お知らせ:

朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

番組へのお便りはこちら

 9月7日の「今日の1社」は、ランドコンピュータ(3924、東証2部)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 諸島 伸治様にお越し頂きまして、同社を支える3つの事業・強み・成長戦略などについてお話を伺いました。

 お客様に直結するシステムの課題を解決するシステムソリューションサービスを行っている同社は、設立以来40年以上にわたり、メーカー系を中心とした大手システムインテグレータ等と良好な信頼関係を築き上げてきました。その強固な顧客基盤を支えているのは真面目で向上心の強い気質をもった質の高いエンジニアです。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

--------------------------------------------------------------------------------------
取材後記
ランドコンピュータ (3924) (東証2部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の諸島 伸治( もろしま しんじ )様。

「 創業45年目での上場 」

▼ランドコンピュータの沿革
 番組の冒頭でも述べたが、昨年12月の上場時に業績を見て持った印象は「15年、20年前に上場していてもおかしくなかったのに」であった。創業から46年の長きに亘り、決算で赤字を出していないという。

 前身は1971年に設立された日本コンピュータ学院研究所。ロケットの父である糸川英夫博士(著書である「逆転の発想」シリーズ、「平成教育委員会」への出演などでも有名)が学院長を務めていた日本コンピュータ学院から分離独立する形で、田村三兄弟等が発起人となり、教育、学習用事務機器の研究、開発、販売等を目的として創られた。社名のランドは「R&D(研究開発:Reserch & Development)のこと。この洒落た社名に変更したのは創業の年である。

 この創業の年に、富士通とともに大手銀行のシステム開発に携わったことが、同社がシステムインテグレーターとして歩むきっかけとなった。教育色の強い社名をランドコンピュータに変更したのもこのことがきっかけではないかと勝手に憶測している。当時は金融機関が、いわゆる「第一次オンラインシステム」を本格化させた時期であった。

 番組の中でこれも述べたことであるが、金融機関のシステム開発にかける費用はとても大きいということもあるが、この分野での売上構成比が高いことや顧客との取引実績期間が長いということは、システムインテグレーターとしての能力の高さを如実に示している。そして、新たなビジネスが広がる。

 実際、同社の場合も大手のシステムインテグレーターとともに事業を行うとともに、直接取引を行う顧客数は150社をゆうに超え、売上高も増加傾向にある。

▼ランドコンピュータの事業セグメント
同社のセグメントは3つ。 
①:顧客ごとのニーズに沿った形で、企画立案、情報システムの構築、運用、保守管理といった一連の作業を請負う、システムインテグレーション・サービス(SI) (前期売上構成比:77.7%)

②:顧客のITシステム基盤となるサーバ等ハードウェアの導入、ネットワークの構築、その保守管理などを行うインフラソリューション・サービス (前期売上構成比:13.3%)

③:顧客のソフトウェアパッケージ製品の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、運用保守までのSIサービス及び自社開発製品を提供するパッケージベースSI・サービス (前期売上構成比:9.0%)

であるが、今後の成長戦略として注力しているのが、上記③のパッケージベースSI・サービスの分野。得意分野であるクラウドコンピューティングサービスの拡大や、Salesforceと連携した新たな独自商品の開発を行い、ラインナップの拡充を図ることによって、売上構成比を全体の3分の1程度にまで引き上げたいとしている。

▼ランドコンピュータを支える質の高いエンジニア
 また、同社の強みのひとつは、事業を支えるエンジニアの質の高さ。
 エンジニアに対して、IT系資格のみならず、金融・産業・流通・医療などの業務系資格の取得を積極的に推進しており、1人当たりの平均資格保有数は2.7程度である。この目的は、業務系資格の取得によって、顧客と同じ目線でシステムソリューションサービスを提供することが可能となり、結果的に顧客満足度の向上、強固な顧客基盤と信頼関係の構築につなげることであり、それが既に企業体質として出来上がっている。

 当面の経営指標の計数として"意識している"と掲げたのは、「売上高100億円、営業利益率10%」。株主還元における配当性向についても30%という数字を意識している。創業45年目に上場した同社が、この資本市場でどのようなIRを行い投資家に認知されていくのかを今後も見守りたい。
--------------------------------------------------------------------------------------

 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 IT系資格のみならず、業務系資格の取得も積極的に推進している取り組みには驚かされましたね。お客様の業務理解を深めるこの姿勢が、同社の強固な信頼関係構築の原動力となっているのだと感じました。

 同社の今後の展開にぜひ注目してゆきたいと思います。
 それでは来週もお楽しみに!

(ウェブサイト)
ランドコンピュータ IRサイト

代表取締役社長 諸島伸治さまと