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マーケット・アナライズ・マンデー

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◾︎今週のストラテジー
あっという間に2月最終週です。
前場に18,500円をつけましたが
値幅が狭く、ボラティリティは22.04と僅かに上昇、
先週動きが悪かったSB、ファストリが買われていることなどから
先物買い戻しで値を上げているのではと考えられます。

まだ余熱が残っていてじり高。売って儲かる地合いではなさそう。
NYベースだと日経平均株価は6週連続で上昇しています。
2013年5月バーナンキショックまでの7週連続高、
2012年アベノミクス当初の12週連続高などが直近ではあり、
連騰のうえ15年ぶりの高値をつけ、PERも16.7と強気。
一息吐きたいところまでは来ているかもしれません。

買われ過ぎ感がありつつも、売り材料が今のところ見つかりません。
企業業績は良く、為替も一応安定、
金利も上がりつつ止まっており、
ギリシャは4ヶ月延期でロシア・ウクライナはとりあえず停戦。
年末からの不安材料を全て織り込んだ形となり、
地政学上のリスクはモラトリアムの期間に入ったようです。

株価の本質は景気と企業業績で、その本丸はアメリカ。
1-3月の米景気・業績は思わしくなさそうで、
利上げを巡るコメントも含め、手離しには喜べないのも事実。
とくに足元業績にマイナスなのは原油安&ドル高です。
トムソン・ロイターの報道によると、
S&P500で1-3月は増益が-2%。
7-9月が+10%、10-12月が+4.6%だったので
マイナスが気になりますが、足下の株価は強い状況です。
ただ、やはりアメリカの1-3月の業績、将来像については不確定で
高値警戒感はあるため、いつでも降りられる状態にしよう・・・
という動きから大型株が買われている感じです。

米シェブロンとバイオ航空燃料で提携
というニュースが出たユーグレナが
売買代金でトヨタを抜いて1位など強い動きも見られ
ユーフォリアムードになっているのは事実ですが、
全体像としてはお金の流れは大型へ。
先物と並行して動くものが集中的に投資対象となっています。


政治経済の動きではギリシャの4ヶ月の融資延長が決まりました。
ある程度予期されており、本質的な解決ではありませんが
必ずしも交渉決裂という話ではないのでマイナスにはなりません。
4ヶ月後もう一度交渉ということになるので、
それまでに世論が変わるのか等も注目ですが、
その6月以前に、3月からECBが量的緩和政策をスタート。
これによってマーケットがどう動くかという方が
より大きな関心になったと見て良さそう。


アメリカでは先週FOMC議事録が出ました。
その前の週までは利上げ前倒し等の要人発言があったので
金利が上昇し、ドル円は120円をトライ。
しかし議事録では「忍耐強く」が残り、
まだはっきりしないということで、前倒観測が無くなり
金利も為替も元の位置に戻ったという動きでした。
120円を超えてのドル高一辺倒というのはしばらく無さそう?


原油価格下落に関してはメリットがあるものの、
デメリットであるクレジットリスクの高まりはまだくすぶっています。
スプレッドが拡大してハイイールドが売られる
というテストは12月に起きたので、今度は別のテストになりそう。
おそらく米株式そのものに来るのでは。
前回は原油関連が叩かれたので、次は設備投資関連かもしれません。


注視する必要があるロシアの外貨準備は、
12月程酷くはないものの、1月も90数億ドルの減少。
このまま順調に停戦となるのかどうかも含め当面のリスク要因です。


今週以降の戦略は
利食いのタイミングを計る・利食いやすいものを買って回すという感じに。
こういう時には、流動性の高い先物や株365は良いのですが、
個別銘柄は少ししんどいかもしれません。



◾︎先週の振り返り
今回は住友商事 執行役員 兼 住友商事グローバルリサーチ 
代表取締役社長の高井 裕之さんをゲストにお迎えしました。


原油のことを詳しく教えて頂いたのですが、
実務面から見た市況分析は目から鱗のお話ばかり。
contango(コンタンゴ:先物市場で期近安・期先高の右肩上がり曲線)
のおかげで在庫が減らずむしろ増えていることや、
濡れ手に粟状態のビジネスが横行していること、
原油マーケットが金融市場に変わるという仕組みとなっていることが
分かりました。
期近を買い期先を売ると、その間の原油保管料等を差し引いても
儲かる確定利付のような状態になっているので、
金利が低い今は得に原油がトレード対象になっているようです。

このため地上のタンクが足りず洋上備蓄のためのタンカーが
出航しているとか。


原油の在庫量で先行き景気や価格動向を占っていたのですが、
在庫そのものが単なる金融商品になっているとすると
これまでのように単純な判断はできません。


他にも、リグの稼働数が落ちているのに
コストカットでなんとか賄えてしまうため
生産量は減っていないことや、
WTIは基本北米需要なので、より世界の実需に近い
ブレントと併せて指標として見なくてはいけないことなど
大変勉強になりました。


また、金もさらに複雑化しており、ドルを見るだけではもう駄目。
プラス要因とマイナス要因が拮抗している現在は
見極めも難しいようです。

(先週の振り返りの図解など詳細は番組FBからどうぞ↓↓↓
https://www.facebook.com/MarketAnalyze/posts/897288260313748



今週の注目イベントとしては
イエレンFRB議長の議会証言のほか、
26(木)に発表の1月米耐久財受注があります。
日本の場合、設備投資関連は機械受注を見ますが、
アメリカは耐久受注の資本材を見ます。
設備投資は経済をひっぱる大事なファクターですが
足元数ヶ月は悪い数字が出ているので注意が必要。
この先重要なシグナルとなる可能性が高い指標です。


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3月7日(土) 12:30〜 (12:00開場)ゲスト:東京金融取引所
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お問い合わせ:豊商事 本店 0120-770-100



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3月14日(土) 12:30〜 (12:00開場)ゲスト:東京金融取引所 岡田貴司さん
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会 場:西新宿エステック情報ビル 21F 会議室B
お問い合わせ:豊商事 さいたま支店 0120-997-524
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