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 3月6日の「今日の1社」は、ハピネット(7552・東証1部)を放送しました。

 今回は、取締役 執行役員 経営本部長 柴田 亨 様にお越しいただき、事業の概要・4事業の特徴・中期経営計画・株主還元等について詳しくお話を伺いました。

 同社は、玩具、映像音楽、ビデオゲーム、アミューズメントの4分野すべてにおいてトップクラスのシェアを誇るエンタテインメント総合商社です。ハピネットだからこそ得られる情報力や、独自の物流システムを武器に、メーカー・販売店それぞれのメリットを生み出しております。今回はその4分野について詳しくお話を頂きました。

 また、今回はロングインタビューもあります。映像音楽事業で手掛けている、昨年10月に公開された「日々是好日」等について詳しくお話を頂いています。ぜひお聴きください。

(ロングインタビュー)
アサザイ(2019.3.6放送分) ロングインタビュー

井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
ハピネット(7552)(東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。

お相手は、取締役執行役員経営本部長の柴田 亨(しばた とおる)様。

「卸しているものは"笑顔"」

▼設立50周年を迎える「エンタテインメント商材のトップ商社」
 歴史は古く、今年の6月に設立50周年を迎えられる。

 上場してからも22年の時間が経ち、2度の市場昇格を経て、2000年より東証1部に上場している。東証の業種分類は「卸売業」であるが、何を"卸売り"しているかということを理解できれば、この企業をほぼ理解できたことになる。

 「卸売業」として上場する会社の、総合商社を除いた企業に共通することは、「中間流通業」であるがゆえ、BtoBが主体であり、最終消費者の社名認識が低いことである。同社についても、社名にはあまり馴染みがないかもしれないが、扱っている商材は、いずれも多くの消費者の目に触れたり、自宅にあるものだ。

▼ハピネットの事業における4本の柱
 事業の柱は4つ。

「玩具事業」は、2018年3月期において売上高の約36%を占める同社の主力事業とも言えるが、同社の創業者は元株式会社バンダイの社員であり、玩具卸の個人商店として同社をスタートさせた。そのため起業時よりバンダイ商材と深い関わりがあり、その後、1991年に玩具卸の2社と合併し、現在の「ハピネット」に商号を変更したのだが、現在も、バンダイ商材の約9割を取り扱っており、また、バンダイ商材以外にも、タカラトミー、レゴ、セガトイズ、エポック社などほとんどのメーカーの取扱いがあることから、販売店に対して、売場の総合的な提案を行うことが可能であるという大きな強みを持った事業となっている。この分野において、無論、同社は業界最大手の商社である。

 2つめの柱は「映像音楽事業」。この事業は、同じく昨年3月期において、売上高の約22%を占めているが、国内映像音楽パッケージ市場の中間流通で業界最大手であり、シェアは30%弱を占めている。
 映画の製作委員会への参加、映像作品への出資、DVDやBDの独占販売商品の獲得などにも積極的に取り組んでおり、これまでの取組みにおいて、2017年に公開された映画「キセキ―あの日のソビト―」は興業収入14.8億円を記録し、昨年10月に公開された「日日是好日」も興行収入が現在12億円と10億円を突破している。

 また、同社の歴史はM&Aの歴史とも言える。1991年以降の約28年間で20社を超えるM&Aを行っているが、直近では、昨年3月1日に、CD・DVDの中間流通で業界最大手である星光堂の、音楽・映像商材の卸売部門を同社子会社が承継することが発表され話題となったが、この4月1日からは、映像音楽卸売事業を統合させた株式会社ハピネット・メディアマーケティングとして新体制でスタートを切る予定であり、その市場シェアは圧倒的なものとなろう。

 3つめは、「ビデオゲーム事業」。売上高の約32%を占める大きなセグメントであるが、中間流通として唯一、全ての国内向け家庭用ゲーム機を取扱っている。具体的には任天堂Switch、3DSLL、ソニーのPS4、PS Vita、マイクロソフトのXboxなどである。また、自社オリジナルゲームソフトの企画・開発や、独占販売商品の取り扱いなども行っている。

 最後の柱が「アミューズメント事業」。売上高の約11%を占めるまでに成長してきたこのセグメントは、玩具自販機市場における業界最大手であり、カプセル玩具市場(いわゆる"ガチャガチャ")の国内市場シェアは約60%。業界最大シェアを獲得することで同社の収益の柱に成長してきたのだが、驚いたことに、現在、「ガチャガチャ」で電気をつなぐという環境にある販売機においては、売上、在庫などのデータが管理され、送られている。ガチャガチャは、れっきとした「IOT」である。そして、このデータ管理を行っている販売機は売上が伸びているという。現在、玩具自動販売機についてはインバウンドが、カプセル・カードゲームにおける需要をけん引しており、その設置場所も、空港、観光地、高速道路、駅構内、ファッションビルなど、新しいロケーションの創出が行われている。

 これらの事業により、中間流通業としての、川上、川下の数字を紹介すると、グループ全体で、全国のメーカー様約700社から商品を仕入れ、全国約1,200社の小売店様に販売をしていることになる。販売されている店舗数は、コンビニエンスストアだけで全国に約56,000店舗存在することから膨大な数である。

▼株主還元も充実
 また、「株主還元」も非常に同社らしいものとなっている。
 安定配当を基本方針としているが、この2月12日に、設立50周年の記念配当を行うことを発表した。これにより、2013年3月期より6期連続の増配となる見込みである。
 株主優待も行っており、保有株式数に応じて、優待カタログから玩具・ゲーム・DVD・ブルーレイなどを選択できる制度を採用している。昨年度の申込み率は90%を超えたという。好評なことを証明する数字だ。

 「商社」は何を扱っているかが全てであるという主旨を冒頭に書いた。

 お分かりであろう。同社が卸しているものは、最終消費者が手に取ったときに幸せな気持ちになれる「笑顔」である。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

 また、ハピネット様は3月9日(土)に東京ドームシティプリズムホール開催される「春のIR祭り2019」にご主演されます。
 ラジオNIKKEIで人気の講師による株式講演と、8社の上場企業がIRセミナーを開催するIRイベントです、ぜひお越しください。

春のIR祭り ウェブサイト

 それでは、来週もお楽しみに!

(関連リンク)
ハピネット ウェブサイト
アサザイ(2019.3.6放送分)


取締役 執行役員 経営本部長 柴田 亨さまと