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3月18日の「今日の1社」は日本空調サービス(4658、東証1部・名証1部)を放送しました。

 

1964年、東京オリンピック開催の年に同社も設立されました。設立当初から、現在と同じ商号です。当時は「サービス=無料」のイメージが強く、誤解を得ることも多かったと、代表取締役社長の橋本東海男さまが放送でお話しされていました。

 

「空調」と聞いて、真っ先に思い出すのは社内の「エアコン」ではないでしょうか。同社の場合、それだけに留まらず、ウィルスが入り込めないクリーンルームを作ったり、手術室の気圧調整など、より技術力・提案力が求められる事業を行っています。

水族館の室温コントロールなどもされているそうですので、知らないうちに、同社の技術に接しているかもしれませんね。

 

今回、井上哲男から取材後記が届いております。どうぞご覧下さい。

 

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取材後記

日本空調サービス(4658)(東証1部・名証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の橋本 東海男(はしもと とみお)さま。

 

「サービス」

 
▼ワンストップサービスと海外戦略

 とても良い収録となり、私も嬉しく思う。放送もエッセンスがぎゅっと詰まったものになった。

 日本空調サービス。手掛ける事業の2本柱は、「メンテナンス事業」と「リニューアル事業」。顧客は、空調設備などの初期性能を維持するために同社に「メンテナンス事業」を依頼し、数年に一度設備を変更することによって売上げがたつのが「リニューアル事業」。「『リニューアル事業』は『メンテナンス事業』の延長」と社長が語った理由だ。そのため、重きをおきたいのが「メンテナンス事業」であり、前期の売上構成比率70%が今期は第2Q時点で77%まで上昇している。同社はこれを80%まで引き上げたいという。

 

 「メンテナンス事業」の対象は、「オフィスビル」、「病院」、「工場」、「(空港、地下鉄、裁判所などの)特殊施設」に大きく区分されるが、「オフィスビル」の同事業は、「リニューアル事業」と同じく、やや景気変動の波を受ける傾向にあると思われ、同社が最も力を入れているのが「病院」だという。放送の中でお話があったが、現在病院に求められるレベルは、「温度、湿度を適度な状態に保つ」というレベルではない。「レントゲン室から出される放射線量を適法に」、「院内感染予防のための対応策」、「手術室の高気圧の維持」など極めて高いソリューション力が求められる。そして、その対応能力・提案力が高いことが同社の圧倒的な強みそのものである。一気通貫、ワンストップでの対応が行えるのは、社長の言葉によれば同社だけである。

 その「病院」の売上構成比は37%と高いが、これを39%以上にしたいという。おそらく、高い利益率もその意図の背景にあるのかもしれない。

 

 海外戦略も魅力だ。現在中国の4拠点での売上げは、全体に占める比率が2%と小さいが、既に利益ベースでは6%を占めている。バングラデッシュ、ミャンマー、そしてその他の地域へと社長の語る海外進出の領域は広がっていった。

 
▼着実な歩み

 業績は好調。今期の数字についてはやや保守的に見ていたが1月に上方修正を発表。経常利益も従来予想から100百万円引き上げて2,000百万円と、対前年で一転増益見込みとした。この4月から3年目を迎える5ヵ年計画の着地計数目標(2,300百万円)にまた一歩近づいたことになる。

 この中計のなかで意識されているのが、現在既に41都道府県に拠点を置いているものの、これを全ての都道府県に広げること、そして、海外売上を10%にまで引き上げるということである。現在のところ、同社の着実な歩みに死角は無い。

 

 それでも、社長のインタビューで最も印象に残ったことは、「上場企業は国民のものである。国民のものである限り、国民に被害を与えてはいけない。必要以上に会社に現金を残してもいけない(還元の意味であろう)」と社員に徹底しているということである。番組の中で、ステークホルダーの意味を再度私は述べた。この言葉を正しく認識している社長と社員がこの会社にはいる。

 
▼ステークホルダーの意味

 それは、番組の冒頭に紹介されたが、51年前から社名に「サービス」という言葉を冠した当時は珍しい会社であったことがDNAとして働いているように思う。「海外にいくと、日本のサービスが世界一であることに気がつく。きっと世界一だ。それが世界に通用しない訳はない」と社長は語った。海外のホテルや商業施設で経験する異様な寒さ、温度が一定しないシャワーなどはもう日本にはない。

 創業時に社名に「サービス」という言葉を冠した社長の、その"先見の見"に橋本社長は畏敬の念を語ったが、DNAはちゃんと50年以上この会社に受け継がれている。私も同じ畏敬の念を橋本社長に抱いた。(了)

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取材後記は以上です。いかがでしたか?

井上哲男が「エッセンスが詰まっている」という今回の放送、聞き逃した方は、後日オンデマンドから聞いてみて下さいね。

 

それでは、来週もどうぞお楽しみに!

 

日本空調サービス IRサイト

代表取締役社長 橋本東海男(ハシモト トミオ)さまと
代表取締役社長 橋本さま