投資をする上で守ることは? ~自身の売買ルールを確立しよう~ [フジトミコラム] [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2019/02/22(金) 18:00
皆さんこんにちは。「真壁昭夫のマーケット・ビュー」提供、株式会社フジトミの山口です。




【資産運用をおこなう上でのリスクとは】

経済学的な観点で金融商品におけるリスクというのは、一概に損をすることではありません。一般的に金融商品におけるリスクとは、「期待値に対する分散、又は、標準偏差」と言われます。全然意味わかりません。難しいですよね。

下の図は、まずは「期待値」をイメージしたものです。

ある投資対象があり、赤い線のような収益が上げられそうだとすれば、これが「期待値」です。

なお、黒い線は実際のその投資対象の収益の上げ方を示しています。



次に、上の図を元にリスクをイメージしてみます。

上の図に対し下図では、実際の収益が期待値に対してどのぐらいのブレがあるかを示したものになり、ブレを青い線で示しています。



この青い線が、乱暴な言い方をすれば「期待値に対する分散、又は、標準偏差」です。

この投資においては、青い線のようなリスクがあると想定できるということです。

期待値に対して上振れする場合は上方リスク(想定以上に儲かるリスク)、下振れする場合は下方リスク(想定を下回る結果になるリスク)ということになり、一概に損失=リスクというわけではないというのはこのためです。投資をする上での本来のリスク管理はこのブレを小さくすることになります。

こういった観点で、様々なアセットクラスに資金分散(=ポートフォリオを組む=分散投資)させて、このブレを小さくするのが重要なのです。


【トレーディングにおけるリスクはちょっと違う?】

上記の例は、ある程度の長期投資を想定したもので、いくつかのアセットクラスに資金を分散させることで、上下の分散度合いを小さくするというリスク管理の方法になります。

しかしながら、ことトレーディング(株式投資やFXなどの売買差損益を狙った投資)においては、株式や為替相場など個々の金融市場を利用して個々のトレーダーがどれぐらいのリスクをとれるのか(=1回の取引でどれだけの損失を許容できるか)が問題になります。


【自分自身の投資の履歴を振り返る】

この問題を解く鍵は、個々のトレーダーの過去の取引履歴からどのような傾向があるのかを探るということです。具体的には、以下のような項目を調べます。

・過去の売買損益の合計額
・利食いの金額の合計額
・損切りの金額の合計額
・プロフィットファクター(利食いの金額の合計額÷損切りの金額の合計額)
・利食いの回数
・損切りの回数
・勝率(利食いの回数÷全取引回数×100)
・利食いの平均金額(利食い金額の合計額÷利食いの回数)
・損切りの平均金額(損切り金額の合計額÷損切りの回数)
・平均取引時間
・利食い時の平均取引時間
・損切り時の平均取引時間


これらを調べると、自身の投資の「傾向」がわかります。

例えば、
1.利食いが早いのか、遅いのか
2.損切りが早いのか、遅いのか
3.利食いの額が大きいのか、小さいのか
4.損切りの額が大きいのか、小さいのか
5.勝率が高いのか、低いのか

その上で、「平均損失(=リスク)は許容できる範囲なのか?」「期待値をあげるためにはどうすればいいか?」「リスクを減らすためにはどうすればいいか?」「勝率を上げるようにするにはどうすればいいか?」などの問題点がわかるはずです。もしかしたら、短期売買やスウィングトレードのような投資スタイル自体が合っていないという場合もありえます。


【伝説の投資家ギャンのルール】

1900年代に商品市場や株式市場で活躍した投資家の一人「ウィリアム・D・ギャン」は、28の価値あるルールの中で、「投資資金を10等分して投資をおこなうこと」や、「1回の投資でとるリスクは10%の損失」といった自身のルールを自分自身に課して、取引をおこなったとされています。

このように、1回ごとの売買についての損切り額を決めてしまうというのも、1つの方法かもしれません。


【個々の投資家で違う 売買ルール作り】

個々の投資家でもスキャルピングのような短期売買なのか、長期投資なのか、それともその時々により短期売買も長期投資もするのか、それぞれの投資家によって異なると思います。

それでも、個々の投資家の売買履歴を確認し、問題を見つけて改善していくことで、自分自身の投資のルールを作れるものと考えます。

ちなみに、ギャンの28のルールですが、これはもともと21のルールだったり、24のルールだったりしたものが、改善、修正されて最終的には28のルールに落ち着きました。

ご自身の売買ルールを見つけ、PDCAサイクルを回しアップデートしていくことが重要だと思います。