今年最後のマーケット・アナライズ・マンデーは、
鈴木さんはお休みのため、代わりに
鎌田さんがお得意の鋭い質問を披露して下さいました！

2014年、なんだかんだ言って
マーケットとしては良い1年になったようです。
2013年はあまりにも株が上がったので、
翌年、つまり今年は期待されていなかったことを思えば
後半はよく盛り返したと言えるのではないでしょうか。
（もちろん一方では2万3万という期待もあったのですが・・・）

◾︎今週のストラテジー
先週金曜日に発表された経済指標が軒並み悪い結果でした。
鉱工業生産指数は-0.6、小売は-0.3、消費も前年比-2.5でした。
4-6月期、7-9月期でマイナスが続き、
10-12月期で底を打つと見られていましたが、
このままでいくと今期もマイナスの可能性が高くなってきました。

しかしその中で株価は18,000円近辺という動きを考えると、
この株高はひとえに「円安効果」と言い切れるそう。
景気は悪いのに株は下がらないということで、
金融緩和が株価を支えた1年とも。
もちろん業績は確かに良くなっているので、
この部分も半分くらいはあります。

株は上がる
　↓
しかし株を持っていない人の消費は弱い
　↓
経済自体はあまり良くならない

・・・という中で株高の構図は続くのか気になりますが、
アメリカやイギリス型としてその可能性も有りだそう。
ただ「円安依存型経済」というのは非常に脆いものなので、
2015年は今年以上の変動を覚悟して臨んだ方が良さそうです。

大きい流れで円安の方向は変わらないのですが、
130円近辺までいくと介入のリスクが出てきます。
あるいは今の水準120円前半でも、
もしデフレ脱却した場合は、G7やG20で円安懸念が出る可能性も。
（現在は景気回復のために目をつぶっている状況のため）

介入によって130円が120円になるなど10円程度の修正は可能ですが、
基本的に大きな流れを止める力は介入自体にはありません。
需給では止められないのが為替。
結局は日本の金利も上がって、期待・向きが変わって初めて
流れも変わるので、それにまだまだ時間がかかります。
従って、2015年を考えると
ちょっとした要人発言や介入、アメリカの金融政策、指標、株価などを見て
どんと下がるなど、引き続き振れ幅の大きい感じとなりそうです。

ドル建て日経平均を見ると
150ドル＝ドル円120円だと18,000円。
今後、ドル高円安に依存しないような形で
日本企業の価値がドルベースで上がっていくことは可能だそう。
日本のGDPは日本の国民が作るものですが、
経済は輸出や観光客など外国の人も作ってくれることを考えれば
2015年も5-8％くらいでEPS（1株当たり利益）が増えるのでは。
　※18,000円で5％だと900円、8%だと1,440円。
　　これでは誰も満足しない!?

前場で売買代金トップの東京電力ですが、
原油1バレル1ドル安いと240億円のメリットに。
100ドル前提。30ドル違うと営業利益7,200億円プラスと考えられますが、
ただ、1ドル1円の円安で240億円のデメリットがあるので
どう相殺されるかということになります。
いずれにせよ円安と原油安両方を考えると、
来年の4月から始まる企業業績、日本円表示だと良い期待ができそうです。
もちろん原油がまだ安定しないので未知数ですが、
もし50ドル前後で横ばいになれば、期待できそうとのこと。

原油安は表面上はシェールガスが背景と言われますが、
きっと奥深くにはシリアやロシアなどの複雑な問題があると考えられます。
しかし、真実は当事者にしか分かりません。
経済や市場がいくら議論しても答えの出ない問題は、
結果が出た時に受け止めるくらいで良さそうです。

大納会から大発会の間に上がる確率は
過去30回中21回の70％。
しかし、上がる（あるいは下がる）理由に関連性はなく
「完全なるランダム」ということなので、どちらになるかは運次第!?
なお、現物は大納会から大発会が休場となりますが、
株365は元日以外、年末年始取引できますので
休んでる暇はない！という方はぜひ。

2014年の相場を分析してみると
その「型」は1995年に近いそうです。
円が超円高から円安にひっくり返った年。
その翌年とすれば、2015年は＝1996年の「型」になるのかどうか・・・
調べる意味はありそうです！！
このあたりは、来年もラジオ・テレビでお伝えしていきますが
ぜひご自身でも分析してみてくださいね★

◾︎先週の振り返り
今年最後のマーケット・アナライズは前半で
ニッセイ基礎研究所の久我尚子さんをゲストにお迎えし、
消費税増税前後の消費と雇用問題について
年代別、性別など細かく分析して頂きました。

アベノミクスで最も増えた雇用は非正規雇用。
増えた分の80％は女性の高年齢層のパートでした。
15〜24歳での正規雇用は増えており、新卒も良くなっています。
しかし、ロスジェネと言われた層を含む
25歳〜44歳は厳しい状況に。
子育て世代にはますます広がる格差など
厳しい現実が見えました。

・・・ということで、
2014年もおつきあいありがとうございました！
番組はお休みなしで、2015年は1月5日(月)から放送です。
どうぞ2015年もよろしくお願い致します！！！



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