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「週明けの米国株は小幅高」

「中国規制強化→アリババ、バイドゥは大幅安」

「GAFAMは史上最高値圏、ディフェンシブストックとして関心?」

「日東電工、スタンレーが決算発表」

 

26日の米国株は小幅高となりました。ニューヨークダウの上昇率は0.24%,ナスダック総合指数は0.03%でした。26日のアジア株式市場では、中国の上海総合指数が2.3%下落、香港ハンセン指数が4.1%下落と、大幅安になっていました。

 

 

中国政府によるIT産業や教育産業への規制強化の姿勢が強まっています。規制強化の高まりを受けて、今後の事業環境への警戒感が高まり、中国株が大きく下落しました。26日の米国市場では、この中国の産業界の動向がどのような影響を与えるのか、懸念されました。しかし、結果的には、影響は限定的で、米国株が崩れるような展開にはなりませんでした。

 

 

26日の米国株式市場では、アリババが約7%の下落、バイドゥが約6%の下落と、中国を本拠とするネット関連株は大きく下落しました。しかし、その影響が広がるには至りませんでした。

 

 

米国時間27日には、アップル、グーグルことアルファベット、マイクロソフトが決算を発表します。GAFAMの株価は、いずれも史上最高値圏にあります。決算発表を前に、GAFAMの株価がいずれも最高値圏にあるということは、決算期待で買われていることになります。ただ、期待で買われているということは、期待に添わないものが表面化した時には悪影響を受けることになりますので、期待と警戒感は背中合わせでしょう。

 

 

GAFAMは高いPBRなので、グロース株と位置付けられます。グロース株は一般的に、「成長力が高いので、PBRやPERが高くなっても当然」と受け止められます。

 

 

しかし、違った視点も必要と考えています。「業績の安定性が高いので、PBRやPERが高くなっても当然」という視点です。つまり、世界景気が極端な不況や波乱に陥った時にも、強いビジネスモデルを確立しているGAFAMの収益は悪化することはない。従って、その安定性=ディフェンシブの強みが、高いPBRにつながっているとの考え方です。

 

 

この視点ならば、世界景気への警戒感が強まって、金利が上昇しなくなった時に、GAFAMの動きが景気敏感株よりも相対的に強くなる現象面を説明することが容易になります。GAFAMは果たして成長株として買われているのか、それともディフェンシブストックとして買われているのか、その議論は意味深いと考えます。

 

 

26日にはテスラが4-6月期の決算を発表しました。売上高は119億ドルでした。前年同期との比較で98%増加、1-3月期と比べても15%の増加です。日本時間の朝7時過ぎ、同社株は時間外取引で1.5%上昇しています。

 

 

GAFAMの株価はそろって史上最高値圏と先述しましたが、テスラの株価は657ドルと、史上最高値の900ドルに対して7割ぐらいの水準です。GAFAMとテスラの株価の位置は全然違います。テスラとGAFAMでは、収益の安定性が全然違うと考えれば、位置の違いの説明にもなります。

 

 

日本株の決算動向もお伝えします。

 

 

日東電工(6988)が26日発表した4-6月期の営業利益は297億円となりました。前年同期との比較で70%増益、1-3月期との比較でも66%の増益です。同社は、製造業向けの粘着材料、液晶フィルムを供給するメーカーです。電機業界、自動車業界の出荷状況と業績動向の連関性があります。

 

 

製造業の決算内容は、1年前の4-6月期との比較では大幅増益になるケースが多いので、決算短信で「前年同期比大幅増益」とあっても、それは新鮮な材料にはならない可能性もあります。手間がかかりますが、1-3月期との比較も計算しておきたいです。

 

 

また、2年前の2019年4-6月期との比較も出しておくと良いかもしれません。「コロナ前の2019年4-6月期との比較」では、日東電工の営業利益は、約2倍になります。

 

 

会社側が計画している9月上半期の営業利益は600億円です。上半期計画の約半分を4-6月期で達成しています。業績見通しには修正はありません。電気機器や自動車機器の製造過程で使われる「インダストリアルテープ」の営業利益が107億円となりました。これは前年同期の約6.5倍増、1-3月期との比較でも66%の大幅な増加です。

 

 

一方で、光学フィルムなどオプトエレクトロニクス事業の営業利益は173億円。前年同期比2.3%減、1-3月期比4.3%減でした。ロイヤリティ収入の減少という一時的要因が影響していますが、物足りない水準と受け止められるかもしれません。

 

 

自動車用ランプメーカーのスタンレー電気(6923)が26日発表した4-6月期の営業利益は83億円、前年同期の赤字に対して黒字転換しました。前期が赤字の異常な状態ですので、コロナ前の2019年4-6月期の129億円との比較を出すと、35%程度の減益になります。

 

 

上半期の計画である191億円に対して、4-6月期の実績は43%程度です。自動車用照明のメーカーは中国を中心とするアジアビジネスが、やや弱めの印象です。

 

 

ゲームソフトが好調なコーエーテクモ(3635)、自動車向けと建材関連のステンレス鋼線の需要が予想を上回る日本精線(5659)、半導体、電子部品の需要が強いマクニカ・富士エレ(3132)等が26日に業績予想の上方修正を発表しています。

 

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