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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 9月8日 の「アサザイ 今日の1社」はリソー教育(4714・東証一部)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 平野 滋紀 様にお越しいただき、事業内容・業界動向と強み・経営指標ランキング・3社業務提携等につきましてお話を伺いました。

 同社は、「個性に即した最善の教育」をテーマに教育の分野で事業展開している企業です。
 習塾事業の「TOMAS」を始め、家庭教師派遣教育事業の「名門会」や幼児教育事業の「伸芽会」、学校内個別指導事業の「スクールTOMAS」など7つの会社で11のブランドを運営しております。

 昨年、2020年9月に、当社とヒューリック株式会社、コナミスポーツ株式会社と、3社での事業提携を発表しました。、その後、伸芽会とコナミスポーツ株式会社との業務提携、スクールTOMASとKDDIまとめてオフィス株式会社との業務提携など、異業種との業務提携を発表しました。
 学習塾業界で異業種との提携は大変珍しいケースですが、ヒューリック株式会社、コナミスポーツ株式会社との3社提携では教育特化型ビル「こどもでぱーと」を開発し、ワンストップ型子ども向けサービスを提供しております。

 井上哲男より取材後期が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
リソー教育(4714)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 平野 滋紀(ひらの しげのり)様

「磐石」

▼リソー教育の事業セグメント
 現在のリソー教育が設立されたのが1985年。上場が1998年12月なので、今年で23年を迎える。「TOMAS」、「伸芽会」などの学習塾経営でとても知名度が高いが、この教育関連、学習塾関連の業界はここ5年間でかなり勢いに差が出たことを私は感じている。そして、その差が今回のコロナ禍でさらに拡大したことも。

 同社を知るには、まずセグメント、そしてブランドを理解して欲しい。
 まずは、言わずと知れた「TOMAS」であり、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏で2021年7月現在92校が開校されているが、その特徴は、百人百様の個人別「合格逆算カリキュラム」による完全1対1の個別指導で、難関中学、難関高校、そして難関の国立大学や医学部への高い合格実績を誇る高品質な教育サービスを提供していることである。

 「少人数」と言うと、1対2や1対3を思い浮かべるが、「TOMAS」は1対1、そして、同じく少人数制には補習的なイメージがあるが、そうではなく同校は難関校への合格実績を誇る歴とした進学塾なのだ。このTOMASには医学部受験専門の個別指導塾・予備校「MEDIC TOMAS」、そして年齢を問わない英語スクール「インターTOMAS」もある。

 続いての事業セグメントは「名門会」。こちらは100%プロ社会人講師を派遣する家庭教師派遣教育事業であるとともに、首都圏以外の甲信越エリア、東海エリア、近畿エリア、九州エリアにおいて「TOMEIKAI」という進学個別指導塾の運営も行っている。

 また、「伸芽会」は2003年に同社グループ入りしたのだが、名門幼稚園、名門小学校受験のパイオニアといえる幼児教育を行っている塾であり、1歳児コースから年長児コースまである。現在は、仕事と育児を両立されるお母さんを支援する1歳から3歳までのお受験対応型長時間託児である「伸芽́Sクラブ託児」や、小学校1年から3年までの進学指導付き学童保育事業である「伸芽́Sクラブ学童」なども数校開設しているが、この試みは非常に好評で、開校とともに満員となる状態であり、社会的なニーズの高さが存在していることが証明されたことから、今後拡大する可能性も十分にあると私は考えている。

 もう1つ、意外と知られていないが「スク-ルTOMAS」という事業がある。これは、全国の中学校・高校(一貫校)へ、完全1対1の個別指導システムを提供するもので、どうしても学校教育で生じてしまう個人差を「学校内自習システムとTOMASの個別指導のノウハウ」でサポートするものだ。勉強が進んでいる生徒にはより進んだハイレベルなカリキュラムで指導を行い、難関校合格を可能なものとし、当然、学校全体の進学実績を向上させている。こちらも極めて好評で、2021年7月現在77校が導入している。

▼バランスの取れた売上高構成比
 前期の売上高構成比は「TOMAS」が約45%、「名門会」が約20%、「伸芽会」が約20%、「スクールTOMAS」が約5%、「プラスワン教育」(体験型教育プログラムを通じて子どもたちの人格形成・情操教育をサポートする専門塾やトーマスサッカースクール、トーマス体操スクールを運営している)が約2%となっており、主要なセグメントである「TOMAS」、「名門会」、「伸芽会」で約85%を占めており、また、バランスが取れていることがお分かり頂けると思う。

 日本の少子化が叫ばれてからずいぶんと経ち、実際に児童数の減少傾向が続き、6歳から18歳までの児童数は、同社設立時(1985年)の約2,500万人が徐々に減少し、来年2022年には約1,400万人にまで減少する見込みだという。しかし、一方で、子どもの小学校、中学校受験を希望される親御さんの増加もあり、教育費は増加し、教育学習塾・予備校の市場規模は約1兆円規模に達した。このうち、個別指導は年々割合が増え、ここ数年は全体の45%から46%を占めている。

▼コロナ禍の影響について
 冒頭に書いたコロナ禍の影響であるが、多人数の学習塾につきましては、かなり厳しい状況が強いられているものの、同社の場合、個別指導であるということと他社に類を見ない感染防止策を講じたことが新聞やTVなどのマスコミにおいて報道され、問い合わせが多かったという。

 また、ワクチン接種についても、今年7月より社員、講師、生徒の保護者、提携先の希望者を対象に約1万人の職域接種を実施し、さらに安心して対面での個別指導を受けてもらえる環境を整えた。このような取り組みが評価され、今年度の第1四半期、2021年5月時点(ワクチン職域接種前)の生徒数は、前年同四半期比で「TOMAS」が17.5%増、「名門会」が30.1%増、「伸芽会」が26.8%増で、全体で22.0%も増加したという。

 当社スプリングキャピタル社の経営指標ランキングの同社2020年度確定順位は3472社中327位で上位から9.4%の極めて高い位置にいるが、安定的な成長を続ける同社は15年度確定順位から全ての期において400位内を継続している。これは104社しか成し得ていないことだ。個別の項目では「配当(株主還元)」に関する点数が突出して高い。

 番組でも紹介したヒューリック、コナミスポーツとの事業提携による「囲い込み戦略」も展開が楽しみである。同社に関しては今のところ、私は今後の事業について何も懸念材料が見当たらない。磐石だ。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 それでは来週もお楽しみに!

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