「川崎重工が大幅高、新年度は航空宇宙関連や二輪車が伸びる」
「旭化成が高値更新、新年度は素材需要が好調」
5月9日の東京株式市場は、個別株物色中心の展開となりました。三菱重工が大幅安となる一方で、川崎重工、IHIは大幅高です。業容の似た株において、値動きが違う特徴があります。「決算内容で選別」という訳ではないでしょう。需給にしこり感があるかないか、短期的な値動き事態に魅力があるのかどうか、が重視されているように見えます。
11時30分に決算を発表した川崎重工(7012)が大幅高です。25年3月期の事業利益を1300億円(前期比2.8倍増)と計画しました。1株利益は465円です。年間配当金は140円(前期実績50円)に増やします。新年度の利益拡大に低PER、増配等の要素が加わると、株価は上がる傾向が強まるようです。
川崎重工は新年度の受注高を2兆3600億円(前期比+13%)と計画しています。売上高計画の2兆2500億円を上回る受注高です。
川崎重工の事業別受注高(25年3月期計画、億円)
航空宇宙システム 7500(+574)
車両 1600(+713)
エネルギーソリューション&マリン 3900(-116)
精密機械・ロボット 2400(+267)
パワースポーツ&エンジン 7200(+1276)
航空宇宙システムでは、ボーイングや防衛庁向けの受注が拡大します。車両分野では、アジア向け受注が増加します。パワースポーツ分野では、四輪車、二輪車の販売が拡大します。
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旭化成(3407)が9日12時30分に24年3月期決算を発表しました。25年3月期の営業利益は約28%増加の1800億円を計画します。株価上昇です。
旭化成のセグメント別営業利益(25年3月期、億円)
ヘルスケア 575(+90)
住宅 905(+75)
マテリアル 629(+203)
特にマテリアル分野の営業利益が伸びます。同分野では、AIサーバー、ハイエンドスマホ、車載向け電子材料等が伸びる見通しです。
5月9日午後3時10分記