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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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8月8日の次は12月12日・・・ということで、ゾロ目の日に2回目の登場となったのはシード(7743・JASDAQスタンダード)です!
 「今日の1社」出演以降も好調を持続している同社、株価も急激に上昇して注目が集まっていましたので、本日の放送ではあらためてその後の進捗などを、浦壁社長にお伺いしました。

 なぜ、数ある銘柄の中でもシードの株価がこれだけ好調なのか? そのあたりも井上哲男が考察していますので、取材後記に是非ご注目ください♪

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取材後記
シード(7743)(ジャスダック・スタンダード)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の浦壁昌広さま。

「15年2ヶ月ぶり、そして、17/3500」

▼「上昇率17位」
 先月、11/1のこと。
 前日に日本で一番歴史の古いチャート誌である「週刊チャートブック」に月イチで連載している巻頭言を書き終え、毎月1銘柄を紹介するコーナーにシードを書いた私は、ザラ場の同社株の動きを注目していた。その日、結果的にシードは+53円(+9.1%)の大幅高となり、635円の引けとなったのであるが、私が意識していたのは628円という株価。それをつけた時に自然と手を叩き、「おめでとうございます」と言った。無論、その時点では、(期待はしていたものの)2週間後に今期2回目の上方修正を発表して株価が1000円を超えることなど知る由も無かった。

 12/10現在の上場銘柄のうち、昨年末にも上場していたのは丁度3500社。この年間・上昇/下落率表を作ったところ、シードは堂々17位に輝いている。アサザイ銘柄で他にトップ20入りしたのはシステムインテグレータ(3826)(6位)。単純計算で175社に1社しかランク入りしないところ、放送を始めて丸5ヶ月で2社も入ったことは、プロネクサスの目利きの確かさを表わしている。

▼業種別、市場別に見ると
 この20社を業種別にみてみると、日銀のREIT買入れと金融緩和期待で賑わった「不動産」が5社で最も多く、「情報通信」が4社、「サービス」が3社、「小売」、「電気機器」が2社と続く。1社の業種は「その他金融」、「精密(シード)」、「医薬品」、「金属」。つまり、製造業は5社しか入っていない。シードはその中の価値ある1社だ。

 また、優先市場別で数えてみると、「ジャスダック・スタンダード」が11社で圧倒的に多く、「東証1部」と「東証マザーズ」が2社で他は1社である。
 「そりゃあ、新興市場はハイリスク・ハイリターンだから上位にはたくさんくるだろう」と言われる方がいると思う。しかし、それは違う。今年に入ってからの東証1部(TOPIX)の上昇率は8.2%。これを優先市場別に何%の銘柄が上回ったかを計算したところ、上位は「ジャスダック・グロース」:62.0%、「名証セントレックス」:52.9%、「ジャスダック・スタンダード」:50.7%、「東証マザーズ」:48.1%、「東証1部」:47.5%となった。三市場の一部合計は46.9%、二部合計は40.9%と低い一方で、ジャスダック・マザーズ合計では50.8%とその数字は過半数を超える。(言葉は悪いが)“適当に”数社買って、TOPIX先物でヘッジした場合に利益を挙げる確率は、新興市場の方が高かったのである。
 
 もっとも、前述の言葉を否定できないもう一人の自分もいる。あくまでも主観であるが、トップ20の顔ブレを見て、「バリュエーションと業績から、株価は上昇すべくしてそうなった」と感じるのは“アサザイ2銘柄”以外には、2銘柄しかない。

▼IRの努力と、その見分け方
 しかし、逆に考えてみよう。なぜ、バリュエーションが割安で業績も堅調な銘柄は他にもあるのに、その4銘柄は上昇できたのかを。
 そこには地道なIRの努力がある。番組のロングバージョンでも紹介したが、シードの見やすいHPの「IR情報」のページを見て欲しい。「IRニュース」は「適時開示」「お知らせ」「PR」「短信」「有報」とカテゴリーを付けて個人投資家に配慮している。また、「IRカレンダー」を見ると、今年個人投資家向けのIR活動にどのくらい力を入れたかが分かる。8月に番組に出て頂いた際に紹介した手前、私も同月25日に行われたツバルの森を訪れたが、そこにはブースで列をなした個人投資家一人ひとりに順番に説明している社長の姿があった。また、どのブースよりも対応する社員の数が多かった。

 ここで一つ個人投資家に「投資家に親切な企業とそうでない企業の見分け方」をお教えしたい。「適時開示」とインターネットで検索すると、「適時開示情報閲覧サービス」に辿りつく。直近一ヶ月間で企業が行った適時開示情報がここで見られる(コードには通常のコードに0(ゼロ)を加えて5桁にする)のであるが、親切な企業は四半期決算の短信における「定性的情報」が充実している。シードの「定性的情報」の充実度は非常に高い。証券会社のアナリストがカバーしている企業数は以前にも述べたが、全上場企業の1/3しかない。それ以外の企業の状況を知るうえで、この「定性的情報」の重要さを認識して詳細で分かり易い記述を行っている企業が“投資家に親切な企業”である。

15年2ヶ月ぶりのPBR1倍復帰
 冒頭の株価628円は第1Q決算から私が算出したシードの1株あたり純資産(第2Q決算では685円)である。つまりはPBR1倍の水準だ。8/8にご出演頂いた際に、PER、PBRの割安感を私が述べた際に、社長がPBRをして「情けないですね」と寂しそうな顔をされたのが頭から離れなかった。シードのPBRが1倍を割れたのは1997年9月のこと。実に15年2ヶ月ぶりのPBR1倍復帰である。
 おめでとう、シード。好業績と真摯で熱意のあるIR姿勢、そして、「コンタクトレンズはネットで900億円程度の輸入超状態。日本の技術力がもたらす製品のクオリティの高さで、この貿易赤字状態を減らして日本の雇用増にも寄与したい」という社長の高邁な理想に、心から敬意を表する。(了)
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 取材後記は以上です。いかがでしたか?
 「良いIRをしている企業の見分け方」、私も参考にさせていただきたいと思います~。細かい財務分析などは難しくても、こういったポイントを掴んでおけば、どなたでもある程度企業のよしあしを判断することができそうです。
 IRに積極的に取り組んでいる企業は、相対的に投資対象として優れていることが多いというのは、個人投資家の皆様も経験上感じていらっしゃることではないでしょうか。

 「アサザイ銘柄」は、本番組に出演すること自体が、投資家の皆さんにメッセージを伝えようという前向きな姿勢があるわけですから、おのずとIR積極企業が集まっていると思われます♪

 「今日の1社」では、今後も魅力ある企業をご紹介してまいりますっ!

<関連リンク集>
■シード IR情報
■シード IR情報 IRカレンダー ※取材後記にある通り、個人投資家向けIRイベントがたくさん!
■シード 平成25年3月期 第2四半期決算説明会資料


ふたたび、代表取締役社長 浦壁様と。