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「3日続けてNYダウ35000ドル乗せ場面、でも終値は維持できず」

「アップル、iPhone新機種生産拡大期待から上昇」

「コカ・コーラなど配当成長期待株も上昇」

「不二越、"自動車関連、年末にかけてさらに拡大"」

 

 

 

 

 

 

14日の米国株は小動きでした。ニューヨークダウは0.1%の小幅高となりました。一方で、ナスダック総合指数は0.2%の小幅安です。

 

 

ニューヨークダウは14日も取引時間中に35000ドル台を付ける場面を見せました。これで、今週に入ってから、3日連続で取引時間中に35000ドル台を付けています。しかし、終値では、35000ドルを維持できない展開が、3日続いています。

 

 

ニューヨークダウ採用銘柄で上昇率トップとなったのはアップルです。上昇率2.4%で史上最高値を更新しています。今年発売予定のiPhoneの最新機種の生産が高水準になるとの報道を受けて、買われています。

 

 

ニューヨークダウ採用銘柄で上昇率2位となったのはコカ・コーラです。配当金が持続的に成長している企業として知られています。60年近く、増配を続けている企業です。

 

 

アップルもその傾向がありますが、収益基盤が盤石で、継続的に株主還元を高める力のある企業が買われる動きが浮き彫りになったと考えます。

 

 

14日の米国市場では、パウエルFRB議長の議会証言における金融緩和継続の発言内容が発表されたことから金利は低下しました。10年債利回りは約0.06%低下して1.35%台となりました。

 

 

10年債利回りが低い状態が続くのならば、安定して配当金が増加するコカ・コーラやアップルのような企業の株式の魅力が高まるとの観点から、配当成長期待銘柄が買われるとの理屈にもなります。債券の利回りが低い状態ならば、株式の配当の魅力が増すためです。

 

 

コカ・コーラの株価上昇には、伏線もあります。13日に発表されたペプシコの4-6月期決算では、世界各地での売上高増加が明らかになりました。好決算を受けて、コカ・コーラのライバルであるペプシコの株価は史上最高値を更新しています。

 

 

決算発表後のペプシコ株の上昇が、21日に決算を発表するコカ・コーラの株価を刺激したとの考え方も可能でしょう。

 

 

ちなみに、現在のペプシコの株価は154.54ドルで年間配当金は4.30ドル。コカ・コーラの株価は56.26ドルで、年間配当金は1.68ドルです。毎年、毎年、配当金が増加して、つれて、株価も継続的な上昇が期待できるとして、投資家の信頼が厚い企業群です。

 





さて、日本の決算状況です。日本で発表される3-5月期決算は、小売業の発表が多いのですが、製造業の業績拡大が目立っています。安川電機の業績上方修正が代表的な例です。自動車・電機・機械に関連する産業の業績拡大の可能性が高くなりました。

 

 

昨日13日に不二越(6474)の決算説明会に出席しました。油圧機器、工具、ベアリング、ロボット、工作機械を主力とする企業です。今11月期の第2四半期である3-5月期の営業利益は40億円と前の四半期である12-2月期の24億円から、伸びに加速がつきました。業績好調を受けて、今11月期の営業利益を従来の80億円に対して135億円に上方修正しました。今年度の年間配当金も従来の80円に対して100円に引き上げます。

 

 

自動車や建設機械向けに加え、産業機械向けのビジネスも回復し、業績見通しが引き上げられました。かなり大きな上方修正です。ただ、この計画についても、「コロナや中国調整、半導体不足等のリスクを織り込んで業績計画を立てている」(坂本社長)とのことでした。慎重な見地による見通しと受け止めて良いと考えます。

 

 

自動車産業の生産面は半導体不足の影響を受けています。米国で発表された6月の消費者物価指数において、中古車の価格が前月比で10.5%も上昇(前年同月比では45%上昇)しています。半導体不足で自動車の生産が計画通りに進まず、在庫不足に自動車業界は悩まされ、その結果、中古車の価格が急上昇しています。

 

 

しかし、半導体不足は徐々に解消されて、自動車生産が回復する可能性が高くなってきました。不二越では欧米の売上高について、下期(6-11月期)は上期(12-5月期)を上回ると見ています。「米国の自動車生産は半導体不足影響を強く受けているが、第3四半期、第4四半期と順次回復していく。欧州の自動車生産も同様に回復する。かつ欧州では建設機械向けも回復する」との話でした。

 

 

先述した安川電機に加え、工具メーカーのOSGの業績動向も考慮すると、自動車関連業界の決算状況については、現状の市場想定よりも、強めな内容が出てくる可能性が生じています。不二越の坂本社長は「現在、自動車向け(ビジネス)は非常に高い水準で、年末に向けてさらに拡大していくだろう」と見ていました。

 

 

自動車向けのプラスチック製品を主力とする三光合成(7888)が13日に発表した2021年5月期の営業利益は、従来予想の20億円を上回って24億円(前の期との比較で3.4倍増)となりました。会社側では、2022年5月期の営業利益の見通しを29億円(前期比20%増加)と発表しました。

 

 

半導体不足の影響を受けてきた自動車生産が挽回生産に進むのならば、その生産拡大で仕事量が増える企業は数多くあるはずです。





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