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5月18日の「アサザイ 今日の1社」は、セック(3741・東証プライム)を放送しました。

 

同社は、1970年5月に会社設立、2004年6月に上場されました。

社名(Systems Engineering Consultants)には、システム工学を究めたプロの技術者集団を目指すという意味が込められていらっしゃいます。

「社会の安全と発展のために」をスローガンに、交通・防衛・医療・環境エネルギーなどの「社会の安全を支える社会基盤分野」から、科学衛星・ロボット・車両自動走行・MRなどの「社会の発展に貢献する宇宙先端分野」に至る広い範囲で、リアルタイムソフトウェアを提供しています。

 

今回は、代表取締役社長 櫻井 伸太郎 様にお越しいただき、事業内容や強み、成長戦略についてお話を伺いました。

 

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

 

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取材後記

セック(3741)(東証プライム市場)

ラジオNIKKEIにて収録

お相手は、代表取締役社長の 櫻井 伸太郎(さくらい しんたろう)様

 

「想定外を想定する」

 

▼「リアルタイム技術"専門"」のソフトウェア会社

会社設立が1970年。この5月に会社設立52年を迎えられ、上場からももうじき18年を迎えられる。実はこの会社は東大発の学生ベンチャー企業の先駆けであり、当時、東大大学院生を中心に、システム工学を学んでいた大学院生3名が設立したという沿革が、上場時に大いに話題となった。

 

 同社を語るキーワードは「リアルタイム技術」。

 「社会の安全と発展のために」をスローガンとしている「リアルタイム技術"専門"」のソフトウェア会社であるのだが、「リアルタイム技術」とは、科学衛星やロボットにおいて、センサーが捉えた情報を用いる技術である。

このセンサーからの入力は、突然発生したり、集中したり、どんな順序で発生するか予測できず、また再現性がないという特徴がある。このような入力に対して、瞬時に応答し、24時間連続で動き、再現性がない事象であってもトラブルを解析するという高度な信頼性が求められるシステムを構築するのが「リアルタイム技術」である。

 

 社長は「我々の開発コードは、動作が全体の20%であり、残りの80%は"まさかの時"のためのもの」と語られた。この「想定外を想定する」、「再現性ないものの重要性を正しく認識する」ということが「リアルタイム技術」の本質であろう。

 

4つのビジネスフィールド=「BF」

 そして、この「リアルタイム技術」が多く使われる分野こそが、同社の事業分野(ビジネスフィールド=「BF」(ビーエフ))である。社会の安全、社会インフラを支えるという観点で「社会基盤システムBF」、「モバイルネットワークBF」、社会の発展、夢の追及という観点で「宇宙先端システムBF」、「インターネットBF」の4つに区分される。

 

このうち、2つのBFを説明すると、「社会基盤システムBF」は、世の中をもっと便利に、安全にする、社会公共性の高いシステム、例えば、交通システム、環境エネルギーシステム、医療システム、防衛システムなどの開発であり、「宇宙先端システムBF」は、人類の夢を叶えるソフトウェアの開発に挑戦する「宇宙分野」と「先端分野」で構成されている。この部分も具体的に説明すると、「宇宙分野」においては、科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフト、宇宙デブリ、いわゆる宇宙ゴミを除去する衛星のソフトウェア開発、太陽フレア等の観測されたデータを解析するシステムなどを、国の研究機関である情報通信研究機構(NICT)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)から研究開発として請負っており、「先端分野」では、車両自動走行、次世代ロボットに関する研究、宇宙、すなわち無重力環境で動作するロボットの開発、人間と協力し合いながら我々の生活を支えるサービスロボットの開発などを手掛けている。

 

ソフトウェアは人が全て

「何れのシステム開発も、若いエンジニアがワクワク、ドキドキしながら目を輝かせて開発に従事している」と社長は言われたが、話の端々に就職活動の学生の話が出てきた。同社は他の多くの会社と違い、新卒採用へ強いこだわりを持っている。そして、その理由は、ソフトウェアは人が全てであり、社員全員が「同じ言葉」、「同じ開発手法」、「同じ品質意識」を持つことが重要なことと認識しているからだという。

 

 そのため、今春4月に、同社は時代には逆行して、オフィスを増床した。これは、社員の多様な働き方に対応し、イノベーションを促進する環境を実現するためだという。増床フロアには、社員が出社したくなるような仕掛けを用意し、同社ソリューションのデモや最先端技術の実証実験、技術セミナー等を行う「オープン・イノベーション エリア」と、ペアワークやチームビルディング、プレゼンテーションなど様々な活動を促す「フレキシブル・ワークスタイル エリア」の2つのエリアから構成されており、非常に快適な研究開発環境が整ったとのことだ。

 

また、社長は「一般論として、生き残るためには、変化に柔軟に対応し、俊敏に追従することが大事と言われているが、我々は、イノベーション、変化を起こすことができるポテンシャルを持っている」と語った。

すなわち、「変化を起こす側」にいるということだ。

変化を起こす側にいる者だけが、まさかの変化に対応できるものを作れるのかもしれないと、そのとき思った。

 

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取材後記は以上です。いかがでしたか。

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 

それでは来週もお楽しみに!

 

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代表取締役社長 櫻井 伸太郎 様と