「米国金融機関が決算発表」
「証券業務好調、貸し出しの伸びは鈍い」
14日のニューヨークダウは小幅高、ナスダック総合指数は1%弱の下落率となりました。
米国時間14日に大手金融機関の決算が発表されました。
株価の反応と業績内容を見てみましょう。
ゴールドマンサックス 335.35ドル(+7.67ドル、+2.34%)
1‐3月期 10-12月期
利益 68億ドル 45億ドル
直前の決算期である10-12月期と比べて、1-3月期の利益は52%増えています。1-3月期の売上高は177億ドルで10-12月期比では51%増えました。ゴールドマンサックスの売上高は約9割が証券関連の業務です。証券市場の活況を反映する決算内容です。1-3月期の1株利益は18.60ドル(10-12月期12.08ドル)です。
JPモルガンチェース 151.21ドル(-2.88ドル、-1.87%)
1-3月期 10-12月期
利益 143億ドル 121億ドル
JPモルガンの株価は下げました。同社の利益は10-12月期と比べて18%増加しました。ゴールドマンサックスと比べると、低い増益率です。証券関連ビジネスは好調ですが、貸出関連の業務は期待に届かず、株価は下げたようです。
貸出関連の売上高の実績を見てみましょう。
1-3月期 10-12月期
Consumer & Business Banking 56億ドル 57億ドル
Home Lending 14億ドル 14億ドル
Card & Auto 54億ドル 55億ドル
10-12月期と比べて、あまり伸びていません。貸出関連のデータが予想よりも弱いと投資家は見たようです。
ウエルズファーゴ 41.99ドル(+2.20ドル、+5.53%)
1-3月期 10-12月期
利益 47億ドル 29億ドル
ウエルズファーゴは業績の変化率が高く、株価も大きく上昇しました。
貸出関連のデータを見てみましょう。
1-3月期 10-12月期
Home Lending 22億ドル 19億ドル
Credit Card 13億ドル 13億ドル
Auto 4億ドル 4億ドル
クレジットカードや自動車ローンは10-12月期と比べて伸びていませんが、住宅ローンでは成果を収めた数字です。それが、JPモルガンとは違った、強い株価動向をもたらしたのでしょう。
米国金融機関の1-3月期決算については、全体的には、「証券業務の好調」と「貸出コストの低減=貸倒引当金の戻し入れ」によって、10-12月期と比べて大幅な改善を実現しました。不況に対応して、貸した金が戻らないリスクに備えてコストとして計上していた資金が戻ってきたので、それが利益に計上された形です。
しかし、貸出業務については、まだ量的拡大には至っていません。本格的に米景気が拡大すると見られる4-6月期の量的拡大が実現するか、それが、これからの焦点になります。