お知らせ:

朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

番組へのお便りはこちら
東京には、町名だけで誰にでも通じる、確固たるブランドをもったまちがあります。江戸時代からの歴史を受け継ぐ「日本橋」、世界から観光客が集まる繁華街「銀座」、そしてアジア有数のビジネスセンター「丸の内」などなど・・・。
 10月9日放送の「アサザイ 今日の1社」では、「丸の内」で多くのオフィスビルを保有し、日本屈指の総合不動産業として知られる三菱地所(8802・東証一部)をご紹介しました!

 ブランドとは、立地が良いからと言って勝手についてくるものではありません。同社が積み重ねてきた歴史と取り組みについて、代表取締役 専務執行役員の加藤譲さまにお越しいただき、井上哲男のインタビューに答えていただきました♪

 誰でも知っている三菱地所、そして丸の内ですが、放送や取材後記を通じてまた新しい一面を知っていただければ幸いです。

--------------------------------------------------

取材後記

三菱地所(8802)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役専務執行役員の加藤譲さま。

 

「インタラクションが活発な街」

 
▼当たり前ではない「安全」

 「三菱地所」。今まで「アサザイ」にご出演頂いた企業のなかで最も時価総額が大きく、知名度も抜群。これから力を入れていくという"個人投資家向けIR活動"の皮切りとして当番組に出て頂けたことは光栄である。

 

 東京駅は丸の内側と八重洲側では異なった顔を持つ。個人的に丸の内側を表現するとしたら、それは「カチッとした街」である。大企業の入ったビルが立ち並ぶ丸の内は、文字通り、日本経済の発展を支え、見続けてきた街であるが、歩いていて感じることは「日本は安全な国だなぁ」ということである。

 ビジネスビルが立ち並ぶのだから当たり前と思われるかもしれないが、海外ではそうはいかない。ニューヨーク、ロンドンもそうであるが、海外の金融街は歩いていても緊張が解れることはない。個人的な印象で恐縮であるが、私が世界で最も嫌いな街は全米第二の都市ロサンゼルスのダウンタウンである。ロサンゼルスにはハリウッドやビバリーヒルズ、サンタモニカなどの観光地や景勝もあるが、出張でしか行ったことのない私には無縁の場所である。金融機関があるのはダウンタウンだけなのでしょうがないが、空港から随分と離れたその街で過ごす時間は苦痛でならなかった。ビジネスマンと同じくらいいるのではないかと思われる浮浪者の数や、一日中聞こえるパトカーのサイレン音にも辟易としたが、最も嫌だったのが数年前は賑わっていたのに、いつの間にかゴースト・ビルとなって夜になっても灯りがつかない高層ビルが幾つも窓から見えることであった。随分とダウンタウンも変わったと聞くが、やはり個人旅行で行く気持ちにはなれない。

 
▼数字が示す「丸の内」

 三菱地所の主要事業は4つ。「ビル事業」、「住宅事業」、「都市開発事業」、「海外事業」であるが、収益の7割を占めるのが「ビル事業」。同社のセグメントに占める「丸の内」の重要度が分かる。

 後輩が言った言葉で忘れられないのが、「世界で一番の夜景って、夜に羽田空港に戻ってくる際に東京上空から見る宝石箱のような光だと思う」というものだ。山手線の内側にビッシリとビルが立ち並ぶが、これだけ広いエリアにビルが立ち並ぶ街は世界中で東京くらいである。それだけビルがあるのに、なぜ丸の内のステータスや輝きは薄れないのであろうか。三鬼商事のデータによると、今年3月末時点での東京ビジネス地区の空室率が8.56%であるのに対して、三菱地所の丸の内オフィス空室率は3.66%と、4.9%も良いのである。また、今回のアベノミクス景気の始まりを受けて、新規募集賃料が都内で最も早く上昇に転じたのもやはり丸の内であった。

 
▼10年を積み重ねる、100年の街づくり

 その答えは計画性を持った街づくりを行ってきた歴史にあるのではないかと思う。1890年に岩崎 弥之助が日本のビジネスセンターを構築するという構想のもと陸軍省用地であった丸の内一帯の払い下げを受けてから、三階建て赤煉瓦造りの建物が立ち並ぶ一丁ロンドン、最新鋭のビルが立ち並ぶ一丁ニューヨークとテーマ性を持つ街造りを行ってきた。欧米を強く意識した丸の内の街造りは、鹿鳴館がそうであったように、単なる憧憬ではなく日本のプレゼンスを示すものであり、不平等条約の撤廃にも寄与したと本で読んだことがある。

 丸の内の110のビルのうち三菱地所が保有しているビルは約30棟あるが、この計画的な建て替えが時代の最先端の機能性をビルにもたらしてきたといえる。同社は(テーマを持って)10年毎のステージで丸の内の街造りを考えているが、この10年間で建て替えるのが6棟程度、つまり全て建て替えるのに50年かかる計算となり、これを続けてきた、また、続けていくということは常に新たな街造りを継続するということなのである。

 現在は2008年から始まった10年ステージの丁度折り返し時期。巡航速度である3棟が竣工しているが、丸の内を「世界で最もインタラクションが活発な街」にすることを目指すという。この「インタラクション」はIT業界で使われる意味ではなく、ファッション業界で使われる「相互作用、相乗効果」という意味であろう。

世界の主要都市は行く度に新しい顔を見せてくれる。ビジネス、文化、商業、それらがもたらすインタラクションが現在の街造りの潮流である。シンガポールや上海、香港などは明らかにそれを意識している。丸の内のインタラクションを、最新の機能性と安全性を担保したビルの提供という形で、三菱地所は見守り続けるのであろう。(了)

--------------------------------------------------

 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 丸の内はかつてはオフィスだけだったものが、現在ではビルの1階に有名ブランド店などが立ち並び、休日でも賑わいの絶えない街になってきています。中でも三菱地所の「丸ビル」「新丸ビル」の竣工は、ひとつの象徴的な出来事でしたね。

 最新のビルをつくり続ける一方で、三菱地所は明治期に建設された「三菱一号館」を復元し、「三菱一号美術館」として公開しています。放送中にもご案内申し上げました通り、今回は三菱地所からリスナープレゼントとして同美術館のペアチケットを5名様分ご提供いただいています!
 リスナープレゼントの応募は別途本サイトでご案内しますので、是非お申込みください♪

 これからの10年、あるいは50年、100年でどのように街が変わっていくのか、三菱地所の長い視点での街づくりに注目したいと思います!

(関連リンク集)
■三菱地所 IR情報
■三菱一号美術館

代表取締役 専務執行役員の加藤譲さまと。
代表取締役 専務執行役員の加藤譲さまと。