「20日のニューヨークダウ、取引時間中の史上最高値を更新」
「上方修正のベライゾンが上昇」
「ナスダック総合指数は小幅安」
「ASMLの7-9月期受注高は高水準、しかし4-6月期を下回る」
「ASML4%超の下落、半導体関連株が軟調」
「テスラ、7-9月期の生産高水準」
20日の米国株式市場では、ニューヨークダウが上昇しました。ニューヨークダウの取引時間中の高値は35669ドルまでありました。これまでの取引時間中の高値(8月16日の35631ドル)を更新しました。20日の終値は35609ドル(+152ドル)でした。8月16日の終値高値(35625ドル)には、わずかに届きませんでした。
ナスダック総合指数は小幅安。下落率は0.05%となりました。
20日のニューヨークダウ採用銘柄の上昇率ランキングでは、1位がユナイテッドヘルス、2位がベライゾン、3位がトラベラーズでした。この3社は決算発表内容を受けて上昇していると解釈されています。
米国時間の20日朝に決算を発表したベライゾンの売上高は329億ドル(前年同期比+4.3%)、利益は66億ドル(同+45%)となりました。通信サービスが順調に拡大しています。ベライゾンでは、今12月期の1株利益を5.35~5.40ドル(従来は5.25~5.35ドル)に引き上げました。ベライゾンの20日の株価は53.61ドル(+1.26ドル)となりました。予想PERは約10倍です。割安株・バリュー株として位置付けられる対象です。
一方で、ナスダック総合指数の小幅安が示すように、グロース株の動きは相対的に悪くなりました。決算発表を行った半導体露光装置メーカーASMLの米国市場における終値が767.70ドル(-33.26ドル)と、前日比で4.1%下落しました。決算発表後のASMLの株価下落が半導体関連株全般の軟調な動きにつながりました。
ASMLは20日のオランダ時間午前7時(日本時間午後2時)、7-9月期の決算を発表しました。売上高は52億ユーロと、4-6月期との比較で30%の増加となりました。純利益は17億ユーロとなり、4-6月期との比較で67%の増益となりました。
ASMLの7-9月期の受注高は61億ユーロとなりました。売上高の52億ユーロを上回る金額です。しかし、4-6月期の82億ユーロに対しては、下回る結果となりました。4-6月期の82億ユーロが極めて高い水準だったので、そこからは低い水準となります。台湾の半導体メーカーであるTSMC向けの、EUV(卓越した紫外線)用半導体露光装置の受注が、ひとまずのピークを付けたとの認識を引き出しました。表で示します。
ASMLの四半期毎の受注推移(単位、100万ユーロ)
2020年 2021年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月
1101 2868 4238 4740 8271 6179
昨日20日の日経平均は、午後に伸び悩みました。レーザーテックや東京エレクトロンなどの半導体関連株は、午前中は高かったものの、午後はマイナスに沈む場面が目立ちました。半導体関連株の下落を受けて、20日の日経平均も伸び悩みました。ASMLの7-9月期受注高が4-6月期と比べて低い水準になったことを受けて、日本の半導体関連株も売られたと推測されます。
ASMLの米国時間における株価が下落したほか、半導体製造装置メーカーのラム・リサーチの株価も、決算発表後の20日米国の時間外取引において下落しています。決算発表を受けて、半導体関連株に対しては、売り物が先行しています。
テスラも20日の取引終了後に7-9月期決算を発表しました。7-9月期の生産台数は237823台となりました。
テスラの四半期ごとの自動車生産台数(単位万台)
2020年 2021年
7-9 10-12 1-3 4-6 7-9
14.5 17.9 18.0 20.6 23.7
半導体不足を克服して、テスラの生産台数は7-9月期も順調に拡大しました。