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「富裕層増税で米国株下落」

「日本電産・永守会長がCEO退任」

 

22日の米国株は下げました。取引時間中に、「バイデン大統領が所得100万ドル以上の個人のキャピタルゲイン税を現在の2倍(20%→39.6%)に引き上げる」との報道がありました。増税を警戒した売りが先行しました。

 

世界を見ると、増税観測や金融緩和政策の転換など、株価の上昇を抑制する動きも目立っています。「株価上昇を抑制する動き」に対して、「業績拡大の魅力」が勝る企業に投資する姿勢が求められる状況です。


 

昨日22日は日本電産が決算を発表しました。新年度の営業利益は前期比12.5%増加の1800億円の見通しが表明されました。日本電産の場合、2030年に向けた成長軌道が評価されている企業なので、今年度の短期的な見通し自体が株価に与える影響は大きくないと思われます。

 

むしろ、株価面では、永守会長のCEO(最高経営責任者)退任がどのように受け止められるか、注目されます。CEOが76歳の永守会長から59歳の関社長に代わることは、後継者の育成が順調に進んだことを意味します。

 

後継者育成進展という前向きな評価ならば、株価面に問題はありません。しかし、永守会長による中長期的な成長路線への説明が、投資家の共感を呼び、日本電産株価の高PERを支えてきた面があります。カリスマ経営者のCEO退任がどのように受け止められるか、朝の注目点になります。


 

日本電産の決算説明会では、自動車業界の現状と今後を見る上で、注目される発言がありましたので、紹介します。半導体や電子部品の不足により、足元では、自動車関連の生産に支障が出ているようです。しかし、需要は強い。強い需要に生産が対応できないので、在庫の少ない状況です。

 

日本電産の関社長によると、北米の自動車ディーラーの在庫は通常は75日~80日で、90日以上の過剰な状態になっていることも多いそうです。しかし、足元の在庫日数は40日を切っています。

 

在庫日数が40日を切っているような状態では、ディーラーを訪れた消費者が自分の好みの自動車がみつからずに、車を購入しないで帰ってしまうことも多いそうです。だから在庫を増やさなければならない。

 

関社長からは、6月か7月には、材料不足が解消されて、自動車生産高が急激に上がってくるとの見方が示されました。

 

今後、製造業各社の決算発表において「部品不足による自動車生産の停滞」が語られるでしょう。しかし、6月か7月に部品不足が解消されて、生産が急激に上がってくるのならば、今年7-9月期の自動車関連企業の収益は、高い水準が期待できます。


 

今年度の業績見通しについて、4-6月期だけの業績見通しを開示する企業があります。四半期ごとの業績推移がわかるので、非常に参考になります。昨日は半導体製造装置メーカーのディスコ(6146)と電子部品メーカーのKOA(6999)が決算を発表して、4-6月期の業績見通しを開示しました。以下に示します。

 

             営業利益の四半期毎の推移(単位 億円)

        10-12月期   1-3月期   4-6月期(予想)

ディスコ      133       164      132

KOA        7.3      10.8     10.0

 

4-6月期の営業利益は、ディスコが前年同期比42%増益、KOAが2.6倍増益予想です。前年同期との比較で大幅な増益予想ですが、1年前の4-6月期はコロナ影響で業績が落ちている時期ですので、そことの対比では大幅な増益になるのは当然です。このように四半期ベースでの水準を把握すると、仕事量の動向がより的確に捉えられます。




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