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6月15日の「アサザイ今日の1社」は、ペルセウスプロテオミクス(4882・東証グロース)を放送しました。

 

同社は、東京大学先端化学技術研究センターで開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として、この技術を医薬品に活用することを目指して3人の研究者により2001年2月に設立、昨年2021年6月に上場されました。創薬事業をメインに、抗体医薬品の開発などを手掛けています。

 

今回は、代表取締役社長 横川 拓哉 様にお越しいただき、事業内容や会社が目指す創薬領域などについてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

ペルセウスプロテオミクス(4882)(東証グロース市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の  横川 拓哉(よこかわ たくや)様

 

「ペルセウスたれ」

 

▼事業内容は抗体医薬品の開発」、「抗体研究支援」、「抗体・試薬販売」の3つ

 設立が2001年。東大先端化学技術研究センターで開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として、この技術を医薬品に活用することを目指し、3人の研究者が会社を立ち上げた。当時はヒトの遺伝子が解明された頃で、同センターにおいては、正常組織には無くて、がん組織にだけ存在する蛋白質を遺伝子解析から見つけ、がん細胞とだけ結合する抗体を独自の方法で作ることによって抗がん剤を作るプロジェクトが進行していたという。その医薬品への応用が同社設立の目的であった。

 

 それから20年経った昨年2021年6月に上場したのだが、事業内容は、「抗体医薬品の開発」、「抗体研究支援」、「抗体・試薬販売」の3つである。

 それぞれについて説明すると、「抗体医薬品の開発」は、アカデミアの最新技術と医療ニーズを出発点に、同社の抗体技術で作成・開発した抗体医薬品を製薬企業に導出することであり、いわゆる「創薬事業」として同社のメインに据えられている事業である。

 2つ目の「抗体研究支援」は、アカデミアの先生方や製薬企業様に対して、同社の得意な抗体作製や分析などにより研究支援を行う事業であり、同社の専門的な研究者が効率良く実験することにより、研究のスピードを上げることが可能となる。最後の「抗体・試薬販売」であるが、ヒトの細胞の中には48種の核内受容体があると言う。そして、同社は世界に先駆けて48種を全ての作成に成功しており、これらを2005年から世界の研究者に向けて研究用の抗体試薬として販売している。

 

▼近年では新薬の主流になっている「バイオ医薬品」を手掛ける

 世に言う医薬品の多くが化学合成で作られる「低分子医薬品」であるが、同社が手掛けているのは「バイオ医薬品」。

 この「バイオ医薬品」であるが、「抗体」を細胞に作らせるので、その制御が難しく、時間がかかりコストも高い。しかし、生体内の複雑な機能を制御しやすく、近年では新薬の主流になっていると言う。また、もともと細胞が作っているため、毒性、副作用が少ないという特徴もある。同社の場合、得られた多数の抗体で細胞や動物で種々の評価を行い、一番機能の優れたものを選び、GMP製造というプロセスで、人に投与できる抗体を作る。そして、これを使った臨床試験で安全性と治療効果が確認されたら医薬品として承認されるという流れである。

 

▼他社では取得できないような難しい抗体を取れることが強み

 ここからは強みでもあるが、抗体を作る方法はいくつかあるが、同社では動物を用いる「ハイブリドーマ法」と動物を使用しない「ファージディスプレイ法」の技術を持っており、適宜選択して抗体を取得する。特に同社のファージディスプレイは独自のノウハウや技術で、他社では取得できない複雑な構造の抗体を取ることが可能になっていると言う。そのため、創薬の標的が決まれば、最適な抗体を作ることが可能なのだ。

 

 また、その抗体の"品揃え"であるライブラリであるが、同じ1000億個の抗体から構成されたライブラリでも、同社のものは他社製と比べて2桁以上の多様性、つまり骨格の異なる抗体群で構成されており、より難易度が高く、取りにくい抗体を他社よりも高い確率で見出すことができると言う。そのため、同社の強みとして、他社ではなかなか取得できないような難しい抗体を取れるということも挙げられる。結果、「高難易度の抗体」が得意な領域なのだ。

 目下取り組んでいる楽しみなトピックスを4つ語られたが、何れも大きなカタリストとなる可能性を秘めたものであった。

 

 欧米の創薬ベンチャーは数、規模、資金の全てにおいて日本を圧倒しているが、アカデミアの研究分野において、日本は世界と互角だと言う。そのため、同社のような創薬ベンチャーが頑張り、アカデミアの研究成果を一つでも多く医薬品にして、日本の医薬品産業を発展させたいと考えていると言われた。

 社名の「ペルセウス」はギリシャ神話に出てくる英雄の名前であり、エチオピア王女のアンドロメダを救ったと記されている。そして「プロテオミクス」というのは、タンパク質の構造や機能解析の学術用語である。同社の社名には、抗体医薬品によって、まだ治療法の無い、アンメットメディカルニーズと戦い、世界の膨大な数の患者さんを救いたいという高邁なビジョンが示されている。

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

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代表取締役社長 横川 拓哉 様と