お知らせ:

マーケット・アナライズ・マンデー

番組へのお便りはこちら



◾︎今週のストラテジー & 先週の振り返り

まだまだ外部環境的には落ち着かず、方向性を探る状況の日本株。
先週はっきりしなかったECBの決定とギリシャの結果は出ました。

ギリシャ総選挙で急進左派が勝ちそうだという予想もあったのか
ECB理事会では思い切った毎月600億19ヶ月間の量的緩和を発表。
先週はじめには仏大統領が量的緩和を示唆。
前々日には毎月500億ユーロという数字をリーク。
実際は少し上ぶれさせた600億ユーロに・・・という
手の込んだ形での発表となりました。

結果ユーロは1.12と安くなり、独・仏の金利は下落。
株式市場はドイツを取り巻く環境が不安定で
原油も不安定。
先週のスイス中銀の無制限介入断念で金は上昇局面に。
通貨不安=金の買いとなりました。


1985年プラザ合意の際に
先進国が集まって「高すぎるドルを弱くしよう」
という政策を行ったのと同じく、
今回のECB理事会はEU加盟国で
「ユーロをいかにして下げるか」という賭けに。
ユーロを下げる手段として、
米日で行われ一定の成果が出た量的緩和が選択されました。

こういう形の後はプラザ合意で言えば
ブラックマンデー、日本のバブルなどに繋がったので、要注意です。
ユーロが抱えている問題とは「低成長」と「失業率」ですので、
金利を低下させるだけで改善するのかどうかは疑問。
付け焼き刃とも言われていますが、
しかしこれしかない、という現状です。


実際に、バブルのようなものがドイツでも起こり始めています。
DAX指数は史上最高値を更新し、債権の金利は急低下。
主要都市の不動産価格が上がっている等々。


金価格は昨年11月ぐらいにボトムで1,300ドルを越えてきました。
スイス、ECBの決定で2段階で上がり、
金市場は通貨不安を織り込み始めています。
ただ、2011年9月の2,000ドル目前まで行くかというと
そこまでは行かないとのこと。
あの時はドルもユーロも全てが崩壊するかもしれない
という不安で押し上げられましたが、
今回は少なくともドルは安定、
金利は引き締めに向かう状況ですので異なります。
とりあえず1,400-1,500ドルに向けての上昇だと考えられます。


今回の波乱要因は、金価格の上昇とは反対の動きを見せる原油価格の下落。
対ロシア、対イスラムという原油が生命線の国々での有事は
冷戦構造、代理戦争の様相です。
半年で半分下がるということは、100ドルはバブルだったと考えられます。
世界中の金融緩和で行き場のないお金が原油市場へ向かい
お金が入り続けていた状況ですので、
原油価格はそう簡単に戻らないのではとのこと。


バブルとはその時には分からないもので、
もちろん分かったつもりではいるのですが、
日本株のときも87年のブラックマンデーの後に
切り返して88年、89年と2年間続くと危機感が薄れ
現状が当たり前になってしまいます。


バブルとは、もちろんリスク側面だけではなく、
プラスにメタモルフォーゼ(一変させる:metamorphose)する方法も。
ある資産にお金が入り込みすぎた現象がバブルですので、
その資産が「リアル エコノミー」に流れてくれれば問題ありません。
それは失業率改善、設備投資、人間に投資するということで、
最終的に人間に帰って来ればバブルは昇華できる。


ちなみにバブル後失われた20年を通して
結局人間に戻らなかった(未だに戻っていない)のが日本。
今後ドイツが低成長・失業率を解消する方向にいけば、
バブルはバブルで無くなっていきますので、注目です。


いずれにせよヨーロッパ不安、原油不安、通貨不安、
この3つを避けてお金が流れる時に、
日本株は何処に向かうのか?マザーズなのか?こちらも注目です。


****


まずはヨーロッパがこの結果をどう評価するのか、
アメリカがどう評価するのかが重要。
アメリカの株式市場は10-12月の決算を織り込んでいる最中で、
あまり良くないのが気になります。
アメリカ国内売り上げはよく伸びていますが、
海外景気悪化、ドル高を受けて海外の売り上げが伸びません。
決算発表は
7-9月が10%以上と過去最高の伸びだったのに対し、
10-12月は4-5%と伸びが鈍っています。
株価は変化率を気にするので、プラスながらも鈍化を懸念します。


今週の現地27-28日に行われるFOMCで
今のマーケット環境が評価されるはずです。
予定通り6月頃の利上げが示唆されるとドルは強く、
日本株は浮上の余地があります。
しかし、ここで金融引締めが後ずれしてくると
今の115-120円というドル円レンジが少し下にずれる可能性も出てきます。
115円を切ると、110-115円の空白地帯があり、
ここに落ちると円高のリスクが強くなってきます。

FOMCの発表は日本だと29日(木)の朝になりますが
120円に向かうか115円割れに向かうかの分岐点になる可能性もあるので注目です。


もうひとつ注目点は、米地銀株が弱いこと。
原油株急落の影響を受けているものとみられます。
クレジットリスクはどこにあるのかが地銀株に凝縮されているので
こちらも注意深く観察する必要があります。


日本株関連では30日(金)に12月の鉱工業生産などが発表されます。
マクロ経済の統計が「まだら模様」で
良いものは良くなってきているものの家計・消費関連が弱いままです。
鉱工業がリバウンドしてくれるのかどうか、重要な発表です。


全体的には先週で大きな山を終えたばかりの状況に、
海外の反応がどうか、見極める週になりそうです。



----


番組FBではデータやレポートが盛りだくさん。チェックしないと損ですよ!!
https://www.facebook.com/MarketAnalyze



<豊商事セミナー@岡崎さん出演>

■豊商事 「資産運用セミナー in 新宿」
2月8日(日) 12:30〜 (12:00開場)
ゲスト:東京金融取引所
   :レオス・キャピタルワークス
会 場:西新宿 エステック情報ビル 21F会議室
お問い合わせ:豊商事 さいたま支店 0120-997-524
      :豊商事 池袋支店 0120-964-124

<豊商事セミナー@鈴木さん出演>
■豊商事 「資産運用セミナー in 北海道」
2月14日(土) 13:00〜 (12:30開場)
会 場:豊商事 札幌支店
お問い合わせ:豊商事 札幌支店 0120-191-365


<BS12chTwellVセミナー>

■「番組公開収録&セミナー」
1/30(金)に丸ビル1F・マルキューブで行われる
三菱UFJ投信主催セミナーに参加します。
・公開収録 11:00〜
・セミナー 13:15〜
詳細はこちらのURLからご確認ください!
http://www.am.mufg.jp/other/muamseminar_150130.pdf

■「リアル・マーケット・アナライズ 2015 in JAPAN!」
2015年2月28日(土) 有楽町よみうりホールで開催決定!
締切は2/2(月)です。こちらからどうぞ↓↓↓
https://www.twellv.jp/1411market-analyze2/