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「日銀、21日にETF購入」

「ASML、決算発表受け6%高」

 

21日の米国株は上昇しました。S&P500種指数の21日の取引時間中の高値は4175Pでした。16日の史上最高値は4191Pなので、すぐに追い越せる位置です。日本株を見ると、株価調整場面を迎えているように見えますが、米国株については、調整色は薄い状況です。

 

米国時間における日経平均先物の水準を見ると、本日の日経平均は、取り敢えず400円近く上昇する動きを予想しているようです。

 

日銀は昨日21日、ETFを701億円購入したと発表しました。4月に入って初めての購入です。株価の下落によって、日銀のETF購入姿勢を試すような面も意識されていたので、1つの事実として注目できるでしょう。3月に発表された、日銀のETF購入における変化を示す声明文を以下にコピペします。

 

「ETFおよびJ-REITの買入れについては、感染症の影響への対応のための臨時措置として決定したそれぞれ約12兆円および約1800億円の年間増加ペースの上限を、感染症収束後も継続することとし、必要に応じて、買入れを行う。買入れを行ったときは、直ちに政策委員に報告する。」

 

「ETFおよびJ-REIT買入れは、リスク・プレミアムに働きかけることを通じて、市場の不安定な動きを抑制している。さらに、買入れの効果は、金融市場の不安定性が強まるほど、また、買入れの規模が大きいほど、高まる傾向がある。すなわち、市場が大きく不安定化した場合に、大規模な買入れを行うことが効果的である。」

 

 

「買入れを行ったときは、直ちに政策委員に報告する」とあります。この文章を見ると「買い入れを行うのは、すぐに政策委員に報告しなければいけないような、特殊なケースなのだよ」とのニュアンスが感じられます。

 

さらに「市場が大きく不安定化した場合に大規模な買入れを行うことが効果的」とあります。この文言からは「不安感が高まった時に大規模に買う」とも読めます。

 

買い付けの回数が少なくなる代わりに、1回の買い付け金額が大きくなることも考えられました。つまり、日銀がETFを購入するのはあくまでもレアケース。例えば、世界的な株安で投資家の行動が制御できなくなり、1日で株価が5%以上の急落をした時に、1日あたり2000億円でも3000億円でも購入する、というような姿勢になるのかな、と私は考えていました。

 

しかし、今回のETF買い付け規模については、今年の500億円規模よりは多いのですが、昨年と同じ700億円規模でした。


また、前日したように、米国株は調整らしい調整を入れている訳ではありません。人によって感じ方は違うのでしょうが、今週の動きを見て「市場が大きく不安定化している」と受け止めた人は多数派なのでしょうか。昨日のETF購入が発表されたことで「日銀の姿勢には大きな変化はない」との認識を市場に与えることになるでしょう。


本日については、昨日・一昨日と売りから入るトレーディングを行っていた投資家の動きは抑制される可能性があります。

 

TOPIXの21日の前引け値は1884.46Pでした。サンプル1つで仮説を立てるのは無理がありますが、それでも、日銀のETF購入の条件について仮説を立ててみましょう。

 

19日月曜日のTOPIX終値1956.56Pに対して21日前引け値は3.68%の下落率です。「1日半で3.5%下落」、あるいは、「前引け段階で前日比2%下落」で日銀はETFを買い付ける姿勢になったのか、今後、市場では例を集めて学習することになるのでしょう。

 

 

オランダの半導体製造装置メーカーASMLが21日、1-3月期決算を発表しました。半導体露光装置の世界トップメーカーです。1-3月期の受注高は47億4000万ユーロ(10-12月期の42億3800万ユーロに対して11.8%の増加)となりました。

 

ASMLの四半期ごとの受注を以下に記します。(単位 億ユーロ)

2020年1Q   2Q    3Q   4Q  2021年1Q(今回)

     30   11   28   42    47

 

昨年の4Q(10-12月期)に、ぐんと増えて、今回1-3月期にも極めて高い水準を確保しました。47億ユーロの内、23億ユーロが、最新式のEUVシステムの受注だったとのことです。

 

1Qの売上高は計画を上回り、今12月期の売上高は30%の増収になるとの見通しを示しました。

 

21日の米国市場においてASMLの株価は6%以上の上昇率となって、史上最高値を塗り替えています。

 

米国の半導体製造装置メーカーであるラムリサーチが21日発表した1-3月期の売上高は10-12月期に対して11%増加の38億ドルとなりました。4-6月期の売上高は40億ドルが計画されています。ラムリサーチの決算発表は通常取引終了後でしたが、通常取引では株価が4.6%上昇しています。

 

海外の半導体関連企業の決算内容、株価の動向を見て、本日の東京株式市場でも、半導体関連株について買いから入る投資家が増えると考えられます。

 

世界の顧客に半導体製造装置や半導体材料を供給している会社の株価が、欧米企業だから高い、日本企業だから安い、という展開になるのは、理屈に合わないと考えています。

 

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