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「先週末10日の米国株下落」

「8月米国PPI、大幅上昇が続く」

「トヨタ再減産発表→日経平均先物3万円割れ」

「トヨタ株もNY市場で下落」

「TSMC、8月月次売上高を発表」

「半導体関連株は高い」

 

 

 

先週金曜日、10日の米国株は下げました。ニューヨークダウは0.78%、ナスダック総合指数は0.87%の下落率となりました。10日に発表された、8月のPPI(生産者物価指数)が大幅に上昇しました。物価上昇が企業活動に与える影響を警戒する観点から、株価は下落しました。

 

 

米国労働省から発表されたPPIは、前年同月比で8.3%の上昇となりました。前月比では0.7%の上昇です。前月比の上昇率は、6月と7月(ともに1.0%の上昇)に対して、低くはなっているものの、依然として高い上昇率です。

 

 

モノの価格の上昇は前年同月比12.6%、サービス価格の上昇は6.4%でした。前月比上昇率は、モノが1.0%、サービスが0.7%です。

 

 

項目別では、「乗客の移動に伴うサービス」が前年同月比で27.3%上昇、前月比でも8.8%上昇と、極めて高い伸びが続いています。また、「穀物」が前年同月比98%上昇、前月比でも6.4%の高い伸びです。米国で穀物の価格が急上昇しています。

 

 

自動車関連の上昇率は、「乗用車」が前年同月比3.4%、前月比0.8%、「トラック・トレイラー」が同13.3%,2.6%でした。特にトラックの価格が上昇していることがわかります。

 

 

生産者物価指数の上昇は、企業の売上高の増加要因となるので、基本的には、企業収益の好材料です。しかし、現状は「サプライチェーン問題、原材料価格上昇、人手不足で労働コスト上昇」が、企業経営の問題点として強く意識されています。そのため、生産者物価指数の大幅上昇は、企業経営の重荷として意識され、米国株安につながりました。

 

 

10日には、裁判の結果を受けて、アップルの株価が3.3%も下落したことも、全体の下げにつながりました。

 

 

先週は、日本株の強さが目立ちました。米国株については、ニューヨークダウの10日終値が34607ドル。1週間前の35369ドルに対して、2.1%下落しています。先週の米国株は週間を通じて下げました。

 

 

 

 

さて、日本株です。先週末土曜日早朝の段階で、日経平均先物は、3万円をわずかに割る水準、金曜日の現物の日経平均終値に対して400円ほど下の位置にあります。これは、トヨタによる再度の減産計画発表が影響しています。10日のニューヨーク市場で、トヨタ株は下げています。

 

 

トヨタは10日、8月19日に発表した生産計画を、再び引き下げると発表しました。感染者増加を背景にした東南アジアの仕入れ先のサプライチェーン問題を受けて、従来計画に対して9月を7万台、10月を33万台引き下げます。合計40万台の追加減産を受けて、会社側では今年度の連結生産台数を従来の930万台に対して、900万台に引き下げました。

 

 

8月19日、20日の日本株は、トヨタの減産を受けて大幅安になった経緯があります。トヨタの再減産発表を受けて、10日の米国市場では、その連想が働いて、日本株先物が下げたと考えられます。

 

 

しかし、トヨタは連結営業利益の見通しについては、変更していません。先述した生産者物価指数の状況を見ると、販売価格は高めになる可能性が高くなっています。供給不足は販売台数減をもたしますが、1台当たりの価格上昇も同時にもたらす可能性が高く、1台当たりの粗利益は増加するので、利益面は維持されるという構図と考えられます。

 

 

一方、10日の米国株市場では、主要株価指数が下げる中でも、フィラデルフィア半導体株指数は高くなりました。TSMCが10日発表した8月の売上高は1374億台湾ドル(前年同月比+11.8%)となりました。7月は1245億台湾ドル(同+17.5%)でした。7月-8月の月平均売上高は約1310億台湾ドルとなりました。4-6月の月平均売上高の1240億台湾ドルに対して、5.6%ほど増加しています。

 

 

TSMCでは、7-9月期売上高について、計画数値の上限で4157億台湾ドル(149億ドル・1ドル27.9台湾ドル前提)を計画しています。計画が順調に進めば、9月の月次売上高は、約1538億台湾ドルとの計算になります。

 

 

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