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マーケット・アナライズ・マンデー

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◾︎今週のストラテジー
先週の雇用統計で利上げ観測が強まり米株が調整したのを受け
日本株も調整。しかしこれは健全な調整と見て良さそう。
健全な調整とは、金利が上昇・金融政策変更を受けるもの。
6月利上げ説のアナリストは、9-10/16人。
また、14-15/16人のアナリストが今年2回の利上げを予想し、
最終的には失業率が5%を切るところまでがコンセンサスとなっています。


次のターゲットは、金利の上昇が3%を超えてくるのかどうか。
変動型で資金調達していた人がいつ固定型に変えるのか?
短期から長期のまとまった資金調達に変えるのか?(社債の発行増)
米住宅着工が増えるのか?(住宅ローン金利上昇)
これらの変化で金利全体が増えていきます。


金利が上昇するとその分、当然の結果として
ここまで買い進められた株が調整されるので、
このバランスが今週からの課題となりそうです。


先週金曜日に発表された米雇用統計は
2月非農業部門雇用者数29.5万人、失業率5.5%でした。
平均25万人以上が続いているということは、
ざっくり2%台後半の経済成長が続いているということ。
失業率の数字的にはほぼ完全雇用の域に入りました。
賃金上昇はまだ2%ちょっとですが、
2.5%を超えてくると利上げモードになります。


アメリカにはU1〜U6という6種類の失業率があって、
5.5%はU3の数字です。U6で見るとまだまだですが、
(イエレン議長が質はまだというのはこの辺りのこと↑↑↑)
マクロの経済政策は全体を見るので、U3が優先されることになりそうです。


3/17・18のFOMCで「patient」が削除される可能性は高くなり、
そこから2回のFOMC=6月(あるいは9月頃)利上げということは
マーケットはすでに織り込んでいますが、
年内もう1回の利上げというのは織り込めていません。
従って、2回来た場合株式市場がグラつくかもしれません。
逆にこれが織り込まれるとドル高がもう一歩進んでしまうことに。
この場合、輸出企業などがきつくなります。


全てを勘案すると、
2015年のEPS(Earnings Per Share:1株当たり利益)は
たいして増えないかもしれません。
1-3月は原油価格下落によるマイナスが決まっているうえ、
金利上昇で15年は停滞気味に。
マクロ的なGDPは増えるものの、企業業績は増えないという
タイムラグが発生することになりそうです。


セミナーで夕凪さんが
アメリカの利上げと日本の株式市場はリンクしていると
教えてくれましたが、正常化に伴う利上げならその通り。
しかし利上げ=日本株高というのはタイミングの問題でもあります。


「米利上げ→米株調整→日本株調整→米景気腰折れなし
→景気強いので金利上昇→ドル高→買い戻し→健全な業績相場へ」


現状は、一気にドル高になったことで折り合いがついていないところ。
健全な調整の期間に入ったとみて、
無理して買い上げるよりは自重したほうが良いかもしれません。


ドル高の向こう側にあるユーロ安も気になります。
本日からECBによる国債買い入れがスタート。
各連銀がどの様に実施するのか分からないのでお手並み拝見というところです。
どの年限を買ってくるのか?どのくらい積極的にビッド(bid)を入れるのか?
傘下の銀行がどのくらい積極的に国債を手放すのか?
とにかくやってみないと分かりません。


今回大事なのは表面的な数字ではなく、ECBがキャップを付けたことです。
・1発行体の債務の33%までしか買わない
・1銘柄25%までしか買わない


これらは日銀への痛烈な皮肉のようにも見えます。
日銀はすでに国債残高の25-7%購入しており、33%まであっという間。
来年の今頃はもう買えないことになりますが、それ以上に買うのか?
GDP全体の80%までバランスシートを膨らませるのか?
日銀がどう対応するのか注目が集まりますし、
今回のECBの政策をもう少し細かいところまで調べたほうが良さそうです。


また、今回のECBの措置はユーロ間の国別格差の是正に動いたようにも見えます。
ドイツが自国債権を買うのではないか?とここまで買われてきました。
マーケットが先にドイツ国債を買い進んだわけですが、
ECBや独連銀が買ってきた時に手放すために先に買っていた可能性も。
先に買われたものに関しては売られます。
ドイツを売りながら、イタリア・スペインを買うという流れで
国別イールドカーブがフラットになっていくイメージです。
(国別イールドカーブの図↓↓↓
https://www.facebook.com/MarketAnalyze/photos/pcb.905180012857906/905178636191377/?type=1&theater


日本株に対する当面の戦略ですが、
鍵を握っているのは日本の長期国債利回り。
日本の債券が買い進められるのはあと数年もないなかで、
それでも日銀はやれるのか?がテーマ。
金利が0.5くらいを超えてくると
どこかで臨界点を超えて来るかもしれません。
現在はアメリカと連動して健全な調整ですが、
日本の金利が上がってしまうと金融緩和にヒビが入るかもしれない
というリスクを孕んでいることには注意が必要です。

◾︎先週の振り返り
大和証券の壁谷さんをゲストにお迎えして、アメリカ経済の行方について伺いました。
ドル高の影響、利上げなどを整理しましたが、企業収益がポイントに。
これまで順調でしたが、1-3月期はエネルギーの影響で下落。
4-6月期までしんどそうですが、7-9月期で戻ってきそうという予測です。


1-3月期マイナスというのを
米株はよく吸収しましたが、先送りにしただけという感じもあります。
原油、金利の先安感による小さなバブルがあったことも事実。
金利上昇→株価下落というのは、必須の調整のようです。


EPSが上昇した時にPERが伸びるのですが、
その過程でバブルになっていくので、スピードのバランスが重要。
舵をとるのは金利です。
金利がまだまだ低下するということはPER15から16、17と増えていきますが、
原油下げ止まり&金利上昇というなら17が16の方向へというのは健全な動きです。
日本は金利がほとんど上がってこないなか、
アメリカの景気が少し調整するので影響を受けます。
日本株もいいとこ取りでPER17倍まできて、また16まで戻りましたが
これを繰り返しながらEPSの改善向上を待っているという形です。


原油価格は今年の年末までには65ドルより上くらいまでを予測。
60-70ドル設定でエネルギーセクターが大幅なマイナスですが(下記リンクにグラフ)
企業はそれに合わせてコストの見直しをしてきます。
ここの価格帯でも利益が出るように構造改革をすることをマーケットは先読みするので
このまま業績が悪化するから株安、とはならないようです。
(アメリカ企業業績セクター別の図↓↓↓
https://www.facebook.com/MarketAnalyze/photos/pcb.905180012857906/905178872858020/?type=1&theater


ナスダックは4-6月に5,400ポイント見通し。
NYダウ20,000ドル乗せと、強気の見解を頂きました!

(先週の振り返りの図解など詳細は番組FBからどうぞ↓↓↓
https://www.facebook.com/MarketAnalyze/posts/905180012857906


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