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「9月雇用統計、非農業雇用者の増加数は19万人にとどまる」

「株価小幅安、長期金利は約4カ月ぶり以来の1.6%乗せ」

「原油先物価格は一時80ドル台」

「TSMC、9月売上高は19.7%増加」

 

 

 

先週末、8日金曜日の米国株は小幅安となりました。下落率は、ニューヨークダウが0.03%、ナスダック総合指数は0.51%でした。

 

 

8日に発表された9月の雇用統計は、非農業雇用者の増加数が、19万4000人にとどまりました。非農業雇用者の増加数は、7月に109万人を記録しましたが、8月は36万6000人、そして今回発表された9月は、19万4000人です。3カ月平均の雇用者増加数は、7月88万9000人、8月80万6000人、9月55万人です。雇用者の増加ペースは減速しています。

 

 

雇用の先行きに対して警戒感を広げる数字となりました。雇用の先行き、景気の先行きに悲観的になると一般的には金利は低下します。しかし、8日も債券相場では、米国10年債の利回りは、一時1,61%台まで上昇しました。長期金利の1.6%乗せは6月4日以来のことです。

 

 

そして、原油先物価格は、一時、7年ぶりに1バーレル80ドル台での取引となりました。景気の先行きを警戒すると、原油価格は一般的に下げます。しかし、下げません。

 

 

雇用統計で悪い数字が発表された関わらず、金利は上昇して、原油価格は上昇しています。債券や原油の動きを見ると、市場参加者は、景気動向よりも物価動向を、より材料として重視しているように見えます。それは、金融政策について「緩和縮小→引き締め」の大きな方向性に対する見方にも変化が出ていないことを示しています。

 

 

雇用回復は減速しているけれども、物価上昇抑制を重視して、FRBは現時点では「緩和縮小→引き締め」の路線を大きくは変えてこないだろう、と市場参加者は見ているのでしょう。

 

 

9月雇用統計において、失業率の数値もお伝えします。失業率は4.75%と8月の5.19%と比べて、大幅に低下しました。失業者が767万人と8月の838万人に対して71万人減少して、失業率は大幅に低下しました。こちらは良い数字ではありますが、9月の労働参加者は8月比で18万3000人の減少、労働参加率は61.6%と8月の61.7%から低下しています。

 

 

労働参加者、労働参加率の減少・低下の中での失業率低下ですので、さほど積極的には評価されないでしょう。総合的に9月の雇用統計は厳しい内容だったと考えられます。

 

 

 

11月3日の次期FOMCの結果発表時にテーパリングが発表されるのか、大きな注目点です。今週発表される9月の米国物価指標や小売売上高等を見ながら、マーケットは判断していく展開となります。それが今週のポイントです。

 

 

来週からは、米国企業7-9月期決算が本格化します。その内容を見ながら、現状の株価水準が金融政策に耐えられるのか、マーケットは判断をしていきます。仮に、「企業業績動向」と「フレンドリーではない金融政策」を考慮した結果、米国株価面が大幅な調整を強いられるならば、11月3日のFOMCでは、テーパリングを発表することができなくなります。「株価が下がってテーパリングが発表されない」、「株価が維持されてテーパリングが発表される」――今後の株式市場では、そんな議論が展開されます。

 

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TSMCが8日発表した9月の月次売上高は、前年同月比で19.7%増加の1526億ドル台湾ドルとなりました。7-9月期合計の売上高は4146億ドル台湾ドルとなりました。前四半期の4-6月期との比較では11.4%の増加となりました。

 

 

TSMCでは、7-9月期の売上高を4073億~4157億台湾ドルと公表していましたので、ほぼ上限の数字となりました。TSMCの8日の米国市場の株価は、0.7%ほど下げていました。TSMCは今週14日木曜日に7-9月期の決算発表を行います。

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