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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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「ERPパッケージ」という名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、一般には少々馴染みが薄いかもしれません。「ERPパッケージ」とは企業の基幹業務を統合的に管理するためのソフトウェアパッケージのことで、グローバル化の進む日本企業などにおいて、近年その需要が高まっています。
 5月1日放送の「アサザイ 今日の1社」では、その「ERPパッケージ」の導入支援を中核ビジネスとする、テクノスジャパン(3666・JASDAQスタンダード)代表取締役社長の城谷直彦さまにお越しいただきました! 同社は、2012年12月7日新規上場の「2012年組」注目企業です♪

 井上哲男が取材後記をまとめましたので、どうぞお読みください!

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取材後記

テクノスジャパン(3666)(ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の城谷直彦さま。

 

「Best of Breed」

 

▼"大人の会社"
 2012年組で5社目の登場となる。上場日が12月7日であり、ご紹介してきた企業の中で最もフレッシュであるが、事業としての歴史、業績等を分析すると、"大人の会社"の印象を受ける。

 会社の設立は1994年、来年20周年を迎える。IT革命後、企業はビッグデータを抱え、その基幹業務システム(ERP)の構築の必要性に迫られてきた。このERPについてはSAP社、オラクル社、東洋ビジネスエンジニアリング社などのシステムがあるが、これらを使って顧客のニーズに合わせたシステムを設計・開発し、導入してもらった後の保守に至るまでワンストップで提案できる企業である。

 

 "大人の会社"と呼んだのは、上場前から多くの企業に採用された実績によるところが大きい。

具体的な企業名を見てみると、富士フィルム、タビオ、カプコン、月桂冠などであるが、一見して異なった業種の名前が並んでいることが、同社の強みといえる。なぜかと言えば、ある業種の受注を受けた際に、企業ニーズの調査から始まり導入、保守にまで至った時点で、その業種のニーズを把握した一つのERPシステムの"ひな型"ができるのである。このテンプレートが同業他社に売り込む際に大きな財産となる。ファインチューニング(微調整)によって他社に導入可能ということは、導入社にとっても同社にとってもコストの削減に繋がることは明らかである。そして、このような形でのビジネス・モデルが構築できたことは、やはり優秀な人材を抱えてきたという部分の寄与が非常に大きいと思われる。そのため、同社は採用段階から基準が極めて高く、その優秀さは前掲した多くのERPソフト会社のアワードの獲得という形で表れている。

 
▼ソフトウェア業界内でも高い利益率

 利益率も極めて高い。ソフトウェア業界自体が高いということを数字を挙げて説明すると、この4/25時点での金融4業種を除いた全上場(普通株式)企業の今期見込みは、売上高営業利益率、同経常利益率、同最終利益率が、4.9%、4.8%、2.4%となっているのに対して、今期の会社予想または日経新聞社予想が取得可能なソフトウェア201社の数字は、7.5%、7.6%、4.3%と概ね2%程度高いものとなっている。一方で同社の前期(2013年3月期)の(予想)同数値は、10.9%、10.4%、6.7%と、さらにそれを2.5%~3%程度上回るものとなっている。

 
▼"Best of Breed"で育てる未来

 同社の3年後の目標は、業界におけるリーダーカンパニーとなることであり、10年後のそれは、このERPの範囲を超えたということであろう"トップクラスのICT(情報通信技術)・コンサルティング・カンパニー"である。同社の事業拡大余地は国内だけでなく、海外進出案件の獲得など広がりがある。また、バリュエーションとしての評価も魅力的で、PER、PBRともに業界平均を下回っている。決算発表予定日は現在のところ5/14となっているが、これから四半期ごとの決算数値を注目して追っていきたい企業がまた一つ増えたことは確かだ。

 

 同社が掲げるビジネス・ストラテジーは「Best of Breed」。breedは名詞では「型」であるから、顧客に最も適したカタチのソリューションを提供するということであろう。一方でbreedには動詞で、「生む・育てる」という意味がある。このストラテジーの成果は人材のbreedにかかっている。そして、そのことを同社は認識している。
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取材後記は、以上です。
 先週に引き続いての「2012年組」、また今後が楽しみな企業が登場してきた印象ですね。日本企業がグローバルで活躍していくための環境づくりを支援する、今後も重要性の高まっていく分野かと思います♪
 同社の中期経営ビジョンにつきましては、末尾の関連リンクもぜひご参照くださいませ。

(関連リンク集)
■テクノスジャパン IR情報
■テクノスジャパン 中期経営ビジョン

(代表取締役社長 城谷直彦さまと。)
代表取締役社長 城谷直彦さまと。