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ようやく梅雨らしい空模様になりました本日6月12日の「アサザイ 今日の1社」は、ブックオフコーポレーション(3313・東証一部)をご紹介いたしました! 今回は代表取締役社長 松下展千様にお越しいただきまして、井上哲男がインタビューさせていただきました。
 私も「BOOK OFF」の店舗にたまに行くのですが、放送中で紹介のあった同社のプライベートブランドの「新品絵本」や105円の「学習ドリル」など、まだまだ知らない一面があることがわかりました♪ お聴き逃しの方は、オンデマンドも是非チェックしてみてくださいね~。

 さて、今回も井上哲男が同社の本質に迫る取材後記をまとめましたので、どうぞお読みください!

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取材後記

ブックオフコーポレーション(3313)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の松下展千さま。

 

「MOTTAINAIの本質」

 
▼「捨てない人」のために

 「もったいない」を世界に広めたのはケニア出身でアフリカ女性初のノーベル賞受賞者となったワンガリ・マータイである。2005年に京都議定書に関する集まりで来日した際にこの言葉に触れて感動し、「MOTTAINAI」キャンペーンは世界へと広がりを見せた。

 

 松下社長のインタビューは、この「もったいない」の一言(ひとこと)から始まった。

 同社はミッションとして「捨てない人のブックオフ(捨てない人のインフラを作るカンパニー)」を掲げているが、私はこの"インフラ"という部分が非常に重い意味を持つと考えている。それは、生活をするうえで必要なラインである。電気、ガス、水道などと同じライフ・ラインということだ。

 

 その考えを敷衍(ふえん)して日本に理解されたのかどうかを測るモノサシは売上高であって利益項目ではないと思う。番組の中でも紹介したが、同社は有価証券報告書が提出されていて検索できる範囲でも16期連続の増収となっており、今期は17期連続を目指している。資料によると前期の同社のリユースを利用して購入した客数は9562万人、日本の人口のおよそ75%に相当する。この数字だけでも凄いが、私が強調したいことは、同社は新品の書物を扱う本屋もあるのに、敢えて、リユースの部分だけの購入者を調べて開示しているという、その姿勢だ。自らが掲げている"ミッション"の意味を重く受け止めているということであろう。この他に、同社のリユース部門に商品を売却した人数が1587万人いる。同社のミッションに賛同するカンパニー(仲間)は延べ人数で年間1億1000万人以上いる。そして、そのうちの一人が私だ。

 
▼すぐれた「DOE」

 当然、株主もそのカンパニーである。その株主資本からどのくらいの利益を出し、そして、それを配当として還元したかが、「ROE × 配当性向」で算出される「DOE」である。このDOEについてはアールシーコア(7837)さんにご出演頂いた際に紹介してから度々取り上げているが、私は非常に厳密なスクリーニングを行っている。決算がほぼ出揃ったこの5/31現在のDOEの3期平均の数字について解説すると、上場3552社中、ROEが直近3期ともにプラス、つまり、最終利益が3期ともに黒字であった会社が2489社あり、これがまずは対象となる。そして、このうち3期とも配当を行い、尚且つ、その配当性向が3期とも100%以下(これを超えて配当することは利益から配当するという健全性が損なわれていると考える)の銘柄にまで絞り込むと1953社となる。外れた1599社は3期のDOEを測るレベルではないということだ。

 ブックオフコーポレーションの順位はこの中で236位と堂々たるものである。DOE3.9%という高い利回りが、同社の、"株主であるカンパニー"に対する配当姿勢だ。

 
▼愛、普遍なるもの

 アベノミクスが始まった際に、百貨店などの高級小売りの伸びを予測し、中古小売りは厳しいと多くのアナリストが言っていたが、全く理解できない。小売り全体の数字が上がれば両者ともに好調であることは過去の数字が物語っている。

 また、"本質的な部分"でも違うことが、ワンガリ・マータイの遺言で分かる。彼女のそれは、「火葬の際に木を使わないで」であった。

 「もったいない」の本質は「限りある資源への愛」である。その部分に、インフレもデフレも関係はない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 現代は消費社会と言われて久しいですけれども、その中にあって多くの方が「これって、もったいないのでは?」と思い始めてきているように思います。「でもどうすれば...」といったとき、当たり前のようにそこにあるインフラでありたい。そんな松下社長のメッセージがありました。

 「物を大切に」という理念だけではなかなか人の行動を変えることができなかったりもしますが、そこに「BOOK OFF」の店舗の楽しさやワクワク感があれば、「捨てない人のインフラ」として利用者もより増えてくるのではないでしょうか♪

 また次回店舗を訪れたときには、あらためていろいろ見てみたいと思います。

(関連リンク集)
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代表取締役社長 松下展千さまと。
代表取締役社長 松下展千さまと。