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OPEC第3の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビの国営石油会社の施設でドローンによる攻撃とみられる爆発が起きて3人が死亡。UAEが軍事介入するイエメンの反政府勢力、武装組織フーシ派が攻撃を行ったと犯行声明を出しました。これを受けて、WTI原油先物価格は一時1.6%上昇し、85.19ドルまで上昇。TOCOM原油先物市場でも中心限月が約7年2カ月ぶりの高値まで上昇しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は経済産業研究所 コンサルティングフェロー藤和彦氏をお迎えしお話を伺いました。


OPEC生産国で現在増産余力がある国はサウジ、UAE、クェートの3カ国程度と藤氏。
もともと供給に懸念が生じていたところに地政学リスクが発生したことで
原油市場は一段高となっています。


イエメンの暫定政権をサウジアラビアとUAEが支持していたことから
UAEにも武装組織の攻撃が及ぶリスクはあったものの
最も治安が良いUAEで起きたドローン攻撃に市場は驚きました。


早速サウジアラビア主導の連合軍がイエメンの首都サヌアにある
フーシ派の拠点等を空爆するなど報復にでています。

こうした地政学リスクからの供給懸念がなくても
そもそも、OPECプラスは生産枠を満たす増産ができない事態に陥っています。

IEAによれば、OPECプラスの昨年10月の原油生産量は
目標の数字に日量73万バレル、11月は65万バレル足りなかったのです。

これは過去5年間にわたる石油開発部門の深刻な投資不足に起因しており、
14年に約8000億ドルだった投資は昨年約3400億ドルにまで落ち込みました。

昨年の原油の新規埋蔵量は75年ぶりの低水準に沈んでいるのです。

サウジアラビアのアブドラアジズ・エネルギー相は
「2030年の原油需要が日量9000万バレルであるのに対し、
原油供給は日量7000万バレルにとどまり、深刻な供給不足になる」と
警告を発しています。そこへ地政学のリスクが重なって・・・。

では、ここから石油開発部門の投資が増えるか、というと
脱炭素政策がそれを許さないわけですが、積極的に再生可能エネルギーに
舵を切ってきた欧州は風や降雨が不足したことで電力不足に陥り、
慌てて天然ガスをスポット購入する事態に。
天候任せの新エネルギーは安定供給が難しいのですが
しかし、化石燃料部門への新規投資はできない機運となっているのです。

ここからの原油価格見通しは?

詳しくはオンデマンド配信で藤氏の解説をお聞きくださいね。

https://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-220118.mp3