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「21日の米国株は高い」
「中古住宅販売高減少、今後の価格は?」
「インフレ抑制の道筋」


3連休明けとなる21日の米国株は上昇しました。アジア時間から米国株先物が買われ、日経平均も21日は大幅高となりました。


米国不動産協会が21日発表した、5月の中古住宅販売高は、年率換算で541万件となりました。前月比で3.4%、前年同月比で8.6%減少しました。住宅販売の減少を示すデータです。


住宅の中央値は40万7600ドルとなりました。前年同月比で14.8%上昇して、初めて40万ドルを超えました。


前年同月比の伸びは、14.8%。3月14.6%、4月14.3%に続き、高い伸びです。価格上昇が続き、住宅販売にネガティブな影響を与えています。
今日は「インフレ抑制の道筋」のテーマでお伝えします。10日に発表された5月の米国CPI(消費者物価指数)は前年同月比で8.6%の上昇となりました。食品が10.1%上昇、エネルギーが34.6%の大幅上昇です。食品とエネルギーを除くコアCPIは6.0%の上昇です。ほとんどの項目で物価は上昇しています。しかし、中には物価が下落している項目があります。下落している代表製品は「テレビ」です。テレビの物価は前年同月比で9.5%下落、前月比でも3.0%下落しました。15日に発表された米国の5月小売売上高において、「家電量販店」の売上高は、前月比で1.3%減少、前年同月比でも4.5%減少しています。巣籠消費ブームの終焉を受けて、5月の米国の家電売上高は減少しました。家電販売が不調で、テレビの価格も下落しました。また、「スマートフォン」の5月の消費者物価指数も、前年同月比で19.9%低下、前月比で5.0%低下しました。売れ行きの厳しい製品は価格が低下します。価格は需給で決まるので、需要が弱くなれば価格は低下します。従って、今後の物価は、需要が弱くなれば、上昇が抑制されます。物価の上昇抑制を株式市場では期待していますが、需要が弱くなれば、企業の売上高や利益が減ってしまいます。従って、ほどほどの需要減少によって物価上昇が抑制される傾向になり、金融引き締めが終了した後に、再び需要が拡大して売上高が増える構図を株式市場は求めています。その道が隘路なので、株価は下がってきました。取り敢えず「需要が減少すると価格が低下する」を定義とすれば、インフレは需要の調整から抑制されることになります。消費者物価指数の構成比で32%を占めるのが「住居関連」です。今後は「住居関連」の動きが消費者物価指数全体の焦点になります。住宅価格が2年前に対して3割も増加しています。高額になって購入が難しくなります。かつ住宅ローン金利の大幅上昇も加わって、住宅の売上高は減少すると考えられます。米国住宅の受注高が今年10-12月期に急減速するような状況になると、住居関連や消費者物価指数全般の上昇が抑制されます。今週発表される住宅関連指標は、米国CPIの動向を読む上で重要です。


冒頭の中古住宅販売件数のデータは、5月こそ価格の上昇は続いているものの、需要の減少を受けて、秋からの価格低下を示唆している可能性があります。株価の上昇は、そこを読んだのでしょう。




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