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減産協議が決裂、市場はサウジアラビアとUAEの対立を固唾をのんで見守っていましたが18日になってOPECプラスは8月から日量40万バレルの減産枠縮小=増産で合意しました。報道を受け、WTI原油価格は今年最大の下落を強いられていますが、8月からの増産はすでに市場に織り込まれていたはず。なぜ原油価格は下落に転じているのでしょうか。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリスト大場紀章氏をお迎えし
原油市場を取り巻く材料についてお話を伺いました。


WTI原油価格はワクチン普及による需要の回復から
7月には70ドルミドルまで上昇しています。
OPECプラスはこの4月から段階的に増産に踏み切っており、
協議が難航したとはいえ8月以降の増産は想定内。


しかし、世界の新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大や
中国、インドの貿易統計が6月に今年始めて減少に転じるなど
市場にはすでに弱気材料も出てきていました。

OPECプラスの協議の行方の不確実性が原油価格を支えていたのでは、大場氏。
合意の報道とともに原油が崩れた背景には「不確実性」が消滅したことで
弱材料が織り込まれた可能性が。

そして、大場氏はサウジとUAEの対立によって協議が難航したことによって
原油価格がサポートされていたこと、価格決定の主導権はOPECにあり、
そしてその2カ国の皇太子が握っていることを認知させた事実について
解説くださいました。

また、原油価格が75ドルにまで上昇してきているのに
米国シェール企業が生産を増やさないのはなぜでしょうか。

大場氏は上期の米シェール生産の30%あまりが
55ドルで売りヘッジしている事実を指摘。
現実の価格は75ドル近辺まで上昇。
ヘッジ価格よりも原油価格が20ドルも上ぶれたことで
ヘッジ企業らの損失は75億ドルにも登るとか。

これでは新規投資も増産もままなりません。

詳しくはオンデマンド放送で大場氏の解説をお聞きくださいね。
https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-210720.mp3