7月23日放送「今日の1社」インターネットイニシアティブ(3774)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014/07/23(水) 18:03 今日の1社担当
 「インターネット」が普及し始めた頃を、思い出すことがあります。
 当時はまだ「電話料金」がかかるダイヤルアップ接続でした。アクセスポイントに対して大人数で一斉に電話をかけているようなもので、なかなかつながらなかったり。電話料金が定額となる「テレホーダイ」を申し込んで、夜11時からの「テレホタイム」に夜更かしをしたり・・・。

 そこから現在に至るまで、インターネット接続はまさに目を見張るような進化を遂げてきました。定額の常時接続が一般的となり、高速の通信網によってリッチなコンテンツを手軽に楽しむことできるようになっています。

 7月23日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんなインターネットの発展を支えた、インターネットイニシアティブ(3774・東証一部、IIJI・米国ナスダック)をご紹介しました!
 同社は、インターネット接続の草分け的存在です。同社のサービス「IIJ4U」は、普及期から信頼性の高い有力プロバイダーとして知られていました。

 今回は代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様にお越しいただき、井上哲男インタビューに応えていただきました。
 井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください!

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取材後記

インターネットイニシアティブ(3774)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様

 

「インターネットの父」

 
▼インターネットの先駆者

 鈴木会長は日本における「インターネットの父」である。まだ、日本でインターネットという言葉が広がりを見せる前の1992年に会社を設立し、翌年に国内企業として初めてインターネット接続事業を開始した。

 当時、会長は当局との認可対応において随分と苦労された。この模様はロング・インタビューの中でも語られているが、もう一つ苦労されたことがあると私は推測している。それは、上場したインターネット先進国米国でのこと。米国でも丁丁発止のやりとりをされたと思う。社名の「インターネットイニシアティブ」=「IIJ」であるが、カタカナに「J」に該当するものはない。これは、米国で「JAPANの『J』をつけたらどうか」言われてそうなったと言われていた。

 これも推測だが、提言した人は「社名は、まるで世界のインターネット市場でイニシアティブを取っているみたいじゃないか、『日本において』とつけたらどうだ」と言いたかったのかもしれない。

 
▼足元の「ストック売上」

 現在の売上をセグメントに分けると、「ネットワークサービス部門」と「システムインテグレーション」であるが、「ネットワークサービス部門」の方は、「インターネット接続サービス(法人向け・個人向け)」、「アウトソーシングサービス」、「WANサービス」と区分けすると分かり易いであろう。そして、連結売上の8割程度が両セグメントにおける「ストック売上」になっていることが強みである。

 

 そして、これまで高い技術力で日本のインターネット業界を支えてきたことは、8500社を超える顧客数と、大企業や中央省庁、地方自治体、そして証券取引所や金融機関といったその顔ぶれが如実に表している。

 
▼成長戦略

 現在の成長戦略のポイントは携帯電話などの無線通信インフラを借り受けて、独自ブランドとしてサービスを提供する事業である「MVNO」と「クラウド」であるが、この「MVNO」についても2008年にNTTドコモから無線通信インフラを借り受けて日本で初めてその事業に着手したのが同社である。当初はこの分野は法人向けのサービスであったが、昨年度から個人向けのビジネスにも本格的に参入した。これが、市場で話題になっている「SIM」である。SIMロック解除が義務化されることが決まったが、同社の安価なSIMをスマホやタブレットに挿入することにより、データ通信のみであれば月額900円、音声を併せても1700円で済む。会長は番組で「子供さんが持つものが、月に7000円、8000円するのは可哀想」と言われていたが、同社のSIMを使うとこのような金額になるのである。

 

 そして、「クラウド」。会長は20年ほど前に、「いずれ全ての情報はインターネット上に乗せられ、管理される」と言われていたが、これが「クラウド」という名前で具現化したのである。しかし、日本における企業のクラウド利用率は欧米に比べて低い。費用メリットや個々のシステム対応の柔軟化により徐々に利用率は上昇しているが、導入をためらう理由に挙げられるのが、「セキュリティに対して確証が持てない」というものである。

 ここで、やはり、もともとWANの先駆者であった同社の技術が生かされる。今回、マイクロソフト社がそのパブリッククラウドサービスである「Azure」について、IIJと協業することを7月10日に発表したが、それはIIJの閉域網接続サービスとの併用提言と考えてよい。この閉域網接続サービスは海外では「ExpressRoute」の名前で知られているが、同社の「IIJ GIOプライベートバックボーンサービス」を利用することにより、全国4か所に用意したゲートウェイに企業が専用線やWAN回線で接続すれば、ExpressRouteを通じてAzureに閉域網接続できるのである。これにより公衆回線網を経由しないため、セキュリティに対する信頼感が大きく高まり、個人情報など機密性の高い情報もクラウドで管理、利用することが期待できる。また、大容量のデータ送信コストも下がるという。

 

 もうひとつ披露する。実は会長は個人投資家の多くが現在利用しているであろう、ネット証券会社の設立に尽力されたのである。同社が行ってきたことは、技術で安全性、利便性を高めること、コストを下げることに寄与すること、という共通したものがあるが、通底しているスピリットは、「海外に比べて日本のインターネットが遅れてはいけない、海外の情報通信企業にキャッチアップしたサービスを日本の企業として日本において展開しなくてはいけない」というものである。本寄稿で紹介したサービスをもう一度見て頂くとそれが分かると思う。

 
▼父の姿を、伝えて欲しい

 同社は海外投資家の注目度が高く、私のところにも分析依頼が頻繁に来る企業であった。しかし、ひとつ同社に苦言を呈するとしたら、それは日本の個人投資家に向けたIRをもっとして欲しいということである。個人投資家に「SIMならIIJ」というレベルの理解で終わって欲しくないのである。同社の歩み、この国のインターネットの歩み、課題、そういったものをきちんと伝えていって欲しいと思う。そのことを、今回収録を終えて、今まで以上に強く思った。なぜそう思ったか。それは、鈴木会長が、20年前と変わらず、今でも、「日本のインターネットの父」であると鶴首したからである。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 是非放送版、またロングバージョンもオンデマンドでお聴きいただきたいと思います。

 インターネットのこの20年と、これからの20年。どんな未来が待っているでしょうか。
 また大きく変わっていく業界にあって、インターネットイニシアティブの「父の背中」が、大きくなっていくことを期待したいです♪

 来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■インターネットイニシアティブ 株主・投資家向け情報
■7月10日付プレスリリース IIJと日本マイクロソフト、マルチクラウドサービスで協業

代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様と。
代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様と。

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