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原油先物価格がマイナス40ドルを示現。


新型コロナウイルスによって原油需要が大きく減少したことで、オクラホマ州クッシングの貯蔵能力の限界近くまで在庫が積み上がっている中で、WTI原油先物5月限の納会を迎えたという特殊事情もありますが、新しく中心限月となった6月限の原油価格もすでに10ドルを割り込まんばかリの下落となっています。

6月限の納会である5月19日を待たずに再びマイナス価格を示現する可能性も?!

混乱をきたしているのは原油市場だけではありません。
ゴールド市場でも、Nymex先物市場のゴールド価格と
スポット(現物)価格であるLoco Londonとの価格差が広がっています。

いったい何が起こっているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はJBMA日本貴金属マーケット協会代表理事 池水雄一氏に
お電話でお話しを伺いました。


GOLDのCOMEX先物市場とLoco London現物価格の乖離が生れたのは3月23日辺りから。
そう、英国のロックダウンスタートの頃からですね。
一時はComex 中心限月である4月限が一時Loco Londonに対して
100ドルプレミアムに。

貴金属のトレーダーらがオフィスに行けないため
流動性が低下しているという側面もあるようですが
主因は先物取引所のデリバリー規格とコロナウイルスがもたらした
製錬所の精錬キャパの減少にあります。


また、ロケーションプレミアムも開いています。
要するに、場所によってGOLDの価格がかなり異なるということ。

例えば、インド、中国では50ドルディスカウントに
ベトナムでは150ドルプレミアムとなっています。
プレミアムというのは、国債指標となる価格よりも高い値段で
取引が行われているということです。

現物と先物の価格の乖離だけでなく、国によっての価格の差も大きいのです。

これは、航空便激減のためのロジスティックの問題ー必要な場所に
ゴールドが運ぶことができないことが原因です。
ゴールドが不足しているわけではなく、必要な場所にないということですね。

これも新型コロナウイルスがもたらした問題です。

平時では裁定取引が働き、このようなことは起こりえないと池水氏。
しかし、現在はコロナウイルスにより世界の分断化が進んでおり、
一物一価の世界が崩れつつあるのです。


詳しくはオンデマンド配信で池水氏の解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-200428.mp3