証の日経平均先物価格は夜間取引において下落し、15日の日本株は下げて始まる展開が予想されています。ここまで、日本株は強い動きを見せています。しかし、米国株が調整色を帯びる中で、日本株だけがさらに上昇するとの考え方は取らない方が無難でしょう。

 

 

ただ、日経平均やTOPIXの上昇が一服しても、市場全体が温まっているので、好材料が出た個別株への物色意欲については、相当に強いものが考えられます。

 

 

14日には、8月の米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。以下に示します。

 

 

 

       前年同月比     前月比

総合指数   +5.3%    +0.3%

コア指数   +4.0%    +0.1%

 

 

食品とエネルギーを除くコア指数は、前月比で0.1%の上昇にとどまりました。コア指数の前月比での伸びが一服したことを受けて、14日の米国株の寄付きは高くなりました。しかし、その後、マイナスに転じて、結局、14日は株安となりました。消費者物価指数の伸び鈍化を好感するよりも、景気や企業業績の方向性を心配する方が優勢になって、米国株が下げた、そんな構図にあると考えています。

 

 

項目別CPIでは、中古車価格が前年同月比31.9%上昇したものの、前月比では1.5%低下しました。中古車価格の上昇はピークを付けたとの見方が広がる可能性があります。

 

 

一方で、新車価格は前年同月比で7.6%上昇,前月比でも1.2%上昇しています。新車の価格上昇は、完成車メーカーの業績動向には追い風となります。




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