先週の金融市場から(1月14日~1月18日) [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2019/01/21(月) 11:00

米国の株価や低格付け(非投資適格級)社債の価格が持ち直している。昨年12月の株価の下落を受けたリスクオフによって価格が下落(利回りは上昇)した米国の非投資適格級社債市場では、信用スプレッド(国債利回りに対する上乗せの金利)が縮小基調にある。

株価をはじめ、相対的にリスクが高いと考えられる金融資産の価格が持ち直している背景には、米国での政策期待がある。FRB関係者が利上げに"忍耐強くなれる"との見解を共有し始めたことは大きい。従来に増して、FRBは利上げへの慎重姿勢を強めている。それに加え、米中間の通商交渉への期待もある。特に、ムニューシン米財務長官が対中関税の取り下げを検討しているとの報道がなされたことのマグニチュードは大きかった。

一方、ブレグジットの動向や中国経済の減速懸念など、リスク要因は増えている。米中の交渉に関しても、決め打ちはできない。引き続き、相場は不安定に推移する可能性がある。

米非投資適格級債券スプレッドの推移


(記:真壁昭夫)

先週の金融市場から(1月7日~1月11日) [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2019/01/15(火) 11:00

米国の金融市場において、利上げ予想が後退している。金融政策に関する市場参加者の期待などを反映しやすい2年金利は年初、2.3%台まで低下したのち、株価の持ち直しなどを受けて2.5%台まで水準を戻した。これは、政策金利(FFレート)の上限(2.5%)と同等である。従来に比べ、市場参加者の利上げ予想は大きく後退した。そのため、ドルの上値も抑えられている。

また、欧州経済の減速懸念、ブレグジット交渉の先行きなど、不透明感を高める要因も増えている。主要通貨のドルに対する為替レートを考えた場合、追加利上げを理由にドル高を期待することは難しくなっていると考えられる。同時に、ユーロとドル、英ポンドとドルの為替レートを考えると、政治リスクに為替レートが振り回される展開も否定はできない。一筋縄ではいかない為替相場動向が続きそうだ。

米2年金利の推移


(記:真壁昭夫)

先週の金融市場から(12月31日~1月4日) [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2019/01/07(月) 12:00

1月2日の米国時間夕刻、アップルのティム・クックCEOは投資家向けの書簡を発表し、2018年10~12月期の売上高が従来の予想を下回る約840億ドルになったとの見通しを示した。この業績見通しは市場参加者の失望を買った。

アップルの業績拡大のモメンタムは鈍化している。このマグニチュードは軽視すべきではない。重要なことは、リーマンショック後の米国および世界経済を支えてきたアップルをはじめとする米IT先端企業のイノベーションが停滞しつつあると考えられることだ。

雇用統計を見る限り、米国経済は好調さを維持してはいる。その中で、GAFAをはじめとするIT先端企業の業績および経営戦略がどうなっていくかは今後の世界経済を考える上で重要である。

アップルの株価推移



(記:真壁昭夫)

先週の金融市場から(12月17日~21日) [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2018/12/24(月) 14:30

これまで米国経済の成長を支えてきたIT先端銘柄の株価が軟調に推移している。それが、ナスダック総合指数の下落につながっている。

株価下落の要因の一つは、米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)が、米国経済の成長見通しを下方修正したことだ。12月18日、19日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)にてFRBは、0.25ポイントの利上げを決定した。同時に、FRBはFOMC参加者の景気、政策金利の見通しを公表した。参加者の多くが今後の景気減速を想定し、2019年には2回、2020年には1回の利上げを予想している。

原油価格の下落やユーロ圏経済の景況感の悪化など、世界経済の下方リスクは高まりつつある。その中でFRBがどのように利上げを進めるか、先行き警戒感を強める市場参加者は増えている。

ナスダック総合指数の推移


(記:真壁昭夫)

先週の金融市場から(12月10日~14日) [真壁昭夫のマーケット・ビュー]
2018/12/17(月) 11:30

米アップルの株価が軟調に推移している。背景には、業績懸念の高まりがある。

14日のニューヨーク株式市場では、株式アナリストがiPhoneの出荷予想を引き下げたことが嫌気され、アップルの株価は前日から3%超下落した。中国でのアップル不買運動激化への懸念も高まっている。その上、中国福建省の裁判所は、米クアルコム社の主張を認め、特許侵害を理由にiPhoneの旧モデルの販売を差し止めた。中国市場において、クアルコムはiPhoneの最新機種の販売差し止めをも求める方針だ。

アップルは、低価格モデルを廃止し、最新機種の売り上げを伸ばそうとしてきた。しかし、最新機種の売り上げは思うように伸びていない。その上、米中貿易戦争の激化懸念が高まる中で、クアルコムの要請は中国当局が米国に対抗するうえで都合がよい。このように考えると、今後のスマートフォン需要と米中貿易戦争への懸念を考える上で、アップルの株価がどう推移するかは重要だ。

アップルの株価推移



(記:真壁昭夫)