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「"オミクロン型"受けて世界株安」
「ニューヨークダウ2.5%安」「特に欧州株の下落が目立つ」「日経平均先物夜間取引、27850円、安値は27510円」「原油価格、1日で13%の暴落」「米国債利回りが大幅低下」「ドル安円高」先週末26日金曜日は、世界株安となりました。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」が今後の世界経済に影響を与えるとの観点から、株式市場では売りが広がりました。26日の世界の株価指数の動きを振り返ってみます。まずはアジアです。日経平均      -2.5%TOPIX       -2.0%香港ハンセン指数  -2.6%上海総合指数    -0.5%インドSENSEX   -2.8%総じて下げていますが、特にインド株の下落率が高くなっています。海外投資家の売買の影響度が比較的小さい上海総合指数の下落率は相対的に低くなっています。ヨーロッパの株価指数は、アジア株以上に高い下落率となりました。イギリスFTSE   -3.6%ドイツDAX     -4.1%フランスCAC    -4.7%アフリカ大陸と地理的に近く、関係の深いヨーロッパの株価指数が、アジア株よりも高い下落率となっています。「オミクロン型」の悪影響が、より欧州株に強く意識されているという事でしょう。また、アジアでインドの株価指数の下落率が比較的高めになっているのは、アジア地域の西端で、アフリカ大陸に近いからかもしれません。そして、米国株です。ニューヨークダウ   -2.5%ナスダック総合指数  -2.2%米国株は、東海岸時間午後1時までの短縮取引でした。アジア株並みの下落率です。ニューヨークダウと日経平均の26日における下落率はほぼ同じでした。米大陸では、ブラジルの株価指数の下落率が3.3%と、高めとなりました。世界経済の方向性に対する警戒感が生じた場合、「先進国から海外に出稼ぎに行っている運用資金」が巻き戻される傾向があります。ブラジル株、インド株の下落率の高さの説明になります。株価以上に大きな下げを見せたのが原油相場です。原油先物価格は前日比で約10ドルも下げて、68ドル台となりました。下落率13%の暴落です。「オミクロン型」が今後の世界経済の平常化路線に与える影響が、原油価格に色濃く表れています。日経平均先物の価格を見てみましょう。大証の日経平均先物の夜間取引の価格は、米国株の取引が終了した26日午後1時(日本時間27日午前3時)に28150円前後でした。そして、米国株の取引が終了した後、さらに300円下落して、日本時間27日午前6時の終値は27850円でした。米国株の取引が終わった後に、日経平均先物がさらに下落しました。26日の通常取引における日経平均先物の引け値は28790円でした。従って、夜間取引における下落幅は940円です。最も安い価格は27510円で、その時点での下落幅は1280円です。夜間取引の出来高は45973枚の大商いでした。25日までの3週間における日経平均先物の出来高は、日通し(通常取引+夜間取引)で、概ね2万7000枚~4万枚です。それが、26日の夜間取引だけで、4万6000枚近くに達しています。世界で株式が売られて、債券市場に資金が逃避しています。米国10年債利回りは1.48%と、前日比で0.16%の大幅低下となりました。米国金利の低下を映し、為替相場では、1ドル113円台のドル安円高の動きです。日本の金利は中央銀行によってコントロールされています。世界景気が良くなっても、日本の金利はなかなか上がりません。従って、世界経済が良くなる時には「他国金利高・日本金利動かず」で「他国通貨高・円安」になります。逆に、世界経済が悪くなる時には「他国金利安・日本金利動かず」なので、円高となります。「オミクロン型」を受けて、世界経済に対する警戒感が生じて他国金利安になっているので、為替相場では円高場面になっています。今後の世界の株価の回復については「今後、オミクロン型が世界経済・企業収益にどのくらい影響を与えるか」にかかってきます。そこを読み切る段階ではありません。影響を判断できない段階ですが、投資の大前提として、今までと違ったことを考える必要性が出てきたので、世界の投資家は株式運用資産の一部を債券に逃避させました。株価水準が下がれば、新しく投資をする上での魅力が大きくなるので、当然、株を買う投資家も増えてきます。「投資する対象の価値・企業価値」をややディスカウントして考える必要性が出てくるので、売り物が出て株価が下がる。そして株価が下がることによって、投資する価値自体が向上します。株価1000円では投資価値は感じられなくても、850円ならば、投資する価値を感じる投資家が増えるのです。当面は、「オミクロン型」に関連するニュースは悪いニュースばかりになるのでしょう。今週中に「オミクロン型が急に消滅した」とのニュース等が報道されるはずはないからです。良いニュースがあるとすれば、「このワクチンはオミクロン型にも効果があるとの実験例が出てきた」という類の話です。新しいウイルスの変異型が生じた場合、それに再び対応してきたのが人類の歴史です。


2022年の資金運用を考える上で、重要な時期となりました。



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