5月15日の「アサザイ 今日の1社」は、そのうちの1社、エスプール(2471・JASDAQスタンダード)です! 今回は代表取締役会長兼社長の浦上壮平様にお越しいただきまして、井上哲男のインタビューに答えていただきました。
井上哲男が取材後記をまとめましたので、どうぞお読みください♪
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取材後記
エスプール(2471)(ジャスダック・スタンダード)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼社長の浦上壮平さま。
「社会が求める"機会"の提供」
▼3社目の「労働者派遣業」
人材サービス業・アウトソーシング業の同社、総務省の産業分類では「労働者派遣業」となる。
アサザイが同業種の企業を迎えるのは3社目。年末特番の「エス・エム・エス(2175)」、先月末に行われたアサザイ第1回IRセミナーにご参加頂いた「クリーク・アンド・リバー社(4763)」に続いてのことである。「UTホールディングス(2146)」は?と思われた方もいらっしゃるかもしれないが、同社は総務省産業分類では「その他の技術サービス」に区分される。
この番組で何度も紹介させて頂いたので、人を派遣する「派遣」と業務を一括で引き受けてそこに必要な人材をあてがう「請負」の違いはご理解頂けていると思うが、業務を全て「請負」という形態で受注し、且つ、その業務が半導体製造などの特定業種であることからUTさんは分類が違うのである。
話をエスプールに戻す。労働者派遣業全体の決算を見てみると、景気にやや遅行性が見られる。東証33業種分類のうち金融を除いた29業種の決算が最も厳しかったのが、年度でいうと2009年3月期であるが、この業種は翌年度が最も厳しい状況となった。そして、その後の決算を見ていて、この業種についていくつか気づいたことがある。
それは、・大手の派遣業が今ひとつ冴えない、・住み分けがかなり進みつつある印象を受ける、・勝ち/負けがややはっきりとし始めており、あと2~3年でそれは鮮明となると思われる、ということである。そして、各社が力を入れているのは「優秀な人材の派遣及び請負業務における"質"の差別化」である。
▼2つの「ソリューション」
この、派遣と請負のことを同社は「人材ソリューション」と「ビジネス・ソリューション」と呼んでいる。
人材ソリューションについては、都内の採用拠点を1ヶ所から4ヶ所に増加した。この意図は、景気が良くなった場合に、優秀な人材を確保するためには拠点を増やすことが必要との判断からである。因みに人材派遣サービスの拠点は全国では10ヶ所あるが、同社が人材を派遣するサービスは、携帯電話、デジタル家電、クレジット・カード案内、カスタマーセンター、劇場運営、イベント運営など専門性の高さが求められるものが多く、携帯販売代理店での接客コンテストでの全国優勝者を輩出するなど、その質の高さが知られている。
一方で、請負であるビジネス・ソリューションは大別して3つ、倉庫内作業を意味するロジスティック(アウトソーシング・サービス)、キャンペーン(同)、障がい者雇用サービスである。
このロジスティックについては、自社の倉庫におけるネット通販の商品発送代行サービスや物流センターの運営受託を行っているが、ここでも綺麗な梱包など"質"の部分にこだわっている。
そして、独自のサービスともいえる「障がい者雇用サービス」であるが、これは千葉県の市原に"わーくはぴねす農園"という農園を作ったことにより、知的障がい者を雇用した企業に対して、その働く場所を提供することが可能となったのである。「社会が求めていることに対応するサービス、機会の提供」という発想がこの会社が動くときに、その背景としてある。
▼広がる「機会の提供」
これは、同社の創業時から変わらない。創業のきっかけは、会長自身が家庭教師センターで働いていて、優秀な学生が就職氷河期に直面しているのを見て、彼らに働く場所を提供したい、就職させたいとの想いで、人材派遣業を興したことにある。企業のある業務を請負として受注し、「優秀な人材だと思ったら、手数料を取らないから正社員として雇用してあげて欲しい」と頼んだという。
この"機会の提供"を遂に海外でも始めた。日本からタイに進出してビジネスをしたいという会社に対して、タイのエスプールバンコクがその機会を提供するのである。第一号は、なんと、「デリバリーのピザ屋」だという。
応援したい企業である。是非、2~3年後に業界の勝ち組として名乗りを上げて欲しい。(了)-------------------------------------------------------
取材後記は、以上です。いかがでしたでしょうか?
取材後記の冒頭にもある通り、「今日の1社」では人材にかかわる企業を複数ご紹介してきましたが、各社ともにそれぞれの得意分野を持っているのが共通点ではないでしょうか。そのあたりの「強み」が、井上哲男が指摘する「今後2~3年での勝敗」を分けるキーポイントになりそうですね~。
企業側のニーズが高度化・多様化する中、やはりチャレンジする「機会」はすべての方に提供されているべきと思いますし、その「機会の提供」を創業の理念として取り組まれているエスプールは、私も応援したくなりました。
また次回の「今日の1社」もどうぞお楽しみに!
(関連リンク集)
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代表取締役会長兼社長 浦上壮平さまと。