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ザ・マネー~西山孝四郎のマーケットスクエア

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「世界で最も隔絶された都市の幸せの秘密〜パース訪問記③」をお読みくださりありがとうございます。前回はいまホットな観光産業とパースの観光事情について取り上げました。今後、新興国でも海外旅行へ出かける人が増えていく等、世界的な観光需要の盛り上がりが期待される中、日本を含めた各国がいかにその需要を取り込むのかしのぎを削っています。豪州でももちろんそうした取り組みが活発に行われており、中でも観光地としての新鮮さもあるパースが注目を集めているとお伝えしました。

ところで、皆さまにとっての旅の楽しみは何でしょうか?
「自然を楽しむ」「ビーチでのんびりリラックス」「文化を体験する」「遺産を観てみたい」等、楽しみ方はそれぞれです。ワタクシの場合は、やはり「食べて飲んで」が重要です。仕事で名古屋や大阪、福岡等にもお邪魔することがありますが、現地で何を食べて帰るのか、どのお店に行くのか、仕事に次いで(?)重要なテーマです。ということで、今回は「飲食」の「飲む」の方、ワインについてのお話です。

先日実施された英国のEU離脱をめぐる国民投票は離脱派勝利という結果となりました。「離脱すれば経済に大きな打撃」という残留派の主張は、一般の人々の心には届かなかったばかりか、既存の体制やシステム等に対する反発をさらに煽る結果になったように思います。「EUに加盟していても景気は良くならず賃金は下がる一方。仕事もなく生活は苦しい。加盟しているメリットなんてないじゃないか!」というのが国民感情だったのではないでしょうか。残留派優勢が事前に伝えられていたこともあり、6/24(金)の東京マーケットはこのニュースに敏感に反応し、株安、円高のリスクオフ相場となりました。今後、実際に離脱するのかも含め、まだまだひと山もふた山ありそうです。

さて、豪州ワインの話のはずなのに、どうして英国国民投票の結果を持ち出したかというと、関連して次のようなニュースが豪州ABCで伝えられていたからです。
「Brexitによって豪州のワイン生産者にメリットがあるかもしれない」

内容を要約すると「英国は豪州産ワインの最大の輸出先であるが、豪州ワインにはEUワインが免除されている税金が課されている。Brexitによって、今後、この税金が撤廃されれば、英国内での豪州ワインの価格が低下し、豪州産ワインにとってはチャンスになるのでは。一方でポンド安の影響も懸念される。」といったものです。英国は豪州ワインにとっての最大の輸出先であると同時に、豪州産ワインの流通量はなんとフランス産より多いそう。[i] Brexitによって英国がEU圏から離脱となれば、確かに豪州産ワインにとってはより競争力が高まる可能性もあります。

豪州には南豪州を中心にワイン産地が多数あり、100ヶ国以上に輸出をしている重要な産業です。中でも西豪州にあるマーガレットリバーのワインはプレミアムワインとしてその存在感を高めつつあります。マーガレット川沿いの国立公園に指定されているマーガレットリバーは、科学的な調査結果からワイン産地に適していることがわかりブドウ栽培が始まったとか。ワイン造りの歴史はまだ40年ほどですが、150以上のワイナリーがあり、生産量の7割がプレミアムワインだということです。以下はマーガレットリバーにある主なワイナリーのサイトです。写真を見ているだけでも素晴らしく「FXで収益を上げた暁にはゆっくりとワイナリー巡りをしたい!!!」そんな妄想も膨らみ、ついついポジション量を増やしてしまっている今日この頃です。

Leewin Estate 

Moss Wood

Vasse Felix

Cullen Wines

Cape Mentelle

Brookland Valley Vieyard

Amerley Estate


今回は西豪州にあるもう一つのワイン産地でパースから車で約30分のところにあるスワンバレーを訪問。お邪魔したワイナリーは「ランカスター」です。

 
外の空気を感じながらワインのテイスティング、作り込み過ぎていない素朴さが外の景色とも相まって素敵です。

 
ワインについての説明をしながら、順番にワインを注いでくれます。

 

 
おつまみのチーズ。(正面手前から時計周りに)ハーブ入り、オリーブ入り、ベーコン入り。


ぐびぐびいけます。

 


テイスティングしたワインがずらり。圧巻。

 

 
外からみると蔦がハートマーク状に絡んでいます。


このスワンバレーには、ワイナリー以外にも、コーヒーチョコレートの工房、またラムの蒸溜所等も点在しており一日たっぷり楽しめる場所です。パースを訪れた際にはマーガレットリバーはもちろんのこと、近場のスワンバレーにも是非足を運んでみてください。

ここまで3回にわたってパース訪問記をご紹介させて頂きました。豪州の西の端にあるパースは他の豪州の主要都市に比べてのどかでのんびりしている場所です。パースに住む友人は「全くストレスがない」と自嘲気味に言っていましたが、なぜストレスが少ないのかといえば、それはきっと世界でもっとも隔絶した場所だからなのかもしれません。

おしまい。