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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 新年度第1回の「アサザイ 今日の1社」は、予告通り特別版として本番組スポンサーの株式会社プロネクサス(7893・東証一部) 執行役員IR事業部長の細川修一様にお越しいただきました!

 数多くの上場企業のIR活動を支援してきた細川様の視点から、昨年度の「今日の1社」出演企業をふりかえりつつ、個人投資家として「IRのどこを見るべきか」井上哲男と語っていただきました♪

 

 井上哲男があらためて「IR」を振り返る対談後記、どうぞお読みください!

 

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取材後記 (対談後記)

プロネクサス(7893)(東証一部)執行役員 IR事業部長 細川修一さま。

ラジオNIKKEIスタジオで収録。

 

「二つの企業価値」

 

▼「ディスクロージャー」と「IR」とは

 「ディスクロージャー」と「IR」。プロネクサスが企業に対してサポートを行っているこの2本の柱の区分けを個人投資家は、再度正しく理解する必要がある。

 

 「ディスクロージャー」とは法律で提出することが求められているものである。株主総会の招集通知は会社法で株主に対していつまでに送付しなくてはならないと定められており、有価証券報告書は金商法により当局への提出が求められている。また、企業が所属する業種によっては特別に法律で開示が求められているものもある。例を挙げると保険会社が保険業法により開示、本支店窓口での公衆による閲覧を求められているディスクロージャー資料などである。

 一方で「IR」は企業の任意行為である。株主総会が終わった後に届く株主通信は義務ではない。また、ホームページの作成も、その中でIRのページを作成することも、全て企業が任意で行っていることである。つまり、法定ではなく投資家のために行う行為の全てが「IR」である。

 

▼情報の受け取り手のニーズに寄り添う

 日経マネー誌(今年4月号)に細川部長と東証上場部長の松崎弘之氏との対談が載っているが、その中で細川部長は「今の個人投資家は非常に勉強している。IR資料や会社説明会、インターネット動画などを参考に複数の企業を比較検討して投資対象を選ぶのは基本といえる」とおっしゃっている。ちょうど一ヶ月ほど前のこと、日経平均にも採用されている大手の化学会社の株価が少し上昇した際に、個人投資家のアクセスが集中してその会社のホームページが閲覧できない状態となったことが話題となった。日々の相場のなかで、それほど現在はホームページが見られているのである。ホームページを綺麗に見やすく、投資家に配慮した情報が伝わるようにすることは企業のIR活動の入り口である。

 

 今回の対談にあたって、私は幾つか質問を投げたのであるが、「企業はどのような点を、IR活動を通じて投資家に伝えるべきか」という問いに対して、部長は「一概に答えるのは難しい。企業のおかれた状況は千差万別であり、個人投資家とアナリスト・機関投資家向けでは伝える内容に違いがある。情報の受け取り手のニーズに対応した情報発信が必要である」と言われたが、これこそが、答えなのではないかと思う。

 

▼「IR」の目的

  また、IRの目的として「投資家に対して現在の業績などの状態だけでなく、沿革や社長の想い、その企業が持つ付加価値などを正しく伝えること」と「業績を適正に反映した株価にすること」を挙げられた。

 この二つの目的は、共に「企業価値」に通じている。企業価値とは、それまで業界の中で築き上げてきた歴史、優秀な製品・人材、顧客からの信頼、のれんなど全てを指すが、企業会計や財務諸表分析上の企業価値とは時価総額、つまり、発行済み株式数に株価を掛けたものでしかない。

 部長が言われたことは、前者の企業価値を正しく伝えることで、後者の企業価値をふさわしいものとするということである。

 

▼「必要条件」と「十分条件」

 以前、FPG(7148)が出演された際に、前期も今期も最終利益が5億円以上で、経常利益率30%以上、最終利益率20%以上、ROE30%以上という厳しいスクリーニングを行うと8社に絞られるというお話をしたが、その数日後、1社が下方修正をしてこのリストから抜けたことがあった。四半期決算報告における下方修正で、TDNETに載った報告の定性項目での理由の開示もほぼ無いに等しいもので愕然としたが、その企業はもともとIR活動が熱心では無かった。

 私は思う。「ディスクロージャー」は必要条件で、「IR」は十分条件だと。ディスクロージャー資料が充実している会社が「IR」に優れているとは限らないが、「IR」に優れている会社は、ほぼもれなく「ディスクロージャー資料」も充実している。

 

 「アサザイ」は他のIR番組とは違う。企業が伝えたいことを伝えるという主目的は無論変わらない。しかし、そこに私がすべきこと、加えるべきものがある。これからの2週間、それは、再度それを自分自身がつきつめて考える時間だ。

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 対談後記は、以上です。普段とはちょっと違う目線で、いかがでしたでしょうか?

 放送では5社ほど、IRに積極的な注目企業の名前も出ましたので、聴きのがした方はオンデマンド放送もぜひお聴きくださいね♪

 

 日本の上場個別銘柄だけでも約3,700社ありますし、個人投資家としては、その中から「これ」という銘柄を探すのは大変です。そうすると、やはりどれだけIRで積極的に「わかりやすい」情報を出してくれるかが重要な要素になってくるかと思います。

 個別企業ごとに事情は違いまして、IRに積極的でない優良企業も勿論あるのですが、やはりIRに積極的な企業は好感を持ちますし、「自分なりに理解して投資する」納得感もあるように思います♪

 

 今後の「今日の1社」にご出演いただく企業のIRにも、注目していきたいと思います!

 

プロネクサス 執行役員の細川修一様と。新キャスターの長野静も駆けつけました!

プロネクサス執行役員の細川修一様と。新キャスターの長野静も駆けつけました!

 

(関連リンク集)

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