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「20日の米国株は休場」

「TOPIXグロース株指数、年初来の安値を更新」

「TOPIXバリュー株指数は9日に年初来高値、昨日20日は大幅安」

「バリュー株指数の優位性は続くか?」

 

 

 

 

20日の米国株式市場は休場でした。

 

 

週明け20日の東京株式市場は軟調な展開となりました。日本株全体が下げている日には、半導体製造装置メーカーを中心とするグロース株が大きく下げるのが特徴です。実際に、昨日も、レーザーテックや東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体製造装置メーカーの株価が下落し、そろって、年初来の安値を更新しました。

 

 

昨日は、6月9日に高値を付けた三菱重工、川崎重工、IHIなど防衛関連の主力株がそろって大幅安となりました。また、同じように6月9日に高値を付けた原油関連株の代表株=INPEXも大幅安となりました。三菱商事、三井物産など、総合商社株の下げも目立ちました。いつものグロース株に加え、6月9日に高値を付けた強い株にまで、売り物が膨らんだことが昨日の特徴です。

 

 

今年に入ってから、日本ではグロース株とバリュー株の動きの違いが際立ちます。

 

 

TOPIXのグロース株指数は昨日、前週末比33P安の2372ポイント台まで下げました。同指数は今年の初めに2951Pの高値を付けた後、3月9日に2409Pの安値を付けました。その後、3月後半にかけて2700Pを回復する場面がありましたが、足元では3月9日に付けた今年の安値を下回って、年初来の安値を付けています。

 

 

現在のTOPIXの水準は、3月9日安値1755Pよりも60Pほど上の水準です。しかし、PBRの高い銘柄で構成されるTOPIXグロース株指数は今年の安値を更新しているのです。

 

 

一方で、PBRの低い銘柄で構成されるTOPIXバリュー株指数の動向を見てみましょう。

 

 

TOPIXバリュー株指数は、年初の値が約2000Pでした。3月8日に安値1833Pを付けました。その後の動きはグロース株よりもずっと強く、6月9日に2098Pの年初来高値を付けています。

 

 

つまり、「グロース株指数は、昨日に3月安値を割って新安値」、「バリュー株指数は今月9日に年初来高値を付けた」、全く違う動きです。

 

 

東証の売買代金上位の常連銘柄であるレーザーテックや東京エレクトロン、キーエンス等の日本の代表的グロース株は足元で安値を更新、ナスダック指数並みの弱さです。

 

 

一方で、バリュー株指数は今年の高値を9日に付けるなど、強い動きです。

 

 

昨年までの株式市場では、GAFAMを軸とする成長株が高いPERまで買い上げられました。そして今年、金融引き締めの動きの中で、グロース株に対するPER調整の波が押し寄せました。PER調整を受けて、ナスダック銘柄を中心とする世界のグロース株がびっくりするほど下げたことが、株価下落の本質を反映しています。

 

 

日本のバリュー株を保有していた投資家は、荒れた市場の中でもしっかりとした成果を上げてきました。しかし、昨日においては、先述したように株価の強かったバリュー株の急落が見られています。

 

 

少し時間が経過しなければ、昨日のバリュー株の急落が何を示すのか、正確に把握することはできません。しかし、円建ての利益と配当金水準を考慮すると、少なくとも「日本人投資家=日本円で給料を稼いで生活している日本の投資家」にとって、日本のバリュー株は魅力を残していると考えます。

 

 

 

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