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「6日の米国株は上昇」

「"オミクロン重症化不安"和らぎリスクオン」

「10年債利回り上昇、原油高」

「空運株、クルーズ船運用会社の株価が8%前後の急騰」

「"サプライチェーン混乱の収束"広がるか」

 

 

 

 

6日の米国株は上昇しました。上昇率は、ニューヨークダウが1.8%、ナスダック総合指数が0.9%となりました。10年債利回りは、1.43%と、前日比で0.09%Pの上昇、原油価格は約5ドル上昇して70ドル台に乗せる場面もありました。

 

 

6日の米国市場は、株高、債券価格下落(金利上昇)、原油価格上昇となりました。「リスクオン取引」が活発になりました。「オミクロン株」が経済面に与える悪影響についての不安が後退して、リスクオン取引となりました。

 

 

米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長がテレビ番組で「オミクロン株が、初期の株と比べて重篤な感染症を引き起こさない可能性がある」との趣旨の話をしたことが、市場におけるリスクオン取引を活発にさせた、と見られています。

 

 

世界的な経済正常化・移動の回復に対する期待から、デルタ航空、アメリカン航空などの空運株が7-8%の大幅上昇、クルーズ船の運航会社も8%前後の上昇率を記録する銘柄が目立ちました。

 

 

オミクロン株に対する考え方が、今後も短期的な株価を動かす可能性があります。ただ、根本の部分として、米国の金融政策と景気動向との関係を重視する姿勢が大切だと考えます。

 

 

米国の金融政策が過度に引き締め型になって、実際の経済状況・企業業績を悪化させてしまう状況になった場合、株価面にはマイナスになると考えるのが自然でしょう。

 

 

「引き締め型の金融政策を景気や企業業績が乗り越えて拡大することができるか」、「景気や企業業績の順調な拡大を維持しながら、金融政策によって過度な物価上昇を抑制することができるか」――このあたりをマーケットは常に意識すると考えます。

 

 

景気や雇用の見通しが順風満帆という訳ではないのに、何故、金融政策は引き締めが急がれるのか、というと、それはインフレ抑制の方を重視しなければならないためです。つまり、物価の過度な上昇が抑制されるような要素が産業界で見えてくれば、それは大きな収穫になります。

 

 

今の物価上昇は、供給不足に起因しています。供給不足の大きな要因は労働者不足です。労働者が増加すると、供給不足解消の1つの要因となります。その観点では、労働参加者の増加が焦点になります。

 

 

先週に発表されたISMの11月の景況調査において、産業界からは「供給不足・サプライチェーン混乱」に関するコメントが引き続き目立っていました。しかし、少数派ながら、「サプライチェーン混乱が和らぐ兆し」を示すコメントとして見られてきました。これは、注目に値する動きです。以下に、そのコメントを紹介します。

 

 

 

「石油化学製品のサプライチェーンは、2021年の天候不順の影響を受けた後、徐々に改善の兆しを見せている。」(化学メーカー)

 

 

「様々な金属がまだ不足している。プラスチックは徐々に改善しているようだ。」 (電気機器・電子部品メーカー)

 

 

「受注残高は過去最高水準。しかし、フラット化してきているようにも見える。」(機械メーカー)

 

 

「プラスチック価格は、11月にエチレン系、プロピレン系ともに価格が下がっている。納入状況やリードタイムも改善され始めている」。(プラスチック・ゴムメーカー)

 

「サプライチェーンの問題は続いているが、過去よりも克服されている。また、管理できるように進化している。(農林水産業)

 

 

「サプライヤーが供給維持のための革新的な方法を見つけたため、混乱はやや減少しているようだ」(公共部門)

 

 

 

賃金の上昇を受けて働く人が増加する、入ってこない資材があるので、別の物質を使って代替する、そういった動きを経て、徐々にサプライチェーンの混乱が収束していく状況も考えられます。サプライチェーン混乱の収束によって、インフレを抑制し、金融政策面で余裕を持った対応が可能になってくるか、来年の焦点でしょう。










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