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「決算発表を控えて、期待が勝る」
「中国景気牽引→世界景気拡大」

 

先週末9日の米国株は上昇しました。決算発表シーズンを迎え、内容を見極める時期です。その時期に株価は上がっているので、期待の方が警戒よりも高いのが現状でしょう。好調な企業業績を反映する動きと捉えられています。アップルの株価は9日で7連騰となりました。

 

安川電機が9日に2月期の本決算を発表しました。営業利益の実績、予想は次の通りです。

2021年2月期実績271億円(+12%)

2022年2月期予想420億円(+54%)

 

2021年2月期の営業利益については、300億円近くに上振れるとの見方もありましたが、ほぼ会社側の計画通りです。新年度の計画420億円については、会社四季報掲載数字で400億円、日興リサーチ予想で437億円等の数字ですので、市場予想とは大きな違いはないと考えられます。

ただ、ドル円レートの前提が1ドル110円です。これが52億円の営業利益増益要因として作用しています。為替面の増益要因を考慮すると、実質的な会社側計画数字は、やや物足りないとの受け止められる可能性もあります。

8日の米国市場における安川電機のADRの株価を見ると、0.82%の下落率でした。もっとも、米国市場での取引高はごく少ないので、あまり参考になりません。本日の東京株式市場の取引で投資家の意欲を測ることになります。

 

安川電機の事業環境認識について、会社側のコメントを以下に掲載します。

「前期は中国で5G関連が思い切り立ち直り、3C(コンピュータ、コミュニケーション、コンシューマ)も回復、後半にはEV関連のバッテリーが立ち直ってきた。前期のそうした中国の動きが新年度は世界中に広がっていくので、収益がさらに増える」


「EV化は今のロボット事業の環境にはプラス。ガソリン関連が思い切り減っている訳ではない中で、バッテリー関連の投資が出ているので、EV化はプラスに働いている。もっとも、今後、ガソリン車関連の投資が減ってきたら、話は別だが...」


「中国は新年度も好調が続く。前期に悪かった欧米は、今年度は上がっていく。米国で止まっていたオイル・ガス関連の投資が正常化する。欧州では自動車関連の投資が年間に渡って回復する」

「半導体不足は続くが、不足に対応して増やそうと業界を挙げて努力しているので、半導体投資は続く」

「コロナ禍のテレワーク増加でサーバーが売れる。世界中に供給されている資金が家電や自動車の購入に向かっている面もある」

 

以上のコメントを聞くと、新年度の世界景気、企業業績が基本的に上を向いていることが確認されます。昨年までは中国の経済が牽引役となり、今年は米国の回復が本格化する流れです。

 

また、9日には、世界最大の半導体受託生産会社TSMCから3月の月次売上高が発表されました。3月の月次売上高は前年同月比で13.7%増加の1291億台湾ドルでした。この月次売上高は、昨年9月の1275億台湾ドルを抜いて、過去最高となりました。



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